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生誕120年 棟方志功 展へ行って来ました 🧐

見どころ

国際展受賞作から書、本の装画、商業デザイン、壁画までー「世界のムナカタ」の全容を紹介
代表的な板画作品はもちろん、最初期の油画や生涯にわたって取り組み続けた倭画に加え、高い人気を博した本の装幀や、長く大衆に愛された包装紙の図案など、優れたデザイナーとしての一面も取り上げ、棟方芸術の全貌に迫ります。

青森ー東京ー富山、棟方の暮らした土地をたどる、初の大回顧展
生誕120年という節目をとらえ、棟方志功が芸術家として大成していく過程のなかで大きな影響を与えた土地である三つの地域―故郷・青森、芸術活動の中心地・東京、疎開先・富山―を、最大規模の回顧展として巡回します。

棟方畢生の超大作、久々の公開
縦3メートルの巨大な屏風《幾利壽當頌耶蘇十二使徒屏風》( 五島美術館蔵 )
を約60年ぶりに展示、また、ほとんど寺外で公開されることのなかった倭画の名作《華厳松》( 躅飛山光徳寺蔵 ) は通常非公開の裏面とあわせて展示します。

会期中一部展示替えがあります。


東京国立近代美術館「生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」の展覧会ページ より



 初めに読むこと【noteに投稿する私の記事等の著作物の閲覧・引用及び利用・実践等の注意事項】(2023年5月25日更新)



 広告通り、棟方むなかたこうの大回顧展と云うに相応ふさわしい展示内容だった。ただ、 西山は「ムナカタ」なる世界的なはん画家がかほとんど興味が無い。であれば、どうして出掛けて行くのか? それには 事情がある。

 

千億祥也 造作 「はっきりと赤い花」1984年 / 西山弘一 複製画 
👉 本図の使用許諾はここをクリック

 

 1984年の11月、千億せんおくさちのピアノによる神秘音楽の演奏会が大阪で開催された折、上図の巨大なモニュメンタルアート『はっきりと赤い花』 (千億祥也 造作) が床に形成されていたが、他にも、この演奏会のプログラムに 美術作品が6点 掲載された。版画の Dessin素描 である。その中の一つの「創造過程」の Esquiss画稿e から、西山が千億(著作権者)の許可を得て 非公式に作成しておいた 彩色版画の見本(デザイン画)がある。👇


千億祥也 素描 「創造過程」1984年 / 西山弘一 画   👉 本図の使用許諾はここをクリック


 この「創造過程」の Dessin では 千億が Surréalisme超現実主義 の 幾つかの技法を聖別して 版画に取り込む表現を提案している。例えば、Joan Miróホアン・ミロ が 提唱した Picto-poésie絵画詩Pablo Picassoパブロ・ピカソ が 1925年頃に影響を受けた Metamorph変容ose の手法、Salvador Dalíサルバドール・ダリ が  “Slave Market with the Disappearing Bust of Voltaireヴォルテールの見えない胸像がある奴隷市場” などに採用した Paranoiac-critical method偏執狂的批判的方法 などである。これらの Surréalisme の技法は 幻想やその他の複数のイメージを含む偶発的な多重 Forme様式 を装いながら、Carl Gustav Jungカール・グスタフ・ユングSynchronicity同時発生 の概念や Giorgio de Chiricoジョルジョ・デ・キリコ の形而上学的な表象を kollektives Unbewusstes普遍的無意識 に想起させている。千億の版画は 伝統 YOGA芸術の美術的な可能性を、こうした Surréalisme の 創造過程に見出していた。────

 以下、棟方志功の美術作品の創作活動を通じて、西山の勝手な千億祥也 贔屓ひいきの芸術的な事情と 日本画壇の今後の展望をていく。
 
 棟方は 18歳の時、前衛美術家の 小野おの忠明ただあきらから、雑誌『白樺』に掲載された ゴッホの「向日葵ひまわり」(1888年) の原色版を見せられ、深い感銘をけた。そして、この記事の見出しthumbnail画像のような 絵葉書を贈られている。また、日頃から「ワだば、ゴッホになる!」と宣言して 洋画家を標榜したが、当時から 東京で開催されていた帝展白日会展などに油彩画を出品するも 評価されず 落選が続く。
 しかし、ついに 1928年、上京して 5年目の第9回 帝展に初入選した「雑園」を皮切りに 板画や倭画やまとえなどの作品の制作に携わりながら 晩年まで油画を描き続けて、この分野でも ゴッホ 真乍さながらに『太陽花シリーズ』(棟方志功記念館青森県立美術館蔵)のような 優れた作品を遺すことになる。
 
 油絵を学ぶために上京した 棟方だったが、数年間、意に反して落選が続いたためか、自らの美術的な可能性を 油彩画以外にも見出そうとしていた。この時、佐藤一英いちえいの長編詩をモチーフにした 棟方の出世作《瓔珞ようらく大和やまとうるわし版画巻》を生み出す引き金になったのが、国画創作協会の 第5回 展覧会でた 川上かわかみ澄生すみおの版画「初夏はつなつかぜ」(鹿沼市立川上澄生美術館蔵)である。

 美しい文字で刻印した詩文と ゴッホのような躍動感にあふれる画風を抱き合わせて版画にすると云う棟方の表現が、川上澄生の版画と佐藤一英の詩とファン・ゴッホの油画との巡り合わせで出来上がった。「大和し美し」は 日本民藝館の買上げとなり、この民藝運動との結び付きが 濱田はまだ庄司しょうじやなぎ宗悦むねよし河井かわい寛次郎かんじろうらの知遇を得て、棟方を一躍 世界的に有名にする転機となる。


かぜとなりたや
はつなつの かぜとなりたや
かのひとの まへに はだかり

かのひとの うしろより ふく
はつなつの はつなつの
かぜとなりたや

川上澄生 / 木版多色刷「初夏の風」(1926)より



 川上澄生が 版画に刻んだ自作のこのうたは 典形的な押韻構成おういんこうせいでイギリス風ソネットの変形型詩形をいろどった日本語ソネットの 数少ない成功例だと西山は考えている。その成功は 同時代の文壇の覇者たちが 試行錯誤の末に 挫折した課題だった。


近代日本では蒲原有明が初めて紹介したが、音韻体系が全く異なる日本語とはうまく合わず、立原道造らが行数を取り入れたにとどまる。その後は福永武彦らのマチネ・ポエティクが本格的な日本語ソネットの創作を試みたが、三好達治による厳しい批判を受け、日本語ソネットの試みは頓挫した。

ソネット - Wikipedia より


 
 詩は瞬間の心のはたきを生成する。言葉を話せば 風が生まれて 絵(具象)が現れる。そんな爽やかで 瑞々しい時代の贈り物に 西山も 恋心をもらった。



 また、次の解説は Kunstsammlung NRW K20 Grabbeplatz で 2015年6月13日 ~ 2015年9月27日 に 開催された ❝ Miró.ホアン・ミロ    Malerei als Poesieポエジーとしての絵画  ❞ から ドイツニュースダイジェストの記事 の引用である。

 

ミロにとって詩人とは、単に詩を書く人ではなく、世界を哲学的に再解釈する人を指した。そして、自ら「詩人の威厳をもって生きる」ことを目指したのだった。

その一方で、文字やテキストを絵画に取り込む作業も始まる。ミロが最も敬愛した詩人アルテュール・ランボーは、Aは黒、Uは緑といった具合に、5つの母音に色を与えていた。ミロはランボー理論を作品に生かしただけでなく、これに形を追加した。Aは三角形で下半身、Oは丸で目や太陽、Uは曲線で腕や脚を意味する。文字や言葉は人間の理性を規定するものだが、ミロはそれを絵画という異世界に解放することで、人の精神を解放したと言える。ミロが「自分は詩と絵を区別しない」と公言し、“絵詩人”を自称したのには、こうした背景がある。

NRW州立美術館非常勤スタッフ・田中聖香


 このように、棟方と千億の美術的到達点が、1930年前後の日本とヨーロッパで同時発生したかのように酷似している 芸術的思想の相続であったことは 決して偶然ではないのである。
 つまり、いずれも、詩と夢と幻想、心理学や宗教哲学に基づく世界観などの 神秘的素材が美術作品を構築している。ただ、えて両者の特徴の違いを述べるとすれば、棟方の美術が 民芸運動の洗礼を受けて、19世紀中頃からヨーロッパで台頭し始めた Post-impressionnismeポスト印象主義 から 日本のアナログ総合芸術への 展開へと向かったのに対して、半世紀を経て 千億の美術は 伝統 YOGA 運動の成果を円満して、 ヨーロッパにおける 20世紀初頭の Surréalisme から 現代日本のデジタル統合芸術への展開へと 遷移せんいしていると云う点である。


 

 そこで、千億祥也の Dessin「創造過程」(1984年) に話を戻すが、この図に示された くすしき 虹の Spectre 連続スペクトル を 超えて 無限大光の陰吸収線スペクトル に 隠れている ❝ D.C.ダ・カーポ❞ を みつめて欲しい。
 無数に耀かがやく星の Panoram展望a は、Spectral line光の陰 に 導かれて ΑΩアルファ・オメガ へと 帰還する 宇宙の創生 Cosmic Movement を予見している。音楽が 初めに戻るのである。

 それは、ちょうど André Bretonアンドレ・ブルトン が Surréalisme 運動によって 無意識の探求・表出による人間の全体性の回復を目指す聖なる Automatisme神託主張 へと芸術を引き戻し、प्रकृति の転変から पुरुष へと遡る 伝統 YOGA の実践が 天文学・代数学・幾何学・音楽 をギリシャ時代の四科(測定に関する学問)の源流へと 哲学的に牽引していくように、無意識の神秘を解明する YOGA 芸術を開花させて、ここに 新しい宇宙創生の物語を始める。───

  現代は どこにいても パソコンやタブレット、スマートフォンで画像や動画の閲覧が容易であり、音声や音楽も同時に聴ける時代だ。
 デジタル化した統合芸術の高波の轟音ごうおんが、突然 昼夜を問わずに響きわたり、Globalグローバル で 斬新な芸術の発信スタイルは ひとり ❝ the Internetインターネット ❞ のみならず、さらに ❝ Artificial人工  Intelligen知能ce ❞ によって 発展して行こうと身構えている。そのデジタル化した 統合芸術の高波と共に、諸国の情勢が 再び 侵略化へと渦巻く 戦乱の潮流に呑まれながらも、この地球で たった今、純粋な芸術家たちの ❝ 宇宙創生 ❞ への挑戦が 勇ましく始まろうとしているのだ。
  
 西山は 我が国において、まさに 本日 2023年11月5日、神秘ヨーガ芸術主義の発祥を 宣言する。note の クリエイターや読者、或いは、この記事を訪れている有志のアーティスト諸君は、是非 この芸術運動に参加して欲しい。




🌈 神秘ヨーガ芸術主義の芸術運動の詳細は 2023年12月13日に 西山の note の記事で公開予定です。また、千億祥也の美術作品は 2024年1月にアーユルヴェーダスペリウムやアクアフローラ、YOGARTOで販売予定です。ご期待下さい。




© Japan copyright 2023.11.7 Traditional Yoga Art Production



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