生誕120年 棟方志功 展へ行って来ました 🧐
初めに読むこと【noteに投稿する私の記事等の著作物の閲覧・引用及び利用・実践等の注意事項】(2023年5月25日更新)
広告通り、棟方志功の大回顧展と云うに相応しい展示内容だった。ただ、 西山は「ムナカタ」なる世界的な板画家に 殆ど興味が無い。であれば、どうして出掛けて行くのか? それには 事情がある。
1984年の11月、千億祥也のピアノによる神秘音楽の演奏会が大阪で開催された折、上図の巨大なモニュメンタルアート『はっきりと赤い花』 (千億祥也 造作) が床に形成されていたが、他にも、この演奏会のプログラムに 美術作品が6点 掲載された。版画の Dessin である。その中の一つの「創造過程」の Esquisse から、西山が千億(著作権者)の許可を得て 非公式に作成しておいた 彩色版画の見本(デザイン画)がある。👇
この「創造過程」の Dessin では 千億が Surréalisme の 幾つかの技法を聖別して 版画に取り込む表現を提案している。例えば、Joan Miró が 提唱した Picto-poésie や Pablo Picasso が 1925年頃に影響を受けた Metamorphose の手法、Salvador Dalí が “Slave Market with the Disappearing Bust of Voltaire” などに採用した Paranoiac-critical method などである。これらの Surréalisme の技法は 幻想やその他の複数のイメージを含む偶発的な多重 Forme を装いながら、Carl Gustav Jung の Synchronicity の概念や Giorgio de Chirico の形而上学的な表象を kollektives Unbewusstes に想起させている。千億の版画は 伝統 YOGA芸術の美術的な可能性を、こうした Surréalisme の 創造過程に見出していた。────
以下、棟方志功の美術作品の創作活動を通じて、西山の勝手な千億祥也 贔屓の芸術的な事情と 日本画壇の今後の展望を視ていく。
棟方は 18歳の時、前衛美術家の 小野忠明から、雑誌『白樺』に掲載された ゴッホの「向日葵」(1888年) の原色版を見せられ、深い感銘を享けた。そして、この記事の見出し画像のような 絵葉書を贈られている。また、日頃から「ワだば、ゴッホになる!」と宣言して 洋画家を標榜したが、当時から 東京で開催されていた帝展や白日会展などに油彩画を出品するも 評価されず 落選が続く。
しかし、ついに 1928年、上京して 5年目の第9回 帝展に初入選した「雑園」を皮切りに 板画や倭画などの作品の制作に携わりながら 晩年まで油画を描き続けて、この分野でも ゴッホ 真乍に『太陽花シリーズ』(棟方志功記念館~青森県立美術館蔵)のような 優れた作品を遺すことになる。
油絵を学ぶために上京した 棟方だったが、数年間、意に反して落選が続いたためか、自らの美術的な可能性を 油彩画以外にも見出そうとしていた。この時、佐藤一英の長編詩をモチーフにした 棟方の出世作《瓔珞譜・大和し美し版画巻》を生み出す引き金になったのが、国画創作協会の 第5回 展覧会で観た 川上澄生の版画「初夏の風」(鹿沼市立川上澄生美術館蔵)である。
美しい文字で刻印した詩文と ゴッホのような躍動感に滾れる画風を抱き合わせて版画にすると云う棟方の表現が、川上澄生の版画と佐藤一英の詩とファン・ゴッホの油画との巡り合わせで出来上がった。「大和し美し」は 日本民藝館の買上げとなり、この民藝運動との結び付きが 濱田庄司や柳宗悦、河井寛次郎らの知遇を得て、棟方を一躍 世界的に有名にする転機となる。
川上澄生が 版画に刻んだ自作のこの詩は 典形的な押韻構成でイギリス風ソネットの変形型詩形を彩った日本語ソネットの 数少ない成功例だと西山は考えている。その成功は 同時代の文壇の覇者たちが 試行錯誤の末に 挫折した課題だった。
詩は瞬間の心のはたきを生成する。言葉を話せば 風が生まれて 絵(具象)が現れる。そんな爽やかで 瑞々しい時代の贈り物に 西山も 恋心をもらった。
また、次の解説は Kunstsammlung NRW K20 Grabbeplatz で 2015年6月13日 ~ 2015年9月27日 に 開催された ❝ Miró. Malerei als Poesie ❞ から ドイツニュースダイジェストの記事 の引用である。
このように、棟方と千億の美術的到達点が、1930年前後の日本とヨーロッパで同時発生したかのように酷似している 芸術的思想の相続であったことは 決して偶然ではないのである。
つまり、何れも、詩と夢と幻想、心理学や宗教哲学に基づく世界観などの 神秘的素材が美術作品を構築している。ただ、敢えて両者の特徴の違いを述べるとすれば、棟方の美術が 民芸運動の洗礼を受けて、19世紀中頃からヨーロッパで台頭し始めた Post-impressionnisme から 日本のアナログ総合芸術への 展開へと向かったのに対して、半世紀を経て 千億の美術は 伝統 YOGA 運動の成果を円満して、 ヨーロッパにおける 20世紀初頭の Surréalisme から 現代日本のデジタル統合芸術への展開へと 遷移していると云う点である。
そこで、千億祥也の Dessin「創造過程」(1984年) に話を戻すが、この図に示された 奇しき 虹の Spectre を 超えて ∞ の光の陰 に 隠れている ❝ D.C.❞ を 瞶めて欲しい。
無数に耀く星の Panorama は、Spectral line に 導かれて ΑΩ へと 帰還する 宇宙の創生 を予見している。音楽が 初めに戻るのである。
それは、ちょうど André Breton が Surréalisme 運動によって 無意識の探求・表出による人間の全体性の回復を目指す聖なる Automatisme へと芸術を引き戻し、प्रकृति の転変から पुरुष へと遡る 伝統 YOGA の実践が 天文学・代数学・幾何学・音楽 をギリシャ時代の四科(測定に関する学問)の源流へと 哲学的に牽引していくように、無意識の神秘を解明する YOGA 芸術を開花させて、ここに 新しい宇宙創生の物語を始める。───
現代は どこにいても パソコンやタブレット、スマートフォンで画像や動画の閲覧が容易であり、音声や音楽も同時に聴ける時代だ。
デジタル化した統合芸術の高波の轟音が、突然 昼夜を問わずに響き亙り、Global で 斬新な芸術の発信スタイルは ひとり ❝ the Internet ❞ のみならず、さらに ❝ Artificial Intelligence ❞ によって 発展して行こうと身構えている。そのデジタル化した 統合芸術の高波と共に、諸国の情勢が 再び 侵略化へと渦巻く 戦乱の潮流に呑まれながらも、この地球で たった今、純粋な芸術家たちの ❝ 宇宙創生 ❞ への挑戦が 勇ましく始まろうとしているのだ。
西山は 我が国において、将に 本日 2023年11月5日、神秘ヨーガ芸術主義の発祥を 宣言する。note の クリエイターや読者、或いは、この記事を訪れている有志のアーティスト諸君は、是非 この芸術運動に参加して欲しい。
🌈 神秘ヨーガ芸術主義の芸術運動の詳細は 2023年12月13日に 西山の note の記事で公開予定です。また、千億祥也の美術作品は 2024年1月にアーユルヴェーダスペリウムやアクアフローラ、YOGARTOで販売予定です。ご期待下さい。
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