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【ネタバレ考察】映画『さがす』「胸を抉ってくる名作」「脚本が素晴らしい」「絶対に世界へ羽ばたく片山慎三監督」

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本年度最高の映画と言えます。片山慎三監督恐るべし!です。一見、タイトルが安易に感じますが、とてもとても「深い」映画です。

一体何を「さがす」のでしょうか?映画を観ながら、わたしたちは自分自身と対峙し続けます。「もしわたしが父親だったら?」「もしわたしが娘・楓であったのなら」等々。

さすがにサイコパス・山内照巳には心を寄せることはできませんでした。

映画の終盤ショットが秀逸です。父娘の卓球ラリーが終わらないように祈りました。二人にとって、最後のラリーだったのかもしれません。

娘・楓の悲痛な叫び声が聞こえます。パトカーのサイレンが聞こえます。でも、本映画『さがす』はここで終わっているところが良いのです。

父親・原田智(佐藤二朗)は罪を犯しました。でも物語では警察は逮捕していません。

片山慎三監督からの強烈なメッセージであり、わたしたちへの宿題と受け止めました。わたしとしては原田父娘はこのまま生きていってほしいと願っています。

罪を背負って生きることって、とても重たい人生が待っていると思います。二人は生きた心地がしないかもしれません。

映画として「ハッピーエンド」か「バッドエンド」の結論を出さない、いや「出せない映画」として最高傑作だと思います。

今後の片山慎三監督の作品に要注目です。世界へ行くでしょう!

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