5月ある日
いつも通りの時間に目が覚め、もう少し眠らないと疲れが取り切れず明日から大変な事になりそうだともう一度目を瞑る。
もう足を踏み入れることのない実家の階段下のスペースに布団を敷き寝ている母親の姿の夢をみる。
母は、時々意図的にリビングで寝ていた。寝起きにその姿を見るたびに私は心が重かったことを思い出す。
二度寝、それでも甘く見積もったアラームが鳴る前に起き、そのまま本を手繰り寄せる。
起き抜け読書健康法と呼んでいる休日の朝の過ごし方で、本当に起き抜け、ベッドから出る事なくページを捲るのが生活の中で一番自由を感じる時間だ。
今は古賀及子さんの『私が愛するあなたの凡庸の全て』と井戸川射子さんの『ここはとても速い川』を交互に読んでいる。とても贅沢だ。
気が済んだところでベッドから出、明日からは雨ということで昨日一日分の洗濯をする。
先週分のTBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』を流し聴く。
過去の放送回だとわかっているのに、時事ニュースの部分であれ、あれ、と脳の理解がつまづくような感覚。
ニュースコーナーを担当するアナウンサーが芸能人同士の結婚発表を読み上げる。「○○さんと、〜〜さんが結婚を発表です」と言ったとことに、ん?と思い手が止まる。
結婚を発表しました、ではなく、です、と止めた。あまり聞きなれない言い回しだ。
もしかして、しました、と過去形で結ぶことで、結婚にまつわる縁起・不縁起(お祝儀は割り切れてはいけないから3万円、のような)の言い伝えに抵触のかもしれない。という事で納得した。
やっと生理らしい生理本番という感じになってきた。
体が水分で腫れている。瞼も重い。週末の社員旅行には支障がなさそうで安心したが、これを書きながら今猛烈に胃が引き攣っている。
生理の訪れとともに胃が痛む因果関係はさっぱりわからないが、割と頻繁に起こる身体症状で困る。
昨夜は眠りに落ちる寸前、乳腺がちりちりと痛んだ。
1時間遅くの出勤でいいよと店主から言ってもらったので、1時間の余暇を過ごす。痛み止めを飲み1リットルのナルゲンを携えて出勤。
店は昨日以上の賑わいで、ひとこと目を探したり、お客様が気にしている商品の素材が分からずヤキモキしたり、でも総じて刺激的で楽しく最繁忙期の2日間を終えた。
昼食には昨日と同じ食堂のお弁当を店主が出してくれ、今日はカレーで、懇意にしているおかず(車麩の唐揚げ)も入っていて短い休憩時間に勿体なくもはぐはぐと掻き込んだ。
カゴのバイトに出ると、何故か右手親指の付け根が腫れる。
夕方、店を仕舞い外に出ると、今日ももうすでに涼しい。
6時を過ぎても空が明るく、近頃はとても嬉しい。私は夕涼みをかなり愛しているから。
生理のあれこれで体が重いが、明日から雨ということで自転車を漕ぎ、いろいろ回る。祭りのあとの名残りすら残っておらず、いつもの駅前だった。
腹痛に意識が向いてしまうので、気を散らそうと源氏パイなどをつまみながら自転車を走らせていると、知らない場所に迷い込んでいた。
夕方の、もう日が暮れようという時刻がもたらす雰囲気と相まって、空恐ろしくなりgoogleマップを開く。
どうやら曲がる位置を間違え通り過ぎていて、自分の方向感覚が全く当てにならないことを再認識する。
明日からまた仕事で、カゴの皆さんに14連勤と囃され、そう考えるととてつもなく恐ろしい。
ビールを買って帰り、また三分の一ほど残してしまった。
エコバッグに、細々としたものを一緒くたに投げ入れるから、仕分けがすこぶる面倒だ。玄関で寝かせる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?