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6月ある日

雨の音で目覚める。

昨日は暴風でベランダに放置している洗濯桶が転がっているのを聞いていた。実際には見ていない。
平日の雨、涼やかで、どうにか会社が突然休みになったりしないかと考えたりする。

左膝の筋を違えたのか痛い。歯痛を超えて、膝と、首が痛む。良い桐箪笥のような仕組み。
中年にはこの先絶好調の日なんて無いというの、こういう事なのか。

雨なので徒歩で出勤する。
初夏の気配を察してみるみる生え放題で歩道の幅を狭めていた雑草が刈り取られていた。
切れ端がなかったら気づいてなかったかもしれない。それくらい無意識に日常は早送りされる。

引っ越しをするか、車を買うかを悩んでいる。

どうしていい歳をした独身なのに、その両方をここぞという時に同時に叶えられる覚悟と経済力がないんだろうかともはや不思議に思う。
20代のほとんどをアルバイト生活と10万円台の給料でやりくりしていたからだろう。原因は分かっている。

ふとずっとこのままなんだろうかと不安になる。
好きな漫画・プリンセスメゾンの言葉を思い出す。「まずは自分の人生をちゃんと自分で面倒みて、誰かと生きるのはそのあとです」。

私はぱっと見は’’きちんとしている’’ように見られがちで、だからこそタチが悪いなと思う。

終業時間までやり過ごす。時間の経過が遅いと感じないようにしている。
来月企画している合宿&送別会のモヤモヤと考えていることを話して、少し整理されスッキリする。

転職してからか、考えたり物事を良くすること、解決する能力がすこぶる鈍くなった。
そういった主張が必要とされない環境の中で能力を捨てていた。カゴのバイトを初めて気づくことができて、今は張りのある、リハビリのような日々だ。

終業後、残っていると社長がお菓子をくれる。
これ、古賀及子さんが言っていたやつだと思う。

夕方、雨は上がって、朝よりも痛む膝でとぼとぼ帰路に着く。

朝とは違う場所で雑草が生い茂っていた斜面が、広範囲にわたりさっぱり刈り取られていて、昼間誰かが草刈りしていた姿を想像する。

好きな人は元気がないらしく、そっとしておく事にする。

元気がない時に気にかけて欲しい人と、そっとしておいて欲しい人がいるという個々の違いがあると知った時、当然のことではあるのにびっくりした。

好きな人はどっちだろう。私のしてほしい事を相手にもするしかないけれど、逆だったら途方もないすれ違いを生む。博打だな。

そして心のどこかで、このまま連絡が来なくなっても、それはそれでいいなと思っている。

昼食を抜いてその反動で夕食を食べすぎたので、今日は昼食をきちんと摂ろうとして、夕食もきちんと食べた。ダメだこりゃ。

最近、一日を振り返ることが億劫だ。

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