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コールガール(1971年)

アラン・J・パクラ監督の出世作。
ジェーン・フォンダはこのブリー役で、アカデミー賞主演女優賞を受賞しています。
孤独に生きる都会の女と地方の男。
ストーリーも明るくないですが、それに呼応して画面も明るくありません。夜のシーンは、現実にそうであるように、懐中電灯の照らす先しか見えない真っ暗さ。どこからかほのかに明かりが差して、登場人物の様子が分かるような、映画的親切さはありません。
テーマも画面の明るさ(暗さ)も、70年代ぽいなと思いました。
コールガールが、男を手玉に取っているフリをして、何も感じないように気を張って生きているのも、なのに初めて心通う男ができたらセックスで感じるようになるのも、それに戸惑うのも、それを精神科医に告白するのも、その医師が女性なのも、70年代ぽかったです。
こういう役柄でオスカーが獲れたというのも、70年代ぽいですね。
先日亡くなったドナルド・サザーランドが寡黙で誠実な探偵役を好演しています。
亡くなったときの記事ではわりと脇役と書かれてましたが、「普通の人々」やこの映画のような素敵な主役もあります!
謎解きとしては、途中で犯人も分かるし、あまり凝っていません。
ミステリー的なシーンになると、分かりやすくおどろおどろしい音楽が鳴るし…。
それにしても映画の中の犯人たちは、どうして最後にペラペラ長々と告白しちゃうんでしょうね。映画的にまとめるために告白してもいいんだけど、それを観客に気付れないように、白けさせないようにしてほしいなーと思います。

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