井上敏樹・大先生へ抱いていた感情の正体、そしてドンブラザーズへ1年間の「ありがとう」
(ヘッダーは劇場版のパンフレットを撮影し加工)
投稿していたシリーズが一旦終わった反動でここ3日近く投稿していなかったnote。
そのまま先週のスーパーヒーロータイムの感想を投稿し忘れていた。
仮面ライダーギーツも先週とんでもない事実が明らかになり、ストーリーも折り返しに差し掛かって衰えのない盛り上がりを魅せ続けている。
それについても語りたいところだが、やはり今回はドンブラザーズについて語らせていただきたい
スーパー戦隊シリーズの中でも異色だった今作
本日ついに最終回を迎えたわけだが
発表当初やはり不安だった。
それも脚本が個人的にだが
他作にトラウマがある井上敏樹・大先生だったというもの。
というのも私は仮面ライダーファイズ、仮面ライダーキバをリアルタイムで見ていた。
他にも彼が携わったカブトやディケイドなども見ていたものの、何故かこの2作が妙に印象深い。
その正体がこのドンブラザーズで少し解った気がするのと、井上敏樹大先生の作品に抱いていた感情、ドンブラザーズを1年見た上での感想を書き綴ろうとおもう。
◼️ ドンブラザーズを見始めて
1話目始まってからしばらくの感想としては
・やたらに縁を結んでくる主人公
・「盗作」呼ばわりされる悲劇?のヒロイン
・変わった個性の敵幹部
・そもそもの話の進み方に理解度が追いつかん
など訳の分からぬ世界線に放り出された気分だった。
この1年大丈夫なのか?と途中で見るのを断念しようかも正直悩んだくらい。
だが、時間が解決してくれるといったものだろうか?
次第に引き込まれる自分が誕生していた。
いつがターニングポイントかは正直覚えていない。だが、夏に公開された「新♡初恋ヒーロー」は沼るほどハマった。
というより同時上映の「劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア」の方を目当てに計6回も劇場へ足を運んだ。
だが途中、明らかにドンブラザーズを見れる楽しみの方が勝っていた自分がこの頃既に存在していたのだ。
知らぬ間に、たった数ヶ月で一気にドンブラ脳へと覚醒していた。
初めこそ困惑していた神輿も途中"あるだけで安心"へと変貌していたのも驚きだ。
なんなら最終回の神輿は涙腺バカになりかけたくらい。
1話目から困惑していた「縁ができたな」で最後ウルっとされられたのも見始めた当時と比べて驚きでしかない。
◼️ ドンブラザーズの人々
これも私個人的な「ドンブラザーズ」という作品への解釈となるが。
ストーリーよりも登場人物の書き方が上手すぎるという感想だ。
もちろんストーリーに関しても素晴らしい。
基本ギャグ回が大半を占めつつ、話の重大な伏線の大半を短期集中で回収していく流れには度肝を抜かされる。
普通なら1ヶ月弱かけて解いていく獣人の問題も年末年始で一気に話を進めていくスタンスに違和感を抱かせない所も素晴らしい。
それに謎だったジロウの話も紐付けながら話の決着が上手いと脱帽そのものであった。
まぁ、ムラサメ結局なんやったん?問題など放ったらかしかい!ってモヤモヤも複数残ったわけで強いて言えばそこは不満。
と思いつつ話の上手さで納得せざるを得ないのが何とも井上敏樹・大先生の凄いところでもある。
話が脱線したので本題に移ろう。
・ドンブラザーズ
初めこそタロウの傍若無人っぷりに困惑させられていた"お供達" だが、次第にドンブラザーズとしてタロウに劣らぬ存在感を放っていく。
ひとりひとりが回を重ねる毎にタロウに匹敵するポジションを確立していった。
クリスマスに放送された回で、ドンブラザーズが詐欺師への報復で「作られた家族」を演じていたが、嘘がつけないタロウのために少し仲間はずれにする流れとなった。
その回の最後でタロウの口から「さみしかった」という言葉が出てきたのだ。
この回より前から確信はしてたものの、この時点でタロウにとってドンブラザーズの仲間は「お供達」じゃなく「お友達」になっているのだろうと勝手な解釈ながら涙した瞬間だった。
だからこそ仲間たちとの記憶が失われる瞬間は見ていて言葉にできない程の寂しさが込み上げてくる。
それでも、ドンブラザーズそれぞれの人生は続いていくと少し安心が持てるエンドに到達できたのは救いだったかもしれない。
・脳人
この3人は放送開始時、とくに理解に時間がかかった。
やはり人を超えたような存在というのもあって演技で表せるのは「流石は役者さん!」と思わせてくれるが世界にのめり込むには別の話だった。
がドンブラザーズとの関わりがこの3人を変えたという流れは気持ちのいいくらい納得のいく形に収まった。
ソノイ+タロウ
ソノニ+翼
ソノザ+はるか
この組み合わせで段階を踏みながら人間に近づいていく3人を追うのがいつしか楽しみになっていた。
特に 「ソノザ+はるか」のタッグは個人的に胸アツ。
「トウサク」呼ばわりされ、スランプだった鬼頭はるか先生が「脳人を感動させたい」というのをキッカケに動き出し、ソノザも漫画をとおして感情を理解していく。
こんなにも利害一致したパートナーを自然に作り出せる井上敏樹・大先生の恐ろしさと共に素晴らしさを同時に受け取った瞬間だった。
現にこの2人の漫画家人生の道を追えなくなる日曜の朝を考えたくないくらい沼にハマってしまって、来週のニチアサに恐怖を覚えている段階だ。
更には ソノシゴロク
3人揃ったのも終盤にさしかかった所ながら、ちょっと前から登場してたよね?くらいの安定感が出来上がっていた。
「仕事以外で関わりたくない」と言いながら仲良くおでん振る舞うシーンや目隠しで舐めプかますシーンと愛嬌しか感じられない空気感とインパクトをかっさらっていくのは反則でしかなかった笑
その分、最後の最後で3人とも退場は"寂しい"の感情一択だった。
もっと関わってく3人を見ていたいと思わせてくれる。そんな彼らの記憶を最後まで頭の片隅から抜けずに生きていくことだろう。
こちらも忘れられないソノナ、ソノヤ
最終回目の前に新キャラかい!とツッコミ入れたくなってしまったが妙に馴染むのが不思議なもの。
わたし的に草加ァのイメージは拭えないもののラスボスとして妥当と思えたのも凄い。
合計8人もの脳人が出たものの全員の個性が付けられていてヴィランとは違うあらたなジャンルを確立してくれたキャラクター達だった。
他にもトゥルーヒーローこと五色田介人、忍者おじさんect.
話したい登場人物は多くいるものの完成までに更に時間要してしまいそうなのでここで割愛させていただく。
◼️井上大先生への感情の正体
私個人的にはこちらが本題だ。
冒頭に井上敏樹・大先生にトラウマがあると書いた。その正体を薄々とは勘づいてはいたがドンブラザーズで明確になったかもしれない。
それは、井上敏樹・大先生が書く恋愛である。
・過去のトラウマ
冒頭に仮面ライダーファイズ、仮面ライダーキバをあげさせてもらったが、この2作とも恋愛関連でキャラクターが退場している。
ファイズでは「クレインオルフェノク」こと長田結花。
学校や養子で虐待を受けたり、実験台にされたりなど報われない境遇の末、最後は致命傷を負わされ退場という、好きな人物ながらこの仕打ちはあまりに悲しすぎる。。。
ロブスターオルフェノクという幹部に始末されたのだが、お陰でロブスターに今もトラウマ持ってしまったくらい悲しい展開で今も引きずってる。。
彼女もメル友として恋愛関係を持つのだが、最後のメールシーンは未だに脳裏に残っている。
キバでは鈴木深央、ちなみにキャストはファイズのヒロイン・園田真理を演じた芳賀優里亜さんである。
彼女は主人公の紅渡(演:瀬戸康史)の恋人ポジションだったが、渡の父違いの兄との関連、怪物の幹部としての宿命で苦悩し、最終的には渡の必殺技を受けてしまう。
それも他の幹部にトドメの始末されるという真相なのだが、渡はそれを知らず自責の念にかられるという話の流れになり、、、
井上敏樹・大先生の恋愛関連は誰かしら不幸になるイメージが強めで、それだけがどうしても辛すぎるのだ。。書いてる今も閉じた傷を自らこじ開けている気分である。。。
だが井上敏樹・大先生の書き方が上手いのも事実で、上記2人も人や怪人を手にかける影の部分も持ち合わせていた。
そう考えれば因果応報きいてるな〜と納得はさせられるも、そんな感情で落ち着けるのならここまで長くむき出しで文字書きなぐりなどしない泣
・翼、雉野、夏美みほ問題
話はドンブラザーズに戻り、こちらでは
犬塚、雉野、夏美(みほ) という3角関係が話のテーマとなる。後にソノニも加わり話は決着していくのだが。
ややこしい事件起こした獣人がそもそもの根源で、犬塚そっちのけで雉野を魅了し夫婦生活を楽しんでいた事が重なり後半で泥沼となる流れなのだが、、
その獣人が演じていたみほという人格が夏美の夢という設定があまりにも上手すぎた。
そのため、犬塚と夏美、雉野とみほ、両方ともしっくりくる関係として出来上がってしまった。
個人的にだが、犬塚には報われてほしかったのが本音だ。
夏美を救うために指名手配され、雉野に騙され牢屋行きになったり、恋愛感情を知りたかったソノニに騙され散々な目に遭ってきたからこそ彼にはハッピーエンドを迎えてほしかった。
結果的に犬塚は夏美を救い出すことができたが、最後は別れる流れとなった。
その夏美は夢の続きを見るために雉野と寄りを戻す終わり方となる。
だが犬塚が最後に選んだ、というより残ったのがソノニだった。
自分のポイントとその先の幸福を犠牲にソノニを復活させた。彼自身ソノニに"近寄るな"と言いつつ蘇生させたのはそれなりの気があったからに違いない。あのシーンで、いやその前から2人が結ばれる未来は見えていたのかもしれない。
ソノニにとっても恋愛感情を知るキッカケとなった犬塚翼を忘れることなど出来るはずもない。
自身の幸福を犠牲に好きな人が救ってくれたとなれば傍にいたいと思わない方が不自然である。
結局のところ2人が幸せならOKでーす!という結論に至ったのは納得いってしまう所だ。
そして最終回で夏美と別れた後のスッキリした表情の犬塚翼を見れたことが私にとってせめてもの救いだった。
彼のこの先の人生に幸せが続くことを祈るばかりだ。
雉野にも触れておくと、犬塚翼のハッピーエンドを望む視点では苦手な所があったのも事実である。でも引き込ませるほど魅了させてくださった鈴木浩文さんの演技は本当に素晴らしく、この先いろんなドラマで引っ張りだこになってほしいと思いました。(勿論キャスト皆様の飛躍を期待しております)
確かに雉野は嫁を生き甲斐にしすぎて恐怖を覚える人物ではあった。
ただ現実で誰かしらに依存する人というのは多く存在するように思える。
ドンブラザーズの登場人物の中で1番親近感のわくライフスタイルを送っているのは雉野ではないだろうか。
ある意味で雉野が報われないバットエンドも悲しい。
それは社会人として働きながら心の支えがない人という現実に1番該当する人皆が報われないエンドになるから。
それに夏美が雉野と夢の続きを見たいと迫った終わり方が悔しくもドラマチックだった。
双方で、夏美みほ(読:なつみほ)そして鶴獣人を演じきった新田桃子さんの演技は素晴らしいもので「そりゃ井上敏樹・大先生も彼女の様々な面を見たくなるよな〜」と納得のいく演じ分けだった。
・私が抱く井上大先生への感情
打ってて気づいた、というか打ってる内に「犬塚翼、雉野つよし、夏美みほ、ソノニ」の問題が私の中で解決していくように思えてきた。
確かに井上敏樹・大先生の書く恋愛は暗い気持ちに陥ってしまい好きになりたくないのが私個人の本音だ。
だが彼の作品に出てくる人物全てに、井上敏樹ワールドでしか摂取できない人間のリアルがある。
話の個性に関してはどの脚本家にも当てはまるが、ここまで特殊な人間を深堀ができる脚本家は井上敏樹・大先生しかいない。
話の展開が上手い、等身大の人間、そして恋愛。
この全てが最終的に腑に落ちてしまう。
そう結論付けさせてしまう井上敏樹・大先生の戦略に見事ハマってしまう自分があまりにも悔しすぎるのだ!!!!!!!!
今までだと
龍騎、電王、オーズ、ゴーバスターズ、トッキュウジャーなどを担当した小林靖子さん。
エグゼイド、ゼロワン、現在のギーツを担当されている高橋悠也さん など
心から好きだと言える脚本家は数多くいる。
ただその方々を超えて好きな世界観の井上敏樹・大先生、いや好きと認めたくない自分がいる。
ここまで書いていて薄々「俺、大先生の脚本好きだわ」と思ってしまう所があった事は自白させてもらう、ただ好きとすんなり認めてしまうのは何か違う気もする。
やはり過去のトラウマを払拭するのはそう簡単なことではない。
だが嫌いという感情をそのままで一生を終えたくもない。
私にとっては生涯かけて向き合う問題とも考えているほど大きなものである。
・井上大先生に抱く感情の結論
というよりドンブラザーズに対しての感想を基準になる。
やはり「 大先生の全盛期は常に " 今 " 」なんだと確信を持たせてくれる作品だった。
何十年と脚本を作り続ける中で面白いを更新していくのは難しい。
今ギーツの脚本書かれている高橋悠也さんの代表作と聞かれたら即答で「エグゼイド」と答えてしまう。
ゴースト、セイバーの脚本書かれた福田卓郎さんの代表作と聞かれたら最初の「ゴースト」と答えてしまう程、過去作とは強いもののイメージだ。
だが井上敏樹・大先生の代表作は迷ってしまう。
ジェットマン、ファイズなど様々な傑作を作られたので悩ましい。と思ったが、即答で「ドンブラザーズ」と答えてしまうかもしれない。
それぐらい素晴らしい作品だったのだから。
大先生はこの先もドンブラザーズの全盛期を超えるような傑作を書いてくださる。とそんな期待も不思議と出てしまう。
それほど人を魅了させる話を創造できるお方なんだと再確認させられた1年でした。
それでもストレートに好きを受け入れるのは悔しいので、まだ " あまのじゃく " のままでいさせてください。
この先の作品も期待しております。
1年間、素敵な物語を楽しませていただき、本当にありがとうございました。
◼️ ドンブラザーズへの感謝
最初はカオスな世界線で理解するにも時間がかかったりと困惑気味だった。
だが、ここまで熱中してしまう作品にまで豹変したのは未だに驚きである。
スーパー戦隊シリーズを毎年見た中で「名乗り」を見て感動する作品に出会うのは予想外にも程があったし、この先もこの感動はドンブラザーズだけの体験かもしれませんね笑
そういう意味でも「新♡初恋ヒーロー」での神輿と名乗りをスクリーン大音響で視聴した衝撃は一生身体が覚えていることでしょう。
そして先程書いた、井上敏樹・大先生の好きと苦手を本音で綴らせてもらって、約20年近く疑問だった心のモヤモヤと向き合い、どの部分が好きなのかを深堀する機会をくれた事にも感謝いたします。
2回目になりますが井上敏樹・大先生、素敵な1年をありがとうございます。
そして演じられた俳優の皆様。
皆さんのレベルが回を重ねる毎に上がっていき、毎週の人物どうしの絡みあいが毎朝楽しみでした。
前にタロウにお供達が追いついたと書きましたが、タロウ役の樋口幸平さんも含めて皆さんでドンブラザーズという作品のボルテージを上げていく姿がテレビ越しで充分すぎる程伝わりました。
リバイスの最終回後に、MVPが誰かと言ってましたが、全員MVPでいいじゃん!と終わった今より一層強く思うほど皆さん魅力的でした涙
強いて絞るなら、桃井タロウ役の樋口幸平さん、鬼頭はるか役の志田こはくさんの2人ですかね。
劇場版のパンフレット見た時にドンブラザーズがドラマ初と書かれてたのが驚きだったもので。
ドンブラザーズだけであの演技の振り幅は凄すぎ!と圧巻でしたもんで。
ドンブラザーズに呼び戻すのも難しい、という所まで引っ張りだこになってもおかしくない実力の持ち主達でした。
そういう意味では今のキャストで作り上げるドンブラザーズをもう少し見ていたいような、そんな名残惜しさもありますね。
でもまだゼンカイジャーとのコラボ作があったりと楽しみは残されているのでしばらく余韻の方は大丈夫そうですし
毎年見ている民としては次のキングオージャーに向けて気持ち整えなくてはいけませんもんね泣
書きたい感想まだまだありますが、熱が覚めない内に終わらせようと思います。
キャスト、スタッフ、ドンブラザーズに関わる皆様。
1年間 応援させていただき本当にありがとうございました!
この縁を結べたことは間違いなくこの先の誇りです!!!!!!!!!!!!
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