10歳のわたし。過敏性腸症候群との出会い。
「出会い」にはいろいろありますが、出会いたくないものも、世の中にはございます。
今でもよく覚えてる。
小学5年生のある日、学校で、猛烈な腹痛に襲われた。下痢を催したような痛みだった。それは授業と授業の間の10分休みのこと。休み時間にも関わらず、腹痛に耐えて、耐えて。そのまま授業に望んだ。
たぶんそれをきっかけに、私のお腹が爆弾をかかえることになったのだ。
もしかすると、生理が始まったりして、ホルモンバランスが…とかいう要因もあるかもしれない。
それ以降、少しずつ私のお腹の爆弾は大きく成長していった。
最初の頃は、給食を食べたあとの授業の時間で症状が出ていたと記憶している。だんだん授業中にガスが溜まっていって苦しくなる。漏れてしまいそうになる。なんならガスは漏れてしまっていたかもなレベルだ。授業中にトイレに行く時は、先生に許可をとって行かなければならない。頻繁にトイレに行きたいだの、苦しくなる度に言うなんて、恥ずかしくてできなかった。しかもだ、トイレに行くと不思議なことにガスがでないのだ。ただただ机で我慢していた。
だんだん。
だんだん、症状が酷くなっていた。午前中の授業から苦しくなるようになっていた。「お昼ごはんを食べたから、お腹が張るんだ」じゃなくなった。
授業なんて集中できたもんじゃない。お腹のことが気になって気になって。もし、匂いが漏れていたらどうしよう。
後ろの席は、気になるあの子。
ガスが漏れていたらどうしよう。
友達が、「あの子なんか臭くない?」とか言って私を仲間外れにしたらどうしよう。
音が出たらどうしよう。
どうしよう。
すぐには逃げられない、閉ざされた空間「教室」。とにかく、授業中は常に、私のお腹は爆弾をかかえることになった。
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