八田ゆう太

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バンブーフラワー 第3話

「あら良いかごね。使わせてもらうわね」 ぱっと見ならそこまで粗は気にならない。おしゃれなかごに見える。初めて作ったわりにはうまくいったのではと自分でも思う。こうなると、実際プロの技が気になる。ネットで見てもわからない。実際に手にとって見てみたいな。竹細工の製品を売ってる店は案外近くにあった。昔からあるお店のようだ。翌週、そのお店に向かうことにした。 1週間たち休日、自転車を走らせ店に。大きな看板、古びた家屋が歴史を物語っている。店の中へ。中には多数の竹の製品が置かれていた

    • バンブーフラワー 第2話

      「油抜きね」 そのまま放置しておくと自らの水分で腐ってしまう。油抜きをして長期間適切な場所に保管することで数十年も持つような竹製品用の竹が出来上がる。よく使用するカゴや水を使うような場合は切り出してすぐの竹を使っても問題なし、と書かれている。竹細工、出来そうだな。道具は比較的簡単に集められる。竹は大量にある。ふむふむ? 真竹のほうが竹細工には適しているのか。なら真竹を多めに残しておいてもらおうかな。油抜きも試してみよう。 「道具が欲しいな」 父さんと相談し竹細工用の道具

      • バンブーフラワー 第1話

        <あらすじ> 主人公の板部華(いたべ はな)は一般的な高校1年生の女の子。竹林を相続した父と一緒に整備をしながら、竹をただ燃やして処分してしまうのはもったいないと、竹細工を始める。次第にハマり、竹細工の世界にのめり込んでいくハナ。竹の魅力に取りつかれた女子高生の少し変わったストーリー。 <第1話> どこにでもある田舎道、車の窓から入り込んでくる青臭い匂い。現在父さんが祖父から相続した土地へ車で移動中。私は板部華(いたべ はな)。高校1年生の女子高生。今日は家族でバーベキ

        • サムライエクステンド 第3話

          今日は獣魔退治へ。大きなイノシシ型の獣魔が村で暴れると聞いて現地へ向かう。街道を歩く一団が前方に見える。四方を武装した人間が囲んでいる。今の時代の旅、街から街への移動は非常に危険。外に獣魔が溢れるほどいるからだ。戦闘力のない者達は戦闘者を雇い移動する。街道は基本弱い獣魔しか出ないから力に自身がある者には問題はない。それどころか肉や皮は売れるので獣魔を狙って狩りをする者も大勢いる。人間、たくましいものだな。野宿をはさみ村に到着。村長の家へ。 「おお、タイジュ様。来てくださいま

        バンブーフラワー 第3話

          サムライエクステンド 第2話

          最近深夜の街で刀ばかりを狙った追い剥ぎが出没しているのだとか。当然、刀を持っている者は腕に覚えがあるツワモノが多い。しかし皆敗走、刀を奪われている。かなりの腕前と見てよさそうだ。証言から電撃の法術を使う者だということはわかっている。出没場所からある程度次回の出現地を割り出し、夜エアと巡回し接敵を試みた。初日は出会わなかった。帰ってきてから寝て、昼からは稽古。稽古にエアも参加している。どうやらウチの剣術が気に入ったようだ。 「今まで対獣魔の剣術を主に習っていました」 様々な

          サムライエクステンド 第2話

          サムライエクステンド 第1話

          <あらすじ> 西洋で魔法が発見され、科学が発達しなかったifの世界。日本にも魔法は法術として伝わり、同時に人類の敵、獣のような化け物、獣魔も勢力を拡大していった。現在は剣術と法術を合わせた法術剣士が現れ獣魔を討伐している。しかし主人公の鬼三童大数(きみどう たいじゅ)は法術を使えなかった。子供の頃は悩んだがいつの頃か「無くてもいけんじゃね」と気付き剣術を磨くことに邁進。こうして日本一の剣士と呼ばれるように。幕府から世直し旅の要請を受け、悪や獣魔を懲らしめる旅に赴くことにする

          サムライエクステンド 第1話

          仮装戦士 クゼ    第3話

          現在戦地へ移動中。決戦に備え今日はフル装備、赤白帽に雨傘も持ってきた。テロリスト達によって中央部を破壊された橋が残っている。各国の能力者達が集合している。圧巻の数ではあるがこれでも勝てるかどうか。 「ようクゼ。久しぶりだな」 「バールさん元気でしたか」 アメリカの能力者バールさん。バーベキューの能力を使う。能力者の交友会が設けられたときに仲良くなった。 「苦しい戦闘になりそうですね」 「ああ、これでもギリギリ勝てるかどうかだな」 レヴィアタンの強さは皆が知っている。他

          仮装戦士 クゼ    第3話

          仮装戦士 クゼ    第2話

          日本へ帰りその翌日、問題の報告をするために組織へ。 「いらっしゃい。今お客さんが来てますから、少し待っていてください」 この男性は来真夏吾(らいま かご)さん、この地域のリーダーをしている人。少しして囚人服を着て手錠をかけられた男性が部屋に入ってきた。 「ふん、良いだろう。俺を笑わせることが出来たら約束通りあんたの言う事を何でも聞いてやるよ」 彼は昔から刑務所を出たり入ったりしている荒くれ者。彼を矯正してあげて欲しいと国からカゴさんに相談がきた。戦闘以外の件でも能力者

          仮装戦士 クゼ    第2話

          仮装戦士 クゼ     第1話

          <あらすじ> 世界にばらまかれた能力者を作り出す薬を接種してしまった主人公勝賀久世(かつが くぜ)。能力者となり政府の指示に従い日々平和を守るために力を使っていた。能力を活用するためにはその能力に準じた服装、装備をする必要がある。彼の能力は小学生。半袖半ズボンにすることで力を発揮できる。エレベーターが落下しても激突前にジャンプすれば無事な能力や漫画やアニメで見た必殺技を駆使しながら敵との戦いを繰り広げるクゼ。彼の行く末は如何に。 <第1話> 「現場へお願いします」 「了

          仮装戦士 クゼ     第1話

          クロス✕ロマンス✕オンライン 第3話

          「あはは、そんなことがあるんだね」 「本当にびっくりした」 やはり前回出会った女性は人違いだった。彼女も実は相手が全く冗談を言わないから違和感を感じていたそうだ。ただ初めてだから緊張しているのかな、真面目な雰囲気を出そうとしているのかなと、別人という考えまでには至らなかったようだ。 「ネット弁慶ではあるけど」 「ふふ」 今回こそ正真正銘初デートということでドライブはやめてランチデートにした。歩きながら反省会をする。 「ゲーム内では他にも色々売ってるけど外に出て身につけ

          クロス✕ロマンス✕オンライン 第3話

          クロス✕ロマンス✕オンライン 第2話

          あれから3日。今日もアナザーワールドの世界に入り彼女と一緒に遊ぶ。 「また会わない? 今週末暇だから」 「いいよ」 スムーズに次回のデートの予約をゲット、日曜日に会うことに。彼女側が夜用事があるとのことから今回はドライブランチデート。前回と同じ場所で待ち合わせ。ブレスレットは必要ないけどお互いつけていくことに。特別なデートな気分になれるからね。初めて会ったあの時は緊張したけどとても胸の高鳴りを感じた。さて、流す曲でも編集するか。確かジャズが好きだったな。なかなか渋い趣味だ

          クロス✕ロマンス✕オンライン 第2話

          クロス✕ロマンス✕オンライン 第1話

          <あらすじ> 世界中の人達に遊ばれているネットゲーム「アナザーワールド」。花草世海(かそうよ かい)はゲームの中で仲良くなった子と会うことに。初デートは成功、2回目のデートをするが待ち合わせの場所には前回とは違う子が待っていた。その時に前回お互い違う人とデートをしていたことに気がつく。4人の男女が織りなす、なさそうでありそうな恋の物語。 <第1話> 「緊張してきた」 待ち合わせ場所として有名な都内某所にて現在人待ち中。俺、花草世海(かそうよ かい)。仮想世界アナザーワ

          クロス✕ロマンス✕オンライン 第1話

          「鍛冶 カジ girls」あらすじ

          亡くなったお婆さんから包丁を譲り受けた女子高生、鈴木歩美(すずきあゆみ)。そろそろ切れ味が悪くなり、どうしようか悩んでいると、常に砥石を持ち歩く変わり者の女の子、鍛冶屋の娘で同級生の加次付恵留夢(かじふえるむ)と出会い、包丁の研ぎ方を学ぶことに。この件からのエルムお店を知り、商品を紹介されたりするうちに鉄製品を好きになっていくアユミ。彼女達が紡ぎ出す鉄製品や鍛冶屋のとっても普通な物語。

          「鍛冶 カジ girls」あらすじ

          「鍛冶 カジ girls」第3話

          授業が終わり放課後。エルムが私に話しかけてきた。 「今度キャンプ用品の実演会があるんだけどいってみない?」 「キャンプ? エルムの店も商品を出すってこと?」 「そうなんだ。鉄製品好きそうだから聞いてみたんだけど」 キャンプには興味はないがたしかに品物には興味があるな。 「いく」 「朝家に来て」 当日朝の7時。エルムの店前に到着。 「おはよう。ささっ、車に乗って。出発しよう」 車に乗り現地へ。会場は実演をする人達がたくさんいた。到着後準備。エルムが斧とハンマーを持っ

          「鍛冶 カジ girls」第3話

          「鍛冶 カジ girls」第2話

          「おやすみなさい」 そういえば色々な金属製品がいっぱい置いてあったな。寝る前にエルムの店の商品を思い出す。結構気になる品物があった。私は子供の頃からお婆さんに似ているとよく言われていた。趣味も性格も。お婆さんは鉄製の鍋や鉄瓶を持っていたな。鉄瓶が欲しかったけど他の人に渡したんだったっけ。まあ包丁をすでに貰ってたから欲しいとは言えなかったけど。お婆さんのところのお茶は美味しかった。鉄瓶に秘密があるのかなと思っていた。美味しいお茶かー、私も欲しいな。もしかしたらお店にあるかも?

          「鍛冶 カジ girls」第2話

          「鍛冶 カジ girls」第1話

          「そろそろ包丁の切れ味が悪くなってきた」 キャベツを千切りにして包丁の切れ味を確認。切れてない部分をつまみ持ち上げため息をつく。この包丁はお婆さんが使っていた包丁で、2ヶ月ほど前に亡くなり、頂いたもの。一緒には暮らしていなかったがたまに家に行き料理を手伝ったりするときにその切れ味に驚いていた。 「せっかく貰ったんだけどなぁ」 そろそろお手入れが必要。お婆さんは砥石で包丁を研いでいたようだった。だけど私はやり方はわからない。包丁研ぎのやり方、聞いとくんだった。 「私も研

          「鍛冶 カジ girls」第1話