バンブーフラワー 第2話

「油抜きね」

そのまま放置しておくと自らの水分で腐ってしまう。油抜きをして長期間適切な場所に保管することで数十年も持つような竹製品用の竹が出来上がる。よく使用するカゴや水を使うような場合は切り出してすぐの竹を使っても問題なし、と書かれている。竹細工、出来そうだな。道具は比較的簡単に集められる。竹は大量にある。ふむふむ? 真竹のほうが竹細工には適しているのか。なら真竹を多めに残しておいてもらおうかな。油抜きも試してみよう。

「道具が欲しいな」

父さんと相談し竹細工用の道具を集めることに。竹割りナタ以外はすぐに集まった。ナタもネットですぐに買えた。次に油抜きの道具の準備。いくつかある油抜き法の中から灰で落とす方法を選択。木炭の灰を使う。欲しいものはブラシだけかな。店で購入、準備万端。

「さーて、ダイエット!」

竹伐採の日。真竹を何本か切り出す。父さんはそのまま伐採、私は油抜きをすることに。まずは高圧洗浄機で竹を洗浄。きれいになったら灰汁の準備。ザルに木炭の灰を入れこす。灰に水を入れ完成。ゴム手袋を装着、油抜きに挑戦。節はブラシでこする。そして硬めのスポンジで竹芯をこする。半乾きになったところで水で流す。これを3回繰り返すとほぼ油が抜ける。その後風通しが良いところに保管。半日かけ油抜き終了。洗浄しただけの油抜きをしていない竹をまとめて車に突っ込む。今日はここで終わりにして竹を持ち帰った。

「何作ってるの?」
「竹ひごだよ」

庭に風呂イスを置き、そこに座って竹ひご作り。まずは半割。先端側にナタを入れ割っていく。割れたらメジャーで測り印をつける。左手に2重手袋をして、ナタを半分くらいのところから割っていく。割ってみる。予想通り難しい。割り切ったところで確認。明らかに片方に寄ってしまった。まっすぐ割れない。まあいい、竹はたくさんある。練習あるのみ。次は剥ぎの作業。竹ひごを薄くする。皮側をほんの少し薄く剥いでいく。これもやはり難しい。形がいいものを選んで、編み込んでかごを作っていく。本当ならもっとひごを作る工程があるのだが、初心者なので今回はこの程度にしておいた。作るかごは6つ目編みのかご。苦戦しながらも動画やネット情報を駆使しながら作ることが出来た。幅はバラバラ、形は不格好、ボコボコの手触り。しかし初めて作った竹細工の品。苦笑いをしながらも私は心地よい疲労感に包まれていた。

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