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ぜひ殿方にも読んでいただきたい。

「かわいそうだね」綿矢りさ

表題作ともう一つのお話の2作収録。
結論から言うとどちらもすごく面白かった。
この本の素敵なところを3つ挙げてみます。


①とても身近な内容なのでわかりやすい!

同じ女性として共感できることが多すぎて
今の言葉で言うなら「それなー!」
表題作の「かわいそうだね?」は、主人公樹理恵の彼が、元カノを自宅に住まわせる。樹理恵としてはそりゃびっくりどころの騒ぎではないですよね。だけど惚れた弱みで受け入れてしまうのです。
仕事中も彼と元カノのことで頭がいっぱいの樹理恵。とても切ないです。
わたしがここで学んだことは
『一つのことだけに心囚われないこと』
例えば、恋愛以外に趣味やお稽古など、逃げ場を作るといい!一つが立ちいかなくても残りのどれかに没頭できれば、救われるのです。

2つ目は
悪気がないことは最大の罪

2作目「亜美ちゃんは美人」では
主人公さかきちゃんは、いつも一緒にいる友人亜美のことで、心ザワザワ。
なぜなら、亜美ちゃんは、いっとう美人で
男性陣が、みな虜になるほど。さかきちゃんだって可愛いし長身すらっと美人なのに、亜美ちゃんの引き立て役になってしまう。ひと言言ってやりたいさかきちゃんだが、なんせ亜美ちゃんは悪気がなくて天然気質。
こう言うことって日常でありますよね!
そんなモヤモヤを絶妙に描かれているのがすごいと思います!

3つ目は
今の時代を描いているところ

結婚や恋愛についての価値観や重み。
時代に連れて変化している様を、さりげなく文体に織り交ぜているところが素敵です!

以上、
読者の世代や立場によって感想が異なってくるこの本。姫が読めば共感いっぱい。殿方が読めばどう感じるのか聞いてみたいです!

老若男女みなさまが楽しめる小説。
おすすめです!

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