見出し画像

「大奥」のおもしろさ

よしながふみさんの漫画「大奥」。買ったのは10年も前でしょうか。以来、何度か読み返して、今また押入れの奥から引っ張り出してきました。ちょうど世間ではドラマを放映しているそうで、無意識に私も影響を受けたのか…。この漫画のおもしろさを語りたくなりました。

①人物の描き分けがすごい
→主人公というものがなく(強いていえば吉宗か)、時代ごとに主要人物数名で視点を切り替えながら物語は進みます。同じ人物の幼少期から老いて死ぬまで描写されることもあるのですが、ちゃんと絵だけでこの人!って分かるのがすごい。それから、同じ系統のイケメン(有功と右衛門佐など)でも見間違えたりしない。漫画家に絵が上手とは失礼な言い草かもしれませんが、それでも言いたいくらい、おかげさまでストーリーが入りやすいのです。

②視点の切り替えがおもしろい
→上でも述べた、視点の切り替えのおかげで、為政者側からみたらこう、農民から、小作人からは…とそれぞれの感情が楽しめます。たとえば綱吉なんかは町人視点でみれば酷いけれども、側近からみればものすごく魅力的。農民代表の神原さとは、応援したくなる人も多いでしょう。名前もない登場人物でもすごく印象に残ったりと、読み返すたびに違う楽しみが見つかるなぁと思います。

③日本史への興味が喚起される
→日本史の授業中は爆睡していた私でも聞いたことがあるエピソードが散りばめられています。吉宗が良い人なのは「暴れん坊将軍」と同じだけど実際どうだったんだろ、と思ったり、「白河の清きに魚の住みかねて」でお馴染みの田沼意次・松平定信の人物描写がおもしろかったり、江戸城無血開城の裏側にはこんな物語があったのね、で、史実では?と調べてみたり。教科書の上では平坦だった歴史の世界が生き生きとしてみえます。

まだ読み途中なのだけれど、終わっちゃうの嫌だからゆっくり読みたい!でもページをめくる手が止め難い!私です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?