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開運村 番外編 トイレの手洗い

これも以前 話したかなぁ


優柔不断な村長は これを知ってから


実行できるまで 3年は かかったと思う


「次回こそやろう! いや 明日こそ やろう!」


そう思って 早 3年


ある時期 ストレスが幾重にも 重なって


自暴自棄 に なった


「このあたりで 楽になろう」とも 思った


何もかも 嫌になって 酒に逃げた


確か15時くらいから もう 呑み始めていた


17時には ヘベレケ だぁ


眠剤 に 手を出した


別に 服薬なんか しなくても このまま 爆睡は できる


そもそも 17時に 就寝する 義務もなし


でも ベロベロのくせに その自分を 客観的に 俯瞰している 自分


その自分が 怒りだした


「お前さぁ 結局 ヤルヤル言いながら やりゃ しねぇじゃねぇかよ」


「ここで ジ・エ・ン・ドでも 一向にい構わないが」


「言うだけ番長 だったなぁ お前」


売られた喧嘩を 買って 負けたことなど 数知れず


しかし だ


買わずに 逃げたこたぁ 一度も 無い!!!


「へっへっへ 上等じゃねぇかよ!」


ふらふらと 立ち上がった


気付いたら 便器に素手を突っ込んで 鬼のように 洗っていた


ついでに 床掃除も 素手で やった




全て完了して きちんと石鹸で手洗いして エタノール消毒した


もう一度 酒の前に 座った


もう 呑みたい気分じゃない


ただただ 右手が ビ~ン と痺れている感覚を 味わっていた



人生で やり残した 宿題


誰でも いくつか 有るはずだ


自分の場合は この 素手洗いが そのひとつだったんだろう


先入観とか 自分の価値観で 壁を作り 守り 閉じこもる


このことが 如何に 愚かな ことか


やっちまえば 何のことも無い


マザーテレサの「死を待つ家」では


内臓が膿んで 腐った患者さん


マザーを筆頭に シスター全員が 毎日素手で綺麗に 掃除していたらしい


当たり前のように 毎日・・・


しかし 誰一人として 感染したシスターは 居なかったそうだ


医学的なことは 素人には わからん


しかし


「信仰は試される」と 聴いた


一度超えた 壁は もう 障壁では ない


道端の 石ころ程度 にしか ならねぇ


いちいち 小石が怖くて 道なんか 歩けねぇぜ


あったら 踏みつぶしゃぁ 良いんじゃねぇ?


面倒くさい病が 一つ 減った


壁がひとつ 石ころに 変わった


これを実行すると 金運が上がる だの 開運するだの は 知らん


3年間も 烏枢沙摩明王様を 待たせた 天罰が下るかもしれないし


ご褒美に 飴玉くらいは 置いてあるかもしれない


期待して 欲に動かされた訳じゃ ねぇんだ


結果は そもそも 求めていなかった


ただただ あの 右手の 痺れだけが じ~んと 思い出されるだけだ


泥酔しなけりゃ 実行できなかった自分が 


ちょっと いや かなり 情けねぇがなぁ・・・


 

 

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