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ちょっといい話

スパルナ会計は、まだ従業員がいません。
ということは所長一人です。

なので自己紹介がてらいい話をします。

私は大学生のころから税理士試験終了まで塾講師をしていました。
私立中学を目指して勉強する小学校5年生から6年生までの子供たちに算数と理科を教えていた時のお話でとてもいい話があります。

もうすでに塾講師としてはベテランの域に入っていた私は新しい校舎に異動になって2人しか生徒がいないクラスを担当しました。
授業をする前にある講師が「〇〇って生徒がいるんですけどね。あいつはやる気が全くなくて、手こずりますよ。」と笑いながら私に言いました。
私は「そうですか。」(生徒をやる気にさせられないあなたに問題があるようですよと心で思いながら)答えました。

さて新しい教室に入ると二人は机の上にのぼって騒いでいました。
「机は乗るところと違うで。椅子は座るものだから椅子に座って」抑揚のない声でいいます。少し驚いた顔で座る二人。
後で聞いたところによると受験するのは二人のうち〇〇くん一人。もう一人はこの塾の社員の子供とのことでした。

何度目かの授業で受験しない子が休みました。
いつもびしっと椅子に座らず見るからにだらけてやる気のなさそうな○○くんでしたから
「〇〇くんは、どうしてやる気が出ないの?」と聞いてみました。
するときっぱり
「だってさ、先生たちやる気ないって決めつけてるやん」
びっくりしました。ばれてるやん。
でも笑顔で
「そうかそれは申し訳なかったね。先生謝る。ごめんなさい。じゃあ〇〇くんはとてもやる気のある子として先生から提案があります。水曜日学校が早く終わるから1時間早く塾に来てね。一緒に勉強しよう!」と言いました。
〇〇くんはちょっと驚いたようにうなずきました。

さて、はじめての水曜日
〇〇くんはわざと遅刻してきます。
「よく来たね。じゃあ勉強しよう!」と何ともないようにいい
苦手な割合の問題を説明して簡単な問題をやりました。
子供は大人を試すものとその時から知っていましたのでへっちゃらです。

その調子でやっていくと、いつの間にか時間通りに来てくれるようになりました。うれしくて、苦手なところをコツコツとつぶしていくことを繰り返しました。
でも大人だから、ちょっと裏の手をつかい「〇〇くんが本気になろうとしているのに、受験をしない子が同じクラスにいるのは都合が悪いです」と偉いさんに伝えて、社員の子は普通クラスに移動していただきました。

最初の先生も「なんかあいつやる気になってきましたね。」と嬉しそうに話すようになりました。(よかったよかった)

そして受験の前の日が来ました。
「先生あんな、僕、ダンスを頑張って歌手になりたいねん」
「そうか。それはかっこいいね!何になるにしても勉強って大事やで。本で学ぶ勉強ばっかりが勉強じゃないからね。○○くんはやる気いっぱいだからきっとなりたい人になることができるよ!」
「先生、シャープペンシルを交換しよう。僕それを受験会場にもっていくわ。試験は鉛筆やけど先生が見てくれてるみたいで合格する気がする」
「交換しよう!ありがとう!」

彼は合格しました。
あの時、「やる気がない」と決めつけていたことを見透かされた時から合格を確信していたので当然の結果ですけれど(笑)

そのシャープペンシルは事務所の鉛筆たての中で私を今も見守っています。

スパルナ会計の行動指針に、「そこに愛はあるんか」という言葉があります。
愛はお互いを尊重して尊敬しあう関係であることと定義しています。
それは誰に対してもそうありたいという私の決意です!

いい話これで終わります。(#^.^#)



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