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森の妖精 / 映画『悪は存在しない』

※映画「悪は存在しない」を観て



人間と動物、田舎と都会、移民と先住民とか、物事のバランスを取るということはもの凄く難しいのだと、我々は知っておくべきだと、そう言われているようだった。でも、ただバランスを取れって言われても客観?主観?どの視点から塩梅を見ればいいのか、完璧なバランスなんて取れる訳ない。

印象的なのは、作中で「水は上流から下流へと流れていき、その中で姿を変えていく」のようなこと。自然や社会というものは上から下へと流れその過程で汚れもするし何かとぶつかって折り合いをつけて別の姿へと変わっていく。それが普通で、悪は存在しないということは確かだと思った。万物にバランスを取ることは必要である、けど完璧ではなくていい。それはお互いの目線が違うからどうしようもないことなのだ。もし「悪は存在しない」という救いのタイトルがなかったらどう感じていたのか、とかも考えてしまう。

バランスを取るとは、どの視点を基準とするかが必要になると思う。では「自然界のバランス」ときに自分はどう考えるだろう。人間と動物と自然の3軸を人間の目線でみるかもしれない。これはあくまでも人間目線で「人間が損をしない範囲で動物と自然の調和を考える」ということだと思う。

では、主人公はどの視点を基準にバランスを図っていたのだろうと考えるとそれは「自然」目線だと考える。だから鹿も人間も対等に扱っていると感じた。
どれだけ達観すれば主人公のような選択をするのだろう。もはや同じ人間の血が通ってるとは思えないな。もしかすると主人公は人間ではなく森の妖精とかなのかもしれない(笑)とも考えてしまう。

とくかく面白かったし、映像も音楽も抜群で痺れまくり、最高だった。。

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