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顎関節症という歯科医療被害  3-3 画像診断について(1)

(42~44P)

[表7]各顎関節・咀嚼筋の疾患あるいは
障害における画像検査の選択とステップ
(42P)
[表7]各顎関節・咀嚼筋の疾患あるいは
障害における画像検査の選択とステップ
(43P)
[表7]各顎関節・咀嚼筋の疾患あるいは
障害における画像検査の選択とステップ
(44P)

 42~44Pにかけて顎関節症専門医である彼らが行う画像診断のガイドラインが大きな表でひとまとめに示されていて、「各顎関節・咀嚼筋の疾患あるいは障害における画像検査の選択とステップ[表7]」の中では顎関節に関わる疾病が大きく次の5つに分類されている。

A. 顎関節の疾患あるいは障害
B. 咀嚼筋の疾患あるいは障害
C. 顎関節症
D. 全身疾患に起因する顎関節・咀嚼筋の疾患 
 あるいは障害
E. 顎関節症と鑑別を要する疾患あるいは障害

 何といってもここで気になるのが「日本顎関節学会(2013)」から引用したとする「顎関節症」分類の定義である。あやふやな顎関節症という現代病はどうも次の4つに種類分けされているようだが、いずれにせよ何とかの一つ覚えに顎関節症専門医はMRI撮影を患者に仕掛けるようである。

C.顎関節症
1.咀嚼筋痛障害(Ⅰ型)
・・・何が何だか分からないが、顎の筋肉が痛いから顎関節症
          →とりあえずMRI撮影2.顎関節痛障害(Ⅱ型)・・・何が何だか分からないが、顎関節が痛いから顎関節症
          →とりあえずMRI撮影3.顎関節円板障害(Ⅲ型)・・・何故だか分からないが関節円板がズレてるので顎関節症
          →とりあえずMRI撮影4.変形性顎関節症(Ⅳ型)・・・何故だか不明だが、骨が潰れて変形して痛いので顎関節症      
          →とりあえずMRI撮影

 顎関節症専門家はAでもBでもこじつけが出来なくて、どういうわけだか歯科医師免許しか持たない彼らには専門外であるはずのDでもないという状況がはっきりしている状況で、それでもなお顎関節に違和感や痛み、動作の不調がある状態の患者をCの顎関節症であると診断するようである。
 顎関節症というヤブ医者の都合でコロコロと定義が変わる魔法の言葉でも誤魔化しが効かない難症例の患者を前にした時に、顎関節症専門家としてのプライドを壊さずに済むように、最後の逃げ口上としてEがあるのだ。

 ちなみに「 E.顎関節症と鑑別を要する疾患あるいは障害」として彼らが挙げている疾病には次のようなものがある。仮に、このような疾病の患者が自身の身体に不調を感じたとして、いの一番に顎関節の専門外来を訪れるだろうかと甚だ疑問である。歯科医師免許の部をわきまえず専門家として何も因果関係を示さないまま、発症原因も定かではないようなこれらの疾病を自分が診断出来ない顎関節の不調として関連付けて診断マニュアル化するのは何とも無理を感じざるを得ない。

1. 頭蓋内疾患
2. 隣接臓器疾患
3. 筋骨格系疾患(筋ジストロフィーなど)
4. 心臓・血管系の疾患
 (側頭動脈炎、虚血性心疾患など)
5. 神経系の疾患
  (中枢神経疾患、破傷風など)
6. 頭痛
  (緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛など)
7. 精神神経学的疾患
 (抑うつ障害、不安障害、身体障害、
                       統合失調症スペクトラム障害)
8. その他の全身疾患
  (繊維筋痛症、血液疾患、
                              Ehlers-Danlos症候群など)

 3~8の項目では、「ほとんど検出出来ないため、専門医による診療が必要」とあるのだが、自分が専門とする顎関節の症状ですら原因を特定できないような歯科医師免許持ちの彼らには「ほとんど」どころか全く検出出来るはずが無い。口腔外科医師には深い専門性を必要とする病の診断どころか医科全般の基礎教養すらないのであり、精神疾患を持ち出して良いものならば知ったかぶりの輩は不定愁訴をなんでも患者自身の気のせいにしてしまうことだろう。
 あくまでも顎関節の不調は歯科治療が原因となり、機械的不具合から生じるものである。知ったかぶりのヤブ医者達が逃げ口上のために難しそうな疾病をただ羅列しているだけのことである。

 先の理学的診断法の項では「その他の診断法」として何の説明も無く血液検査の項目を列挙して得意気であるが、仮に血液検査に異常があるとして、それがどうして顎関節の問題であると決めつけることが出来るのか私には全く分からない。風邪をこじらせてしまえば膝や肘など身体の節々が痛くなるし、歯や顎関節もその例外ではない。また、患者の顎関節内から注射器で関節液を採取して次の事を調べるようだ。

[図5]関節穿刺と貯留液の採取
ここから奴らの外科ごっこが始まる

○採取液の細菌検査・・・細菌が感染して顎関節が不調になる訳ではなく、先に顎関節の構造に異常を来し、顎運動により顎関節が損傷を受けて弱った結果として細菌が増えるのではないのか。痛みから腫れている身体をかばうために関節動作が不自由になるのはごく自然な防御反応である。機械的に損傷を受ける原因状況がそのままでは炎症が治まらず、骨が酷く変形するまで消炎鎮痛剤で薬漬けになることだろう。
○染色標本の作製・・・外科処置の顛末として、この歯学書には染色標本の写真が複数登場するのだが、決まって彼らお得意の矢印1つ無く、解説すら全くない。他力本願な顎関節症専門医は誰かに検査を依頼し、その判定も任せきりだと見て取れる。顎関節組織に異常な病変が現れるほど酷い炎症状況がどのように生じたのかを自分で禄に考えもせず、顎関節症専門家が他人頼りに木を見て森を見ずという間抜けな状況である。
○偏光顕微鏡検査での結晶成分の有無・・・上に同じ。

「顎関節穿刺(図5)では、
 (中略)化膿性顎関節炎や
  関節液貯留をともなう関節炎、
  結晶誘発性関節炎、滑膜性骨軟骨腫症
       の診断ができる場合がある。」

とあるのだが、この著者がここで列挙する病のどれもが顎関節と歯の機械仕掛けの不具合によって顎関節が傷ついて炎症が続くことで生じるものであり、根本にある原因は同じである。顎関節症専門家は自分たちで作り上げたデタラメな診断マニュアルに従って患者にレッテル貼りするだけであり、患者の顎関節に生じた機械的不具合の原因状況について何も理解しておらず、ヤブ医者が診断を下したところで肝心の治療は何も進展しないのだ。














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