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毒親の為に高卒で就職したって貧乏生活は続くよどこまでも

私は高卒で就職した。
私より成績の悪い子が進学していくのを見るのが辛かった。

入社式の会場は聞いたことがない都心の駅にあった。
私はそれまで電車に乗る機会がほとんどなかった。
電車通学をしていたなら慣れてただろうけど、
交通費が払えないからと自転車通学だったし、
たまに友達と出掛けた時も慣れている友達の後にくっ付いていただけだったから詳しくなかった。

入社式の案内を見たってさっぱりわからなかった。
今みたいに地図アプリや乗換案内アプリなんてないから、路線図で調べないといけなかった。

でも母は「お母さんもわからない」とか言って
全然調べてくれなかったし、当日は一人で行かされた。
私だったら18歳で就職させる娘が無事に
辿り着けるか心配で、せめて一緒に下見には
行くだろうと思った。

大学生になる入学式であっても、あの時代なら心配で、わかる場所まで一緒に行ったと思う。

結局彷徨って遅刻した。
新入社員の遅刻には慣れっこの人事の人は、
優しく迎え入れてくれたけど、
恥ずかしかった。

社会に放り出されたし、母にもしっかり
放り出された。

次の日から、新人研修があった。
都心にあった本社で一日過ごした。
都心自慢ではなく、都心はとにかくランチが高い。
12時になったらみんなカーディガンを
萌え袖にして、お昼を買いに出かけたり、
食べに行ったりするオフィス街だった。
私も初めの頃はみんなと食べに行って、
都心の食べ物サイコーなんて思って、
お昼休憩を楽しみに過ごしていたけど、
あっという間にバイトで貯めたお金は底をついた。

母に言ったら、「もう社会人なんだから自分でやりなさい」と言ってくれなかった。
最低だ。つい半月前まで高校生だったのにそんなお金あるわけない。
お金がない同期と声を掛けあって、
コンビニにした。

研修が終わるまで、「まい泉」を買ってきて
幸せそうな顔で
頬張っている同期をじーっと
見ながらコンビニ飯でしのいだ。

初給料が出た月から徴収された。
なんなら、その少し借りたお昼代まで徴収された。
もう、極道だ。

母と妹にプレゼントをしたら、手元にはほとんど残らなかった。
これでまた一か月過ごさなければならない。

同期でよく飲みに行った。私もたまに参加した。
ある時、私は母に従うのが鬱陶しくなって、
朝帰りした。決意の反抗だ。

たまたま同じ駅に住んでいる女の子の家に泊めてもらったのだ。
朝、帰ったら母が玄関に立っていた。

「ちょっと来なさい。」

「連絡もしないで、こんな時間まで 
頭おかしいんじゃないの?
社会人になったからって調子に
乗ってるんじゃないの?
いい加減にしなさい。」
終わらない説教が続いた。

でも今日は私も負けないと心に誓って
朝帰りしたのだ。
言ってやる、今日こそ言ってやる。
「連絡しなのは悪かった。もうやらない。
でもさ、でもさ、
お母さんの言った通りにしてるけど、全然幸せになれないじゃん。いつ幸せになれるわけ?
ずーっと貧乏じゃん。
ハルマゲドンは本当に来るの?
楽園には本当に行けると思ってるの?
エホバっているのかな?いたらさ
まず、私たちみたいな生活してる人を
今救ってくれるんじゃないの?
楽園に行ったらとかもったいぶって
性格悪すぎでしょ。
私はエホバなんていないと思う。
いたと思ったこともない。」

言ってやった。やっと言った。
頑張ったぞ、自分。

母の顔を見たら、だいぶショックを受けてたけど、
そんなのは知らない。

その日から母は私をエホバの証人の集いに
誘って来なくなった。
エホバの証人とはオサラバだ。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。


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