(毎週ショートショートnote)クリスマスカラス
刑事達の目の前に倒れている作家の指先にはダイイングメッセージが残されていた。
"クリスマス カラス"
それを見て刑事の1人が呟いた。
「これはアナグラムか?」
言葉の順番を入れ替える事で別の単語となるアナグラムは、この作家の推理小説にも使われていた。
刑事達は死体を取り囲んで考え始めた。
「"カリスマ スラックス"というスラックスの似合う人物が犯人じゃないでしょうか」
「"ッ"がないぞ」
「時間がなかったとか」
「無理がある。ボツだ」
「"リスクから済ます"という嫌いなものから食べ始める人物が犯人じゃないでしょうか」
「嫌いな食べ物をリスクと考えるお前の方が怖いよ」
「"スラックス借ります"という...」
「スラックスからいっぺん離れろ」
侃侃諤諤の議論が続く場に警官が現れて言った。
「犯人が捕まりました!」
「何!?誰が犯人なんだ?」
「クリス・マスカラスというプロレスラーだそうです」
その言葉を聞いた刑事達は互いの顔を見て、アホーと叫んだ。
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(410字)
たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました!
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