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ランニング中に怪我をして、その後どうするか(2)

 寒くて風が強い日は、スイム、バイク、ラン三種目のうち、スイムが最も楽ちんだ。群馬の風は「からっ風」と言われ、新潟から吹く寒気を伴った風が、台風のように体に吹きつける。もっともそれはそれで良いトレーニングにはなるのだけど、家から出た瞬間に「やっぱやめようかな」と思わせるには十分だ。先週末はリカバリー程度のバイクトレーニングをしようと思っていたが、そんな理由であっさり諦めた。強度が弱いと体が温まらないし、強度を上げると膝が痛くなるし、いいことない。その点スイミングは室内だし、温水だし、採暖用の温浴場もあるし、市民プール代310円支払う価値は十分にある。第一、税金で運営されているのに今まで使ってこなかったということは、運営代の一部を負担していながらその利を得ていないということになってしまうではないか。そのように自分に言い聞かせ、半分逃げるような気分で市民プールに駆け込んだ。

 スイミングスクールには小学校4年まで通っていたが、その後は特に何もしていなかったので、クロールと背泳ぎ程度しかできない。クロール1500Mは昨年夏に泳ぐことができているので、あとはスピードである。YouTubeなどで「ツービートキック」など色々ヒントになりそうな動画を見てきてはいるのだが、やはり泳いでいる自分の姿を見ることはできないし、ランニングやサイクリングと違い、常にペース配分を確認しながら泳ぐということはできないので、泳いでいるときは良いペースなのかどうかわかりにくい。Garminのスコアで数値的なものは確認できるものの、やはり外から見てくれる人が必要なのではないだろうか。私は今まで一人でやってきたので、そういう指導してくれる人がいなかった。いや、そもそも指導者だけでなく、仲間という存在が私にはいなかった。この前の勝田全国マラソンの時もそう、半年前の前橋トライアスロンフェスタの時もそう、10年くらい前の地元のヒルクライム大会の時もそうだった。家族はもとより、友人にもランニングしている人はいなかったし(今は職場で一人見つけたが)、ロードバイクを購入したときはまだ子どもが小さくて、なおかつ部活動の指導で土曜日も日曜日も仕事があったから、ショップの走行会のようなものがあるのはポスター等で知っていたが、とてもではないがその時間を確保できなかった。運良くそういうグループに入れたとしても、「その日は子どもが・・・」「その日は部活が・・・」といちいち断らなくてはならないのが面倒で、結局空き時間に一人で活動しているのが都合良かったのである。しかし、そんなソロ活動をしていると、大会などで仲間と何気なく談笑している人たちの何と羨ましかったことか。大会って本来そういうのが楽しいんだろうな・・・などと思わずにはいられなかった。

 そんな時である。

 「おたくもトライアスロンなさるんですか。」
休憩中に隣に座っていた男性が話しかけてくれた。私のスイムキャップが「前橋トライアスロンフェスタ」のものだったからだろう。
 「はい。あなたもトライアスロンをなさるんですか?」 おたくも、という発言から、その人がトライアスロンをやっているのは自明だったが、話を続けるためにあえて問い返した。その人は私より数年年上で、トライアスロンのことについて親切にいろいろ教えてくれた。普段は呼吸を整えるために使っている10分があっという間に過ぎていった。

 休憩時間が過ぎると、どちらからともなく水の中にはいり、再び練習を始めた。その方は結局私が泳いでいる間に帰ってしまわれたが、チーム名と名字だけは覚えていたし、練習会にも、「もしよければどうぞ」と快く誘ってくれた。まだどうなるかは全く不明だが、せっかくの縁なので早い段階でスイミングの練習会にも参加してみたいと思う。トレーニングの効果が上がるのはもちろんだが、仲間が一人、二人と増えていくことに期待したい。

 腸脛靭帯炎の影響で、ランオフの状態が続いてしまったが、新たな出会いがあった一日だった。

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