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観て後悔した映画。*途中ネタバレあり*

とても暖かった今日一日。今年ももうあと1ヶ月ほどで終わってしまうのだなあと、ふと気づく。

前回で予告?したように、今日は観て後悔した映画について話そうと思う。2つ目の投稿からなぜこんなにも暗いトピックなのかと聞く人もいるだろうが、なにせ最近衝撃的な映画を観たものだから、皆さんのご意見を聞きたく思い、、

私は平均よりは映画を観ている方だと自覚している。友人に聞けば、一年に一回映画館に行けばいいくらいだと言うが、私はおそらく1年に10回は映画館に足を運んでいると思う。
色んなジャンルの映画は好きだが、ホラーを含むグロい描写がある映画は苦手だ。痛々しいシーンを観ると、なぜか自分まで痛々しい気持ちになる。前世はそのような痛みを感じてきた人生でもあったのかというくらいに、そういったシーンが流れば瞬時に画面を閉じる、、。

Googleで鑑賞して後悔した映画と検索をすれば、そのような映画が大体出てくる。ヒッチコックの”とり”やミッドサマーなど挙げられていた。ホラー作品の中で私が観た映画だと、Get Outの走ってくるシーンを観た後は、しばらく夜眠るのが怖かった、、。

だが、どれにも含まれていない映画を今回は紹介したい。それが、”宮本から君へ”だ。

2019年に公開された、ドラマの続編の映画である。

最近”愛にイナズマ”という、松岡茉優主演の映画を観た際に、池松壮亮の映画が観たい!と思いこれを選んでみた。

予告も何も情報を入れないまま、そして観た当時はドラマの続編と言うことを知らないまま観てしまったがゆえに、途中で後悔をすることになってしまった、、。

観た方がいればどこのシーンで後悔をしたかお分かりだと思うが、観てない方はぜひ前情報を知ってから観るのをおすすめする。

映画の途中である衝撃的な事件が起きるのだが、そのシーンが始まった途端、私は涙が出てきた。とても生々しくて、観ていられなかった。そしてホラーが苦手な私の得意の、何十秒飛ばしをしてしまったのだ。でもそれくらい前の画面の中で中で起こっていることに耐えられなかった。
私はその夜も映画を思い出し、涙が止まらなかった。

*ここからは映画のネタバレ入ります*


宮本から君への衝撃シーンは、詳細を省いて説明すると、ある男の人の彼女が、彼の友人と3人で帰宅した際、彼が泥酔している間にレイプされる、と言うものである。

書いていても気持ち悪くなるような内容だが、このシーンを境に彼である宮本が”熱く”なり、復讐しに行くと言うのが映画の全体的な話なのである。

私はなぜあの映画を観て後悔したのかというと、おそらく衝撃シーンが多くが後悔している部分の多くを占めるが、もう一つ理由がある。

それは、映画の中の男女の描写である。

彼女をレイプした男をボコボコにして、”やってきたよ”とでも言うように(実際に近しい言葉を言っていた)彼女に見せつけた挙句にプロポーズをするのがオチなのだが、
まず彼女の靖子のレイプされた立場が完全に無視されているのが嫌悪感を抱くポイントだ。靖子は宮本が復讐をするのを映画の中では納得していないにもかかわらず、復讐という名の”愛”や”熱”の勢いで殴り込みに行くのだ。
これは、よくある男性視線の、女を救ってやる、と言うのを描きたいのだろうか?それとも宮本ってだけに”愛”によって暴走してしまうのが、”熱い!”で終わらせてるのだろうか。
どちらにしても、無神経な行動ではないか。私本人がレイプされたことは幸いにもないが、経験がなくてもそれくらいはわかる。

色々書くことで私が暴走しそう!なので、まとめてみる、、私がこの映画に違和感・嫌悪感を抱いている箇所
1. レイプ(性的暴力)をされた彼女のケアをしないまま、(暴力)と言う手段を選んで復讐を試みるところ。
2 . レイプ被害者(のちの婚約者)の前に加害者を物理的に見えるように連れてくるところ。

このほかにも細かい箇所はあるが、大きくまとめるとこの2つだ。

余談だが、私はこれを観た後にフィルマークスと何個かこの映画のインタビューの記事を読んでみたのが、驚くことに私と似たような意見は少なかった。フィルマークスに関しては、”かっこいい” ”根源的な愛” ”最高なエゴ”などと称えている鑑賞者が多い。
そして、製作側と出演側もあのシーンは”難しかった”などと片付けて、俳優のケアやそれに関連した社会問題などには一切触れていなかった。むしろ、蒼井優はそのシーンに関して、

「蒼井も一ノ瀬とは、かなり修羅場のシーンに臨んだ。「あの非常階段でのシーンがあったから、私自身は自分のシーンが大変だとは言いづらかったです。ー」(https://moviewalker.jp/news/article/206855/
と語っている。

作者の新井英樹は、インタビューで
「自分でも描きながら、結局この場合、男があの立場で救うことって一切できないよなと考えていたシーンでしたー」(https://realsound.jp/movie/2019/10/post-423527_2.html
と言っているが、むむ、なんだかまだモヤモヤする気持ちは残ったままだ。

まあとにかく、今回は”宮本から君へ”は、鑑賞する際は自分の体力と心の準備をしてから観てほしい。そして、ホラー苦手な方々はもしかしたら、何十秒か飛ばしをしなければいけない羽目になるかもしれない、、。

ただ、私がここで言いたいのは、こう言った映画も含めて映画が好きなのである。色んな映画があるからこそ、好きな映画もできるわけである。そして今回のような、おそらく二度と観ない作品も、同様にできるわけである。
これほどの感情を抱ける映画はそもそも少ないという点で言えば、この映画は素晴らしいのだ。無論、俳優たちの演技力はとてつもないくらいに素晴らしい。だから、今回の映画に関しても、これが好きという人を批判したいわけではない。ただ私の一意見を綴っているのみだ。

次回は、”新星のロックスター観てきた!"の予定。


池松壮亮の映画は他のを観ることにしよう、、(泣)


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