命を買ってきなさい-ヌチ コウティクワイ-
夫の最後の言葉
ヌチ コウティクワイ
今まで聞いたのことのない強烈な言葉だった。
心は何とも言えない悲しみでいっぱいで
気付けば涙があふれていた。
沖縄慰霊の日、翌日のニュース特集で
その言葉は強烈に残った。
沖縄戦の話しを、幼い頃から何度も聞いてきたはずの
私の心に大きく、大きく突き刺さった。
足手まといになった自分を置いて
子ども達を連れて豪を出なさい。
逃げなさい。生きなさい。
戦火の中、負傷した夫が
豪の中で言った最後の言葉どおり
妻は子どもたちと豪から出て
そして、生き延びた。
命は、そうやって
現代まで繋がってきた。
「戦没者の読み上げ 16歳が感じた紡がれた命」で映し出されていたのは、
戦火を生き延びた命のエピソードでした。
このようなエピソードは、
生き延びてきたウチナーンチュ(沖縄の人)
一人一人にあるのかもしれない。
けれど、ほとんどは語られないまま、
知る機会もないまま時代は流れる。
県民の4人に1人が巻き込まれたといわれる沖縄戦。
今生きている私たちは
奇跡のような偶然が重なって
命が繋がってきただけなのかもしれない。
けれど、その命は
誰かが守った命。
そのことを改めて思い出させた時間だった。
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