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メンタル・神経発達症を考える

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神経発達症のメンタルや気付き、親の会運営を通じて思ったことなどの記事をまとめました
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記事一覧

【青年期】幼少期から医療、福祉につながっていても行動障害になっている知的障害、ASDのある人たち

青年期の行動障害について、奥平さんの書いた内容が興味深いです。 奥平さんは、ABAやTEACCHなどを経て、自閉症視覚支援グッズ販売の会社を立ち上げました。 今日は、青年期の行動障害について奥平さんの記事から考えをまとめたいと思います。 医療、福祉につながっていても行動障害になる青年期に思うこと奥平さんの記事にたどり着き、ASDの青年期の行動障害について書かれていた内容に元気をもらいました。 それは、行動障害について真摯に向き合い、解決策を書かれた記事は現時点で目にし

正直すぎる子どもの心をどう扱うか?

子どもの心について、悩みまくっていた時期がありました。小学生の娘の心をどう扱っていいのか全く分からなかったのです。 娘、現在は成人し社会人になっています。 野本さんの記事を読んで、その頃のことを思い出しました。 そうですよね、子どもを委縮させては元も子もない。 そんなことを思い出した記事です。 娘が小学2年の頃、作文で祖母のことを「おばあちゃん」と書かず「バーバー」と書いたら注意を受けたと言って学校へ行かなくなりました。 当時は、「そんな些細な事で?」と娘を心配してい

優しさタンクが枯渇する前に

沖縄在住の漫画家SAKURAさんは、沖縄でいうところのナイチャー嫁(県外から嫁いできたお嫁さん) https://www.instagram.com/sakura.kosei/ ASDっ子を育てる漫画が、地元新聞に掲載されるなどの人気もあり、私も楽しませてもらっています。 そのSAKURAさん、しばらく休んでいたようなんです。 お休みの理由をセリフ無しの漫画で紹介してますが、シンドさがいろいろ伝わって辛かったです。 子育て中のメンタル回復に必要なのは…メンタル回復に必

楽しんだ後にキレる?ASDっ子脳の不思議

楽しい時間を過ごした後にキレる、暴言を吐く。 理解に努めているのに もう、何が正解か分からないーー!! と、ASDっ子の態度に悩んだことありませんか? この記事は、楽しい出来事の後にもやってくるキレるASDっ子脳について、解決に役立った本を紹介します。 ソレは、楽しいことの後にやって来た楽しいことを増やしてもふてくされる娘。 衝突が続いたのは、成人式を迎えようとしていたある冬の日。 ASDだから仕方がない…と、気持ちを理解して努めるも、それは全く意味をなさなかった

なぜ特別支援学校で交際禁止7割?視点を変えることの重要性

2023年7月、共同通信から「特別支援学校高等部の7割が交際禁止や制限」という記事が出ました。知的障害のある人の人生に踏み込んだ事件がきっかけで、次々と出たので、この記事にある「交際禁止7割」について障害のある子の親として、一人の人間としても考えてみたいと思います。 特別支援学校はトラブル防止のため交際禁止!特別支援学校高等部で7割が交際禁止というニュース。 娘が通っていた支援学校では、過去に妊娠した生徒の話しが保護者の間で話題になっていました。なので「(交際禁止と)これ

多様性の「N高」と知的に遅れのない発達凸凹っ子の進路

のもきょうさんの記事を読んで「知らなかったー」っとなりました。 沖縄で暮らしていながら、灯台下暗しというのはこのことかも…と。 今日は、のもきょうさんの「N高」についての取材記事から発達凸凹っ子の不登校と進路について模索したいと思います。 通信制だけど通学も可能!「N高」の選択肢の広がりに驚き!「N高」の存在は、設立当初から知ってはいたのです。 ただ、当時の私の感想としては「ネット高校」が、果たして青春時代を過ごせる場になるのか?と疑心暗鬼でいました。 それは「ネット

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孔子の言葉から学ぶ脳が変わる生き方

脳について知りたいっ!そう思った時に、脳科学者の茂木健一郎さんの「脳が変わる生き方」を読みました。 本の中で、未来を生きるヒントになった言葉があったのでご紹介します。 心のままに行動をしても倫理規範を超えない年齢?孔子の言葉が深かったので解説を引用します。 この言葉は、孔子が自分の人生を振り返って述べたもので、自分の年齢に応じて学びや成長を重ねてきたことを表しています。 孔子は十五歳で学問に志し、三十歳で自立し、四十歳で迷いを捨て、五十歳で天命を知り、六十歳で人の言葉

トラウマの乗り越え方について「風間公親教場-0-」から

テレビドラマ「風間公親-教場0-」の染谷翔太さん演じる新人刑事・中込のセリフが心に残りました。 言語化できると乗り越えられる?新人刑事・中込の「気持ちを言葉にできたのでこれからは感情をコントロールできます」に共感。 そしてドラマのセリフとして出てくる時代になったのだな~としみじみ思いました。 幼少期のトラウマを乗り越える術はあるのか?ドラマが進むにつれ、そんなことをストーリーを通じて思っていました。 そして風間教官によるカウンセリング(?)で、中込(染谷)本人がカウン

SSTもペアレントトレーニングも本当に必要?

ある会で、SST講座やペアレントトレーニング(以下ペアトレ)開催の要望を聞きました。若いお母さんたちから話があったらしいのです。でも、どこへ行けば受講できるの?…と困った様子。 発達の気になる子の子育て援助として、医療や親の会を中心に広まったペアトレ。受講したお母さんの「良かった」というお話を聞くことがあったので一定の効果はあるのだと思います。 ただ、詳細な調査はされていませんし、具体的な有効性もわかりません。 育てにくい発達障害のある子の子育てにペアトレは本当に有効な

知的障害のある人の就労と現実

知的障害のある人の就労イメージはどのようなものでしょう? 今、一番新しい国の調査は、平成30年度(2018年)。 ここからざっくり知的障害のある人に焦点をあて、気になる箇所をピックアップします。 最低賃金が確保されている 平均賃金 11.7万円 週30時間働いてる率 65.5% 正社員率 19.8% 平均勤続年数 7年5ヶ月 福祉や特別支援学校で就労を支援しているにもかかわらず、現状の就労実態についてはあまり知られていません。 今の課題を取り上げます。 週30

障害者雇用で働く知的障害のある人の「心のキャパ」と「見通し」を考えてみる

青田さんの記事を読みながら、企業就労した軽度知的障害のある人たちの就労キャパが浮かびました。 せっかく就労出来ても離職してしまう、高等特別支援学校の卒業生たちをたくさん見てきました。高等特別支援学校って、軽度の知的障害のある生徒たちが就労を目指して通う特別支援校です。 3年間、企業就労を目指して規則正しい生活を訓練してきた生徒たちです。在学中、熱心な訓練を受けた卒業生たちが、どうしてこうもアッサリと離職してしまうのか。。。 ずっと不思議でした。 企業就労で疲弊する知的

誰かにとっての「いい」は、あなたにとっての「いい」とは限らない

野本さんの記事を読んで、「あ!似てる」と思ったので書いてみたいと思います。 「学校は生き物」にうなずく親の会で、相談が多いのは、進学先や就職先。予想以上に「先生」に対するクレームは昔に比べありません。 野本さんの「マレーシア」の部分を「知的障害、発達障害」という言葉に変えるとビックリするほど同じでした。 そうなんです。 3年前に誰かにとって良かった学校が、今、あなたにとって良いとは限らないのです。 確かに10年前までは、就労率が高かった寄宿舎のある就労系の学校がナン

ASDっ子の聴覚過敏と軍用ヘリ、オスプレイ

ASD聴覚過敏のお子さん(小3)がヘリ、オスプレイが通るたびにパニックになるという相談を受けました。 今日は、聴覚過敏の子どもと基地騒音について考えてみます。 ASD聴覚過敏の子グッズ「何かいい方法はありませんか?」。 すぐに思いついたのは、聴覚過敏の子が利用しているグッズ、イヤーマフです。しかし、オスプレイもヘリコプターも決まった時間に飛ぶことはないので、自宅で常時、着用するというのは小学生の子にはきつい。それに、長時間の着用が過敏さを助長するという側面も否定できませ

沖縄からインクルーシブ教育を考える

沖縄には「沖縄県障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例(沖縄県条例第64号)」があります。 条例は平成26年(2014年)にスタートしたようですが、沖縄でインクルーシブ教育や特別支援教育が進んでいるか?といえば、必ずしもそうではないと思います。でも、重度の知的障害のある青年の現在の姿をみると、険しい道のりを進んできた人は確かにいることを実感します。

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