療育で“気持ちの表現”“感情のコントロール”を学ぶ①
・勝負に負けると、怒りが爆発してしまう…
・嫌なことがあっても、うまく言葉にできない
・気持ちの言葉と感情が結びつかない
・お友達にすぐ手が出てしまう
児童発達支援の場で働いていると、こういった課題を抱えるお子さんに出会うことも少なくありません。また、気持ちの表現や感情のコントロールにそこまで課題のないお子さんでも、自身の感情に良く気づき、それに応じた対処を取れることは、将来的なメンタルヘルスを良好に保つと考え、私が担当するお子さんには、全員気持ちに関するワークを行っています。
とはいっても、年少・年中年齢のお子さんには、まだ難しいのが気持ちの課題。感情は、5~6歳までに一通り分化すると言われています。なので、子どもの成長を待って、年長の2学期以降に導入するのが個人的にはちょうどよいと思っています。
気持ちの表現やコントロールに関するワークは色々ありますが、今日紹介するのはこちら。
「感情のペットボトル」
ペットボトルを感情、リュックサックを心に見立てて、リュックサックにペットボトルを1本ずつ入れていきます。
このとき、怒りは2リットルのペットボトルにして、水もたくさんいれておくとわかりやすいです。その他、悲しみやこわいなど、ネガティブな気持ちのペットボトルには水をたくさん入れ、嬉しい気持ちのペットボトルには水を入れず空にしておきます。
まずは、嬉しい気持ちをリュックサックに入れて、子どもたちに背負ってもらいます。
「重くない!」「全然変わらない!」
そんな声が、子どもから聞かれます。
そう、嬉しい気持ちは心の中にたくさん入っても、軽くて負担にならないね。そしたら、今度は怒りや悲しみを入れてみよう。
…明らかにずっしり。3~4㎏ほどの水が入っているので、当然です。
怒りや悲しみとかが入ると、心も重くていっぱいになっちゃうんだね。
そしたら、怒りの気持ちを外に出してみよう。
怒りのペットボトルは2㎏近くあるので、違いは歴然です。
「さっきよりも軽くなった!」
子どもたちも、はっきりと体感できます。
怒りが心の中にあると、心も体も重たくなっちゃう。だから外に出したいけど、この怒りを人にぶつけたらどうなっちゃう?
「痛い」「ケガする」
そうだね。だから怒りを外に出したいけど、人にぶつける方法じゃなくて、他に良い方法を見つけられるといいよね。
…という感じで、目に見えない感情というものを体感してもらうには、もってこいのワークです。これとあわせて、「じゃあ、何をしているときが気持ちが落ち着くかなー?」と、気持ちの切り替え方法を一緒にたくさん考えるワークもしています。
この感情のペットボトル、詳しくやり方が載っているサイトがあまりなく、一番詳しく記載されているかな…?と思うものを参考に載せておきます。
他にも、感情や気持ちについてのワークはありますので、また続きを書きたいと思います。