前回からの続きです。
ジェーン・スーさんの『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』の冒頭に、「成功例から成功法を見出したところで、万人が成功できるわけではない」とあります(2ページより)。確かにそうです。Who HQ Booksや「こんな生き方がしたい」シリーズの読了冊数を重ねていった私も、探していたのは「成功のヒント」ではなかったように思います。自分と共通項がある他人が、思うようにいかない時期にどうあがいたかを知って共感したい。その共感が、顔を前に向けるための勇気に変わるような気がしていました。「自分との共通項」はいろいろありますが、同性であることはその筆頭でした。
『闘いの庭』はインタビューエッセイと称されており、スーさんとインタビュイーとのやりとりの部分と、スーさんによる略歴、人物評、エッセイとが絶妙にからみあってひとつの章に仕上がっています。スーさんが前々からずっと感じていたことや「本当のところはどうなのかな」と思っていたことなどをインタビュイーに問いかけているので、メディアのコンテンツでふだん私たちが見ているのとは少し違う横顔が浮き上がってくるように感じました。
13人のインタビューのなかから、特に心に残った部分をいくつか抜粋させていただきます。
スーさんの言葉で語られる13人の女性たちの半生を読んで、とても励まされました。
1冊を締めくくる下記の「おわりに」の言葉を読んだとき、私は自分の貧弱な根っこや茎やいつまでもほころびを見せないつぼみに辟易していたのだと気がつきました。本書はそんな私を適切な場所に植え替え、ほどよい肥料と十分な水を与えてくれたように思います。
「自分の足でしっかり大地を踏みしめていた」(4ページ)女性たちのなかからスーさんは13人を選び、この本を出版されました。成功や貢献や結果ではなくて「大地を踏みしめていたか」が問われるのだとしたら、私は自分もそのひとりになれるよう前に進んでいきたい。ひょろひょろな根っこや茎を叱咤するばかりではなく、どうやったら太い根をしっかり地中に張れるかを考えていきたい。その結果、なんらかの花が咲いたとしたら最高です。
そういう気づきを与えてくれた13人の女性たちとスーさんに感謝しています。
お読みいただきありがとうございました。