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向き不向き

向いていないからと言って、やめる必要はない。


四半世紀ほど生きてきて、「私これ向いてるな〜!」と思えたことがあまりまりません。
そういう自負があるのは字を書くことくらい。学校での習字や、就活時の履歴書なんかでは役に立ちましたが、最近では字を書く機会なんてあまりまりません。

運動神経がよくないので、部活の上達も亀の歩みでした。
中学で卓球。高校で弓道。大学で馬術。
私が部活で活躍できない未来を憂えて、小学生のうちに母がスポーツ少年団に入ることを勧めてきました。さすがの先見の明です。伊達に運動音痴仲間ではありません。そのときに私が卓球を選び、2年ほどの経験を積んだ状態で満を持して卓球部に入部。それなりに活躍しました。お母さんありがとう。

弓道は、スポーツの中でも唯一向いていた、というか性に合っているなと感じられたものでした。瞬発力とか反射神経とかがあまり必要なく、やるべきことをいつもどおりやることが大事な競技です。その奥深い魅力に私はどっぷりはまり、弓道漬けの高校時代を過ごしました。

そしてこれまで経験した中で、向いてないの最たるものが馬術だった気がします。
筋力、体力、体幹、瞬発力、決断力、などなど…
精神力と馬への愛で乗り切りました。あと、部の仲間たちのおかげかな。

こんなことを書いているのは、先日の友人とのやりとりがきっかけです。
その友人は長いこと劇団に所属していて、私が演劇を始めるきっかけともなった人です。
私から見ればその子は声が大きくて表情豊かで、私と正反対。役者をやるのに最適な性質を備えているように見えます。しかしその子は自分のことを
「演技はうまくない、舞台に立つことは向いてない」と言ったのです。
ところがその言葉に、ネガティブな雰囲気はまったく含まれていませんでした。向いていないと言いながら、彼女は誰に引き止められるでもなく10年以上役者として活躍しているのです。

こんなに純粋な「好き」という気持ちにふれたことが、とても嬉しかったのを覚えています。
私も演劇には不向きな人間だと思いますが、楽しいのでうまくできなくても辞めようとは思いません。
それにゼロからのスタートだったので吸収すべきことはいくらでもあって、壁にぶち当たることはあれど、どこかしらは前回の稽古よりも良くなっている部分があるので成長している実感があります。まわりの先輩団員さんたちもたくさん褒めてくださるので、照れますが恵まれた環境です。


なんだか何を言いたいのか迷子になってしまいましたが、
好きだからやる、楽しいからやる。上手いとか下手とか、向き不向きを気にしていると人生損だぞ!ということを忘れずに生きていきたいです。

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