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祝祭

あなただけの、道の途上で。
あなただけに捧げる祝祭を。

わたしには呟くことしか出来ないけれど
踊ることも歌うことも
かすかにしか出来ないけれど
それでもあなたに向かって
紡ぎ出した言葉の糸を
いま放射する。

生きていてくれて、ありがとう。
それじゃあね、またね。
またすぐに会えるよね。
優しさを勘違いしていて、ごめんね。
どんなことも一緒に、乗り越えられるよね。

明かりが入り
舞台に暗闇が降りる。

深く吸う息の中に
あなたがいる。
開いた手のひらの中に
あなたがいる。

顔は見ることが出来ない。
声も聞くことが出来ない。
一緒にアイスを食べることも出来ない。

でもいる。
ここにいる。

心臓の音が聴こえる。
もう鳴らないはずの心臓の音。
でも聴こえる。
確かに。

さあ、一緒に緊張しようか。
上手くいくかどうかはわからないけど
今度は共同作業だ。

白いリボンをしっかり締め直して
二人三脚の演劇に
踏み出してゆく。

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