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皆さん、こんにちは。伊達市の橘内です。
広報写真に役に立つ撮影方法などの技術や思い、心構えなどをお伝えする4回目となります。
3回目でポートレート撮影は一番に楽しむこと。その中で光の当て方やポージングなどをお伝えしました。今回は前回の続きとなるポートレート撮影その2と題して、「構図や特性を知る」をテーマにやろうと考えていました。そして、その次に桜の撮影をテーマにしようと思いましたが、東京では開花を迎え全国各地で間もなくといった時期なので、桜の撮影に役に立つように変更して、「桜」をテーマにお伝えします。
福島市や伊達市も3月26〜29日ごろ開花の予想となっていて、最速の記録となりそうな状況です。私の中では、3月末まで冬モードでスキーで楽しんで、4月を迎えたら春、桜〜って感じで、入学式に桜が咲くというのが定番でした。でもここ5年ほどは3月中旬から春って感じのモードになってきて、だんだん卒業式が桜って感じになりそうです。
私自身、桜が大好きで、淡いピンク色の柔らかな感じが心を癒してくれます。特に大木となった一本桜、しかもベニシダレザクラが一番大好きです。ベニシダレというと日本三大桜の一つで、福島県三春町の三春滝桜がなんといっても素晴らしいです。その他にも福島県内や東北には桜の名所がたくさんあるので機会があったら足を運んでください。
1 自然風景の桜を撮る
広報の中で、桜はまちを紹介する自然風景として撮影することが多いと思います。私が桜の花を自然風景として撮る場合のポイントとしていることは、(1)準備とタイミング、(2)朝夕を狙え、(3)ハイキーで撮影、(4)花曇りは最高 の4つです。 特に(2)の朝夕と(3)ハイキーで撮影は、普段していないと思うので試してみるといつもとは違った写真が撮れると思います。ぜひ試してみてください。
(1)準備とタイミング
これは、桜に限ったことではありませんが、桜の撮影には必要なポイントです。準備してもらいたいのは、桜の状況を把握しておくことが一番の近道です。
桜というのは、7分咲きから満開までのあたりが一番きれいな色になります。逆に散り始めは真っ白で純白のような桜に変わってしまいます。どこか寂しいようなはかない印象になります。また、種類によっても咲く時期も花の大きさや色が違います。
どういった桜を狙いたいのかで撮るタイミングが変わってきます。きれいな淡いピンク色を撮りたいなら満開の手前くらい、白さや季節が変わる寂しさのようなイメージなら散り始め、散ってからなど、常に桜の状況を把握することが大事です。肝心な天気はどうしようもありません。天気だけは神頼み(笑)。
(2)朝夕を狙え
早起きは三文の徳といいますが、自然風景は、基本的に朝夕が一番です。また、桜は日本人が最も好きな花と言われるほどですから、人気の桜スポットは混雑すると思います。もし自然風景として撮影したいのであれば、人混みを避けられる朝夕が最適です。
朝夕のメリットは、何と言っても色です。少しオレンジがかった優しい印象を与える桜を撮影することができます。この場合は、晴れの日の朝夕となります。曇っている日はそういった雰囲気が出ないので、天気勝負になりますが晴れの日の朝夕は狙い目です。
朝夕と日中の違い
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ただ、青い青空とピンクの花の色はとても映えるので、そのイメージで撮るならありです。
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WBを6000Kにして撮影しました。
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夕方だと関山の濃いピンクが強くならない感じに撮れます。
(3)ハイキーで撮影
私が花を撮影している時の基本としていることが、バラのように原色に近いような色の花ははっきりくっきりカリカリと、桜のように淡い色の花は透明感や柔らかくふわっと優しく撮るようにしています。
そこで、そのイメージに合うようにカメラの設定を変更してみてください。もちろんRawで撮影した後にフォトショップで変更する方法もあると思いますが、それはそれで面倒だと思いますので、よりイメージに近い撮影ができたらJEPGの撮って出しで使えると思いますので試してみてください。
桜を撮る場合のカメラの設定のポイントは、①ハイキーで撮影すること。露出を+1.0~2.0の範囲内でできるだけハイキーで撮りましょう。白トビするくらい思いっきり変えてみてください。②ポートレートモードで撮影すること。私がニコンを使っているので、ニコンの場合はピクチャーコントロールというものがあって、ポートレートのほか、オートや風景とか変更できますが、風景ではなくポートレートが一番です。理由はコントラストを抑えたいこと(明暗を抑える)、淡いピンクをよりきれいに見せるために人肌をきれいに写すポートレートモードが最適だからです。③詳細設定で、明るさを上げて明瞭度やコントラストを下げて撮影すること。ニコンの場合は、そのピクチャーコントロールのポートレートモードの詳細をさらに変更することができます。その際に明瞭度をデフォルトの0.00からマイナス3.00~5.00の範囲内に、コントラストをデフォルトの0.00からマイナス0.50~1.50、明るさをデフォルトの0.00からプラス1.00~2.00に変更してみてください。そうすると桜が明るくふわっと優しい感じに撮れます。
それとWBは、自然光オートや太陽光を基本として、朝夕などはマニュアルで変更するようにしています。
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また、そのモードの中で輪郭強調や明瞭度、コントラストなど7種類の詳細な調整ができるので、自分でイメージに合わせいろいろいじってみてください。
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露出とピクチャーコントロールの調整
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露出:0.3 WB:オート
いたって普通な河津桜
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露出:0.3 WB:オート
明るさと透明感があってきれいな印象
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露出:プラス1.7 WB:オート
さらにふわっと柔らかな印象
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露出:0.7 WB:オート
いい感じに撮影できていますが、枝の黒い感じや手前の花が暗い感じの仕上がりになっています。
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露出:1.3 WB:オート
ちょっと極端な例ですが、春らしい雰囲気と柔らかさが強調された仕上がりになっています。
もうちょっと主役の桜の彩度が出るような感じがベストですね。
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露出:1.0 WB:自然光オート
河津桜をアップで撮影。手前をぼかして真ん中の桜を引き立てるように撮りました。
(4)花曇りが最高
撮影するなら朝夕とお伝えしましたが、曇りの日の朝夕はノーチャンスとなります。でも、そういう天気は日中が大チャンスです。自然風景で撮影する場合はどうしても天気がいい時の方が良さそうに感じますが、花をきれいに撮影するには花曇りは最高なんです。それは、透明感や柔らかさと優しさを表現するときに、眩しいほどの太陽の日差しが強いと、光と影の差やコントラストが出過ぎたり、白飛びを起こしたりしてきれいに撮れません。(3)でお伝えした設定を活用する場合は、花曇りがより良い効果が現れます。おいしそうな料理の物撮りや写真館で撮影する場合はとにかく影が出ないように撮るじゃないですか。それと同様で影を作りたくないので花曇りが狙い目となるなります。晴れの日であれば、できるだけ明暗がないところを狙ってみてください。それともう1点、(3)の設定や花曇りを狙う理由は、幹や枝が主張しないためです。逆に日中や晴れの日、風景モード、露出を標準で撮影すると枝の色が濃かったり、花より幹や枝主張したりするので、桜をたくさん写す効果を出すためにも必要なことですね。
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これも左側から陽がさしていますが、朝の早い時間でそれほど日差しが強くない状況だったので明暗が抑えられ雰囲気の良いものになりました。
2 人物と桜を撮る
広報写真に使うものは、人物と桜をセットのものが多いのかなと思います。その際にここだけは押さえてほしいポイントとして、(1)主役を決める、(2)その人の想いを引き立てる桜 の2つです。
(1)主役を決める
人物と桜を撮影する場合、どちらも撮りたい一心で中途半端な写真になりがちです。そこで思いっきりどちらが主役かを決めて撮影してみてください。その人をきれいに写してあげたい、笑顔を通して桜の魅力を伝えたい場合は、桜はあくまでも引き立て役です。だからピントは人の目に合わせて、桜はボケて大丈夫なので、カメラをのぞいて人物の前後にある桜はぼかして撮るようにしてください。レンズはF2.8のズームやF1.8の単焦点があれば、そのレンズを使って、F4.0以上のレンズの場合はできるだけ望遠側で撮影するようにしてください。そして絞り優先やマニュアル撮影で、絞りを開いて撮影してみてください。ぼかしすぎると何写っているのか分からないので人物の前後の距離が同じ桜(人物と同様にピントの合う桜)が入るようにしてあまりボケない桜を少し入れるようにしてください。
桜を主役で撮る場合は、人物が桜を引き立て役になるように、後ろ姿、小さなシルエットのようにイメージで撮影してみてください。だから表情がはっきりわかるのではなくきっと笑顔じゃないかとか想像させるような感じになるようにイメージしてみてください。
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(2)その想いを引き立てる桜
人物を主役とする場合も、桜を主役とする場合も、その人物の想いを引き立てる桜はどのような桜なのか考えて撮るようにしてください。その考えが決まれば桜を入れた構図も自ずと決まると思います。例えば、うれしそうに歩く人を撮る場合は、桜のトンネルのようなイメージとなるような場所や構図を撮ると歩くうれしさがより引き立つと思います。桜の木の大きさや神々しさを出したい場合は、桜の大きさが際立つように広角レンズを使って遠近感や奥行きを出して、モリモリの花と小さな人物の差を出してあげるように撮るとその桜の偉大さが伝わるかと思います。その人物の想いや桜のイメージなど伝えたいメッセージとリンクするように桜を入れてみてください。
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人物と桜とそれぞれの主役を分けて撮影することに心がけて撮影しました。
3 撮影したい
たくさん伝えたいことがあった中で、これはと思うことを選んでお伝えしましたが、これが正解ではないです。長年、桜を撮り続けていますが、ほんと難しい事ばかりでいつも悩みながら撮影しています。でも、テーマや撮影方法を準備して向かえば、いつもとは違う写真やいつもよりいい写真が撮れると思います。今回、お伝えしたポイントを使って、桜をテーマにした広報紙の表紙や組写真に役立ててください。
このテーマで書いていたらほんと撮影したくなってきました(笑)。
最後に、人事異動や年度末、年度始めで忙しいと思いますので、私の撮った近くの桜で気分転換してください(笑)。
私は異動かな〜・・・。異動してたらこれが最後かな・・・。異動しても講師でいいのかなと思いつつ、次回があると信じ、次回をお楽しみに〜!
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樹齢150年のベニシダレザクラ。
地元の有志で田に水を張ってライトアップしてくれるから夜桜がおすすめ。
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樹齢450年ほどの二本のベニシダレザクラ。
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夜桜のスポットとしても人気。
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下の川沿いにある桜は、柴田町から大河原町に続く白石川一目千本桜。
川と電車とセットで撮りたくなる桜
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伊達市では10年に1〜2回、雪をかぶる桜に会える。
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宮城県の桜の名所で、雪の蔵王山や電車、白石川など桜を写したいものが多い。
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平成14年から植樹を開始して、平成28年に千本を超えた伊達市の桜の名所。
20種類以上の桜があるので4月上旬から5月上旬まで桜を楽しめる。
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日本三大桜の一つで樹齢1000年以上といわれるベニシダレザクラ。
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田畑の小高い丘の上に咲くエドヒガンザクラ。
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樹齢200年ほどのベニシダレザクラ。
1本に見えますが、2本の桜で1本のように見える桜です。
三春滝桜の孫桜といわれています。
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樹齢100年のソメイヨシノ。
懐かしい古き良き日本の原風景が広がっています。
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目の前にため池があるので水面に写る桜もきれいです。
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