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ヨルシカ前世ライブレポート2023

今回は2023年のヨルシカ前世ライブの感想を記したいと思います。

まずはセトリ

セトリ

僕は大阪公演初日から参加しまして、なんと席は前から3列目…。
会場に入ると、月光再演ライブのときと同じように白いもや?のようなもので会場が満たされていました。目の前にははっちゃんさんのピアノが。
そして最も目を引くのは大きな木のオブジェでした。

ステージ

これはライブ前から公開されていたイラストにも描かれていた木、おそらく百日紅(さるすべり)だと思われます。この木が前世に大きく関係していることが伝わってきました。

公演はn-bunaさんの語りから始まりました。緑道のシーンが映し出されます。女の人が「彼」の元を訪ねて話しを聞いている。そんな内容だったと思います。そして朗読が一段落付いた後、メンバー達がステージ上に上がってきて演奏が始まりました。

最初の曲はロック調のものかなと予想していたのですが、予想通りでした。「負け犬にアンコールはいらない」の最初の遠吠えが聞こえた瞬間トリハダがたちました!そして僕の目の前ではピアノのはっちゃんが序盤からヘドバンを繰り出してきました。最高でした!
また席が前なこともあり、suisさんの姿が結構良く見えました。赤いドレスに青色の髪。赤いドレスは前世のイラストにも描かれていた女性を意識したもので、青色の髪は左右盲の女性を意識したものなのかなと思いました。

その次は言って。です。最初のsuisさんの「言って」の言い方が本当に好きでした。ときどきn-bunaさんが横にいる下鶴さんやはっちゃんの目配せをしていたのがすごく良かったです。

その後はまた朗読です。夜鷹。鳥が空を飛んでいるときの目線を見ているような映像でした。渓谷を飛んだり、海上を飛んだりして本当に綺麗な映像。「俺は昔、鳥だったのかもしれない・・・(中略)・・・翼で水遊びをしていた(うろ覚えです、すいません)」と、自分の前世を辿るような語りでした。詳細は覚えてないのですが、相変わらず言葉の表現が豊かでよくその言葉がでてくるなと感心せずにはいられない内容でしたね。

その後は靴の花火です。歌詞にもヨダカが出てくるように、朗読に繋がるような歌を入れてきましたね。夕焼けを歩くシーンの映像だったと思います。ステージの照明がその夕暮れを再現するように僕らを照らしていたのがなんとも神秘的でした。suisさんの優しい歌い方が素晴らしかったです。
次はヒッチコック、ただ君に晴れと続きます。
個人的にはヨルシカを知ったきっかけがヒッチコックだったので結構嬉しかったです。そして何と言ってもただ君に晴れ。多分ヨルシカで1番有名な、そしてキャッチーな曲かもしれません。女の人が美しく、ダンスというか舞うような映像が映し出されていました。例の場面でめちゃくちゃ手拍子をしたくなりました笑

ただ君に晴れ

スクリーンに映る歌詞を改めて読んでいると、本当に綺麗な歌詞だなと思います。こんな歌詞どうやったら創れるんだろう…。

次は花と虫に関するお話の朗読です。「俺は昔、花だったのかもしれない。虫たちが花の蜜を吸いに来るのを感じることが出来た(うろ覚えです)」の部分がすごく好きでした。そしてここからブレーメンに繋がります。
ブレーメンは僕の好きな曲ランキングTOP5には入るかもしれません。曲に入る前のアレンジ前奏と、スクリーンに映し出された足下のアニメーションでめっちゃわくわくしました。

ブレーメン

そして最高だったのが、男性陣のパドゥの部分です!(伝わるかな?)
あのグルーヴにのる感じがたまらなく好きなんですが、あれを生で見れるなんて最高すぎました。パーパドゥドゥドゥパドゥ!

その次は雨とカプチーノとチノカテです。どちらもすごく美しい曲ですよね。そして僕は雨とカプチーノのときにn-bunaさんが持ち替えたギターに気がつきました。

n-bunaさんが使ったギター

そうこれです!形が独特で、僕もいいなあと思っていたギターだったので一目で分かりました。n-bunaさんはギターを弾いているときはすごくノリノリだったので見ていて楽しかったです。

チノカテは正直泣きそうになりました。なんと表現したらよいか分からないですが、あの優しくて綺麗な雰囲気をまとった曲がとても好きです。書き忘れていたのですが、ここでは既にステージ上のセットが変わっていてチノカテのMVに出てくる部屋のような感じになっていました。壁にはだから僕は音楽をやめたのジャケット写真やアコギが飾ってあるのが見えました。
チノカテのアニメーションでは、映し出されたカレンダーの日付が1/24になっておりヨルシカのこだわりに感銘しました。曲の途中、「あっ、散った」の一言の後に少し音がない空白があるのですが、あの空白の時間が個人的にはめちゃくちゃ美しく感じました。会場もスっとトリハダの立つような雰囲気に飲まれていたような気がします。さらにさらに、下鶴さんのアコギの演奏がとてもよかったですね!公演後に下鶴さんが明かしていましたが、あれはノーチラスに出てくるギターと同じだとか。

そして次の朗読、魚。うろこで感じる水の感触の表現がとてもよかったです。青い海中、光が差し込みゆらゆらと揺れる水面の映像は月光を思わせるかのような内容でした。月光再演のときも似たような映像がありましたが、エイミーは魚に生まれ変わったこともあったのかもしれませんね。

その後に流れる嘘月。先ほどの月光が差し込むかのような優しい雰囲気と、バイオリンの音色が美しかったです。「愛を底が抜けた柄杓で飲んでる」という歌詞が個人的にはめっちゃ好きです。
さらに花に亡霊。花火の綺麗な写真や祭りの写真など、夏を思い出させるシーンがたくさん出てきました。MVのアニメーションもとても好きなんですが、ライブバージョンの映像が本当に綺麗で嘘月の余韻も合わさって泣きそうになりました。

次の朗読は桜。たしか狂い咲きの話しだったかな?
朗読の中でも説明がありましたが、狂い咲きというのは季節はずれに花が咲くこと。「彼」と女性が一緒に狂い咲きの桜を観に行ったが、満開だと思っていた桜はほとんど花が開いておらず、2人でその勘違いを笑いながら観たと。ここで出てきた桜ですがおそらく春泥棒の桜と重なっているのだと思います。とてもトリハダが立ちました。


次の曲は思想犯!そしてここで思想犯が来るとは思いませんでした。盗作のアルバムの中では思想犯が1番といっていいほど好きなので歓喜。「烏の歌に茜」という歌詞の部分があるのですが僕はそこが結構好きで、さらにはその部分でスクリーンに夕焼けをバックに飛ぶ烏のイラストが映し出されており感銘でした。
それが終わると次は冬眠です。恥ずかしながら僕は冬眠という曲をそこまで聴いていなかったので、すぐに冬眠だ!とはならなかったのですがイントロのギターがとても好きな曲です。スクリーンに映し出された映像は何か鮮明なものというよりは、灰色で暗雲のような抽象画のようなものでした。
何故このような映像になっていたかは分かりませんが、「彼」の前世では女性、つまりエルマだった女性といた日常が失われ、目の前が真っ暗になるような記憶がこの冬眠という曲の意味するところではないか…とも思ったりしました。

次は青年というタイトルの朗読。「昔俺は人間だったのかもしれない。」と、青年だった頃の記憶を語ります。おそらくこれは「彼」がエイミーだったころの記憶だと思います。
そして次の曲が詩書きとコーヒー、声、だから僕は音楽をやめた、と続きます。これはまさにエルマとエイミーの話を主軸にした「だから僕は音楽をやめた」と「エルマ」のアルバムに収録されている曲です。やはり自分がエイミーだった時の回想だったようです。
ちなみに大阪公演2日目で、この詩書きとコーヒーの途中で演奏が止まりました。だれか体調が悪くなったのか!?と会場全体に緊張が走りましたが、数分もたたずに演奏は再開しました。後でSNSで調べるとギターの弦が切れたとのこと。何もなくて安心しました。

さて、ついにクライマックスの朗読です。タイトルは前世。
ここまで書いてきている途中にも、ネタを知っている前提で話してしまったのですが、一連の朗読の最大の種明かしがあります。それは女性が人間では無く、「犬」であったということです。話しの中で「リードはできないけど。」「ホットミルクを彼が入れてくれた」「声を出そうとしたが物理的な妨げがあった」など、少し「ん?」と思うような場面があったのですがこれらは伏線だったようです。僕はこの種明かしがされたとき、本当に身震いしました。彼女は彼とは前世で一緒でしたが、今はそうではない。そのことにようやく気づいたのです。
そして左右盲が流れます。涙があふれそうになりました。左右盲のMVでも、女性を眺めている視点の映像が主軸になっているのですが、これも物語の一部として組み込んでいたのでしょうか。
さて、ついてにラストの曲です。春泥棒。
公演を観に行った人なら分かると思いますが、なんといってもあの花びらが噴射される演出!僕はびっくりしてお尻が浮き上がるかと思いました。
suisさんの歌声に包まれて花びらが舞ってきた場面はとても記憶に残っています。また、曲の途中でドラム、ギター、ピアノとそれぞれの見せ場なるものがあったのが本当に最高でした。
映像を見ながら分かったのは、さっきの女性は犬、とくにそれは春泥棒にでてくるコーギーだったのですね。春泥棒、ライブ前から大好きな曲だったのですが、ここまで2人の関係を語っている曲だったとは思いませんでした。書き出すと止まらないので好きな歌詞の部分を挙げておきます。
「愛を歌えば言葉足らず 踏む韻さえ億劫」

最後の朗読、ベランダ。彼はベランダで椅子に座っています。彼に話しかけてみますが、当然犬相手ですから返事はありませんでした。しかし、彼は彼女を膝の上にのせて一緒に外の景色を観ます。そこには月がありました。そして彼は言いました。「一緒に暮らそうか、君がいいのなら」
ここで彼が「君がいいのなら」とわざわざ言ったのは、コーギーがかつての女性だと薄々感じていたからなのでしょうか。そしてここでもまた月が出てきましたね。月光に惹かれるのは、彼がまさに前世をエイミーとして生きたからなのでしょうか。
朗読を読み終えて、n-bunaさんとsuisさんが最後にステージ上に立ち、深くお辞儀をしてライブは終わりました。以上です。

なんと会場の外に出ると前世のポスターに書かれてた女性は犬におきかわっていました!さすがヨルシカです。ここまでこだわってライブを作り込んでいるとは…。

ここまで長々と書いてきましたが、おそらくライブに行っていない人はあまりよく分からない文章になってしまったかと思います。映像化されるかもしれないので、そのときは是非観て頂きたいです。ここまで読んでくれてありがとうございました!

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