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ときどき日記(534)身心が弱ったときには、今村翔吾の名言が利く

今村翔吾の「童の神」を読んでいる。

今村翔吾の小説は、何を読んでも、あちこちに名言がちりばめられている。
書き留めておこうと思う。( )内は文庫のページ
 
(15)同じ赤い血が流れているのに、なぜ我々だけが蔑まれ、虐げられねばならないのですか

(17)他者を圧すれば恨みを買う。恨みを買えば乱が起きる。乱が起きれば国は亡ぶ。その悪い流れを断つには、排することなく受け入れることが肝要だ

(21)壊れた世は、人の心を蝕む。いや、人が憐憫(れんびん)を失ったからこそ、このような世になったのかもしれない

(25)多くの京人は己らこそ全ての土地の主だと思い違いをしておる。しかしいずこの地にも彼らが来る遥か以前から、先に住まっている者がいた。それを虐げ、化物に仕立てて己を正しいとする

(53)生き恥などない。生きようとしている者は美しい

(56)京人は懼(おそ)れから正しき道を枉(ま)げる

(73)誰かが生きるために、誰かが死んでよいなどという道理があろうか

(75)飢えている者がいるのに、そのような喰い方をするなど、そちらのほうがよほど意地汚い

(123)検非違使の役人たちは何気なく食している米、麦、稗、粟がどのような経緯で己らの胃の腑に収まるものかを知らぬし、興味も持っていないということである。穿(うが)った見方をすればそれが当然になってふんぞり返っており、辺境の地で飢えながら税を納めている者がいるなどとは思ってもみないのだろう

(128)人を殺める技を持てば、それを振るいたくなる。人を殺めれば、いずれ己に返ってくる

(135)同じ病にかかり、片や医師に掛かって助かり、片や為す術もなく死ぬ。あまりにも理不尽ではないか。多くの貴族は己だけが特別と思い込んでいる

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