第15章 株式会社会計・税金

第1節 株式会社

2⃣増資


仕分け例15-1
200株発行 1株50円で全株式の払い込みを普通預金に受けた

200×50円=10000
普通預金(資産+)10000  資本金(資本+)10000

増資=資産の増加



3⃣利益剰余金の配当及び処分

CS
前期純利益10000のうち3000を配当金で支払うことを決定し支払った。

1万の繰利の3000円を配当→繰利(資本)の減少
配当決定後に直ぐ払わない為、未払い配当金(負債)を計上
※未払い配当金は(費用)では無いことに注意

仕分け例15-2
総会で繰利の配当(1株10円)を決議、当社は300株発行。
利益準備金の積立額は0とする。

10円×300株=3000円
 繰越利益剰余金(資本-)3000   未払い配当金(負債+)3000


仕分け例15-3
配当金3000を当座預金から支払った
 未払い配当金(負債-)3000     当座預金(資産-)3000




⑵利益剰余金の処分(利益準備金の積み立て)

利益準備金=分配不能の金額(配当禁止の金額)


CS
利益準備金300の積み立てが決定した。

繰利300(資本-)  利益準備金300(資本+)

利益準備金の積み立て=繰利(資本)から利益準備金(資本)へ振り替える
また、それは配当金の仕分けと同時に行われる。

仕分け例15-4
利益剰余金の配当3000,利益準備金の積み立て300を決議した

繰利(資本-)3000   未払い配当金(負債+)3000
繰利(資本-)300    利益準備金(資本+)300

例題15-1
1.繰利4万について仕訳せよ
配当金2万 利益準備金2000 繰越額18000

繰利22000  未払い配当金20000
       利益準備金2000

2.上記を当座預金から支払った
未払い配当金20000 当座預金20000

追加3
その後の前T/Bまで作れ
当期の純利益は70000円だった

試験ではこちらの方が多く出る



第2節税金(法人税・住民税・および事業税・消費税)

法人住民事業税はまとめて計算するため、法人税等と呼ばれる
①中間申告(期中仕分け)②決算整理仕訳(税確定時)③確定申告(翌期仕分け)に分けられる

①中間申告時(期中仕分け)


金額が確定していないときは「仮払金」=仮払い法人税等(資産+)
中間申告では仮払い法人税(資産+)
→期末への貯えと考えて+にする

仕分け例15-5 中間申告(期中仕分け)
中間申告を行い、50円を現金で納付した
仮払い法人税等(資産+)50 現金(資産-)50

②法人税等の税額確定時(決算整理仕訳)

税の確定=1.「法人税、住民税及び事業税」(費用)の発生
2.「仮払い法人税等」(資産)の減少
3.残額を「未払い法人税等」(負債)の増加

仕分け例15-6 法人税等の確定(決算整理仕訳)
前T/B
借 科目 貸        ・決算に際し当期の法人税等が120と確定
50 仮払い法人税等

→法人税、住民税及び事業税(費用)120 仮払い法人税等(資産-)50
                   未払い法人税等(負債+)70

③確定申告時(翌期の期中仕分け)」

確定申告で法人税の未払い額を納付した場合は「未払法人税等」(負債)を減少させる

仕分け例15-7 確定申告(期中仕分け)
確定申告を行い、未払い法人税70円を現金で納付した

未払い法人税等(負債-)70  現金(資産-)70

例題15-2
仕分けを示せ
1.中間申告を行い、法人税の半分にあたる30万を小切手により納付した。
仮払い法人税等(資産+)30万   当座預金(資産-)30万

2.当期の決算により、法人税等の税額が66万と確定
法人税、住民税及び事業税(費用+)66万  仮払い法人税等(資産-)30万
                    未払い法人税等(負債+)36万

3.翌期に確定申告を行い、未払いの36万円を小切手で納付した
未払い法人税等(負債-)36万 当座預金(資産-)36万


簿記2級の内容

2⃣消費税

消費税を受け取ったり払ったりしても当社は損得なし、±0になる。
①期中仕分け(消費税の支払い)
②期中仕分け(消費税の受け取り)
③決算整理仕訳(消費税の確定時)
④翌期の仕分け(納付額確定、申告時)
※仮払金(資産)・借受金(負債)と同様の処理

①消費税の支払い(期中仕分け)

消費税は会社の費用にならない為、税抜き価格で計上
消費税は「仮払い消費税(資産)」計上

仕分け例15-8
商品1000円仕入、消費税を含めた1100円を現金で払った
仕入(費用+)1000     現金(資産-)1100
仮払消費税(資産+)100


②消費税の受け取り(期中仕分け)

税務署に納付するまでは確定しない為、借受消費税(負債+)

仕分け例15-9
商品3000を販売し、消費税を含めた3300を現金で受け取った。
現金(資産+)3300  売り上げ(収益+)3000
           借受消費税(負債+)300

 ③消費税の納付額確定(決算整理仕訳)

仮払いしていたお金(仮払い消費税)と
借受したお金(借受消費税)を差し引き
差額を「未払い消費税」(負債+)として計上

仕分け例15-10
前T/B            ・決算に際し、翌期に納付すべき消費税
100 借払消費         を算定する
   仮受消費 300

決算整理仕訳
借受消費税(負債-)300   仮払消費税(資産-)100      
             未払い消費税(負債+)200
※借受・仮払消費税は貸借対照表に計上されない。
→未払い消費税のみ貸借対照表に計上される


④確定申告時(翌期の期中仕分け)

仕分け例15-11
確定申告を行い、未払い消費税200を現金で納付した
未払い消費税(負債-)200  現金200


例題15-3
税抜き方式で仕分けせよ
1.商品20万を仕入れ、消費税2万とともに代金は掛けとした。
 仕入20万(費用+)     買掛金(負債)22万  
 仮払い消費税(資産+)2万

2.商品55万で販売、消費税55000とともにい代金は掛けとした   ×
売掛金(資産)550000  売上(収益)495000
            借受消費税(負債)55000
→売掛金605000  売上550000
         借受消費税55000

3.決算に際し、消費税の納付額を確定した
借受消費税(55000)   仮払い消費税(資産-)2万
             未払い消費税(負債+)35000

4.消費税の確定申告を行い、消費税を現金で納付した
未払い消費税(負債-)35000 現金35000

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