見出し画像

【アニメレビュー】しかのこのこのここしたんたん 第一話・第二話感想:令和版ボーボボになれなかった全てがスベりまくる残念アニメ

初めましての方は初めまして。そうでない方はいつもお世話になっております。朝霧くもりです。

さて、2024年夏アニメもついに始まりましたね。

今回は公式の頭がおかしいと評判の「しかのこのこのここしたんたん(略してしかのこ)」をレビューをしていきたいと思います。
存在しないOPのシーンを1時間耐久した動画がバズったりと、事前の期待値は高かったですが、アニメ本編はどうだったでしょうか?

それでは行ってみましょー!


あらすじ

花の女子高生「虎視虎子(こしとらこ)」はヤンキーだった過去を隠し優等生として高校生活を謳歌していた。
ある日、登校途中に電柱に引っかかっていた「鹿乃子のこ」を助けた虎子だったが、のこから元ヤンであることがばれてしまう。そんなのこは転校生として隣の席にやってきて……?!?!

シカのシカによるシカのための物語が始まるのであった……。


良かった点

クセになるOP・ED

OPはやはり「しかのこのこのここしたんたん」の中毒性が凄まじいですね。私は耳に残ってしまって事あるごとにこのリズムが思い出されます。ゼンゼロの11号の攻撃ボタンも「しかのこのこのここしたんたん」で押してしまってるくらいです……。

EDではまさかの鹿せんべいを作る工程を実写で魅せられるとは思いませんでした。


良くなかった点

意味不明な展開が面白くない

ストーリー自体が意味不明なのは悪い点では無いのですが、意味不明さが無難過ぎて面白くも何ともありません

似たような伝説のアニメ「ボボボーボ・ボーボボ」では全体を通して何故か心から笑えたり、頭を抱えるほどどうかしていますが、このアニメにはそのシャープさを感じられないんですよね。

その違いは何かを確認するために、筆者はボボボーボ・ボーボボ第1話を改めて視聴しました。1話は無料で見れるので皆さまも是非ご視聴ください。

比較した結果、しかのこが面白く感じない理由は、ストーリー展開のオタク臭さだと考えています。要するに、美少女要素が足を引っ張っています

ボーボボは小学生が考えたような原始的なギャグや本当にわけのわからない話が展開されるものの、現代人が失ってしまった何かがアニメの中に散りばめられています。
しかし、しかのこはストーリーが意味不明な美少女動物園の域を出ず、ギャグも処女といった童貞全開のものや壁を破る・角が取れるなどマンネリ化するようなものばかりです。

ギャグセンスが私と合っていないだけかもしれませんが、正直面白いと思った場面はのこたんが教室を破壊して入ってきた後、壊れた扉から3Dのシカが出てくるシーンだけでした。


ちなみに、原作漫画を少しだけ読んだことがありますが、こちらでは面白さがあったように思います。
原作批判をしたいわけではなく、あくまで私個人が感じたアニメの問題点であるということをご理解いただければと思います。


ギャクのテンポが悪い

ギャグ自体もイマイチなのですが、それ以上に面白さが削がれている原因はギャグのテンポ感だと思います。具体的には、「シ~~カ」というバックミュージックが流れるスロー再生のシーンが足を引っ張っています。

意味不明なギャグアニメは疾走感が大切で、頭の情報処理がギリ追いつかない位が一番面白さを感じられるというのが持論です。
しかし、このアニメでは大切なギャグシーンをスロー描写にしてしっかりと描く手法を取り入れています。このように足を止めていると視聴者の理解が追いついてしまい、折角意味不明だったシーンの面白さが半減してしまいます。

しかも、毎回こしたんがツッコミを入れてくれるのですが、スロー再生後なので視聴者も既に気付いてしまっています。
ツッコミたい気持ちを代弁することで感じられる面白さもありますが、それには焦らす工程が必要です。しかし、あくまでスローでシーンが遅くなっているだけで、ツッコミにタメがある訳ではありません。

コントで言えば、ボケシーンの後すぐツッコミが来るはずが、ボケシーンを引き延ばしているせいでツッコミまでの時間が多くかかっている感じです。


そもそもギャクに振り切れていない

ボーボボとの違いはもう一つあって、それは「ギャグに振り切れていない」ということです。
公式は頭のおかしさを主張していますが、まだ理性が残っています。ホンモノがボーボボで、模倣犯がしかのこだと感じました。

ではどこが違うかですが、やっぱり根本的な部分が常識に沿ってしまっているんですよね。一応学園生活をしっかりと行っていて、部活動をするために必要な部屋を清掃している。当たり前を当たり前だと思っている時点でこのアニメは狂っていません
ボーボボなら部活動なんかせず、常識の枠から逸脱したストーリーを見せてくれるはずです。

ぶっ飛んだストーリーは視聴者の想像を超える展開になってこそ面白さを感じるものなので、あくまでも枠に収まったストーリーではその面白さが無いように思いました。


キャラクターの言動が薄っぺらい

では一般的な美少女動物園アニメを軸として評価した時にどうなるかを話していきます。
まずストーリーは前述のように頭が狂ったように見せかけている活動をしない部活ものなので、だいたいきらら原作によくあるやつだと考えて貰えば大丈夫です。

ではキャラクターの魅力はどうかですが、キャラ付けが薄味過ぎてガワが可愛いだけのアニメと化しています。

主人公は元ヤンを広めてほしくないという理由だけでキチガイのこたんをあっさり受け入れますし、取って付けたようなツンデレ属性が生えてきます。そこに深い理由はありません。
のこたんは除外するとして、主人公の妹もシスコンで姉のためには殺しすらいとわないやべーやつです。それ以外の事は考えていないので、登場した時点でキャラクターの底が透けて見えます。

要するに、登場人物全員に感情の葛藤というものが露ほどもありません
そのせいで感情移入という概念が無いですし、キャラクターの関係性云々も興味が湧きません。

中途半端にギャグ路線を走ってしまっているので、美少女アニメとしても楽しみにくいように感じました。


キャラの声がキンキンして煩い

このアニメではキャラクターの叫び声が連発するんですが、声が高めなせいで毎回鼓膜に来ます。
しかもどのキャラも声高いので、キャラクターの叫び声が伝播するようなシーンではヘッドホンを外したくなるくらい不快になります。体感で言えば寝ているときの蚊の羽音と同レベルに気色悪いです。

電車の中で女子高生のグループが喋っているのに近いですね。
声優さんが悪いわけではなく、作品の構成がしっかりしていないせいで声量で誤魔化すシーンが連発し不快になるのだと思います。


総評

  • ギャグアニメとしては面白くなく、美少女アニメとしてはキャラクターが薄くて共感できない中途半端なアニメ

  • 意味不明っぽいが、実際にはまだ理性が残っていて「心からの笑い」に繋がるようなギャグがない

  • ギャグのテンポも悪く、視聴者心理を上手くつかみ切れていない


総評はD(切る)、C(保留)、B(視聴継続)、A(面白い)、S(覇権)のうちDランクとします。

個人的に原作で面白かったシーンが第3話にあると思うので、それを楽しみにもう一話だけ見ようと思います。


〆の挨拶

ここまでお読みいただきありがとうございました!
事前の期待値が高すぎた所はあるものの、アニメ単体では面白くもなくキャラの魅力を感じる場面も無かったように感じました。

参考になった方はいいね、フォロー頂けると励みになります。
よければX(@asakumo_hikari)のフォローもお願いします!

また次回の記事でお会いしましょう!
サラダバー!


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?