見出し画像

統一教会2世の「第4回公開シンポジウム」:家庭連合の状況好転に必要な事

統一教会(世界平和統一家庭連合、以下家庭連合)の2世らが主催のシンポジウムでの宗教学者・島田裕巳先生の発言は、なかなか含蓄に富んだものだった。

悪化が続く家庭連合の状況を好転させるうえでのヒントとなるものがいくつかあった。以下にそれをまとめてみた。


家庭連合の良さと必要性とは

島田さんは、家庭連合の厳しい状況について「世間の宗教に対する目が厳しくなっている。それと(家庭連合の考えや行動が)世間の考えとあまりにもずれている。世間が正しいわけではないけけれでも、多くの人の考えと家庭連合の考えが違いすぎる」と指摘した。

それに対して主催者の小嶌希晶さんは「高額献金について(世間の人が理解できないの)は、理解できる。でも祝福結婚(合同結婚式)も分からないですか? 違いは神様が選んだ人と受けるという観点ぐらいで、お見合いとそんなに変わらない。離婚しないし不倫しないし、いいことばかり」と訴えた。

さらに「道徳心とか良心を高めるのが宗教の役割。世の中の風潮とかみ合わないのはその通りだけど、世の中の風潮も問題がある。少子化、離婚、不倫、虐待。これをどう解決するかといったらやっぱり宗教性だと思う。離婚しないとか家族を大事にするとか、普通では考えないことを考える宗教は大切だし、日本に欠かせないと思っている」と強調した。

小嶌さんのこの説明は、とても分かりやすく、家庭連合の良さと必要性を上手に説いてくれた印象だった。

これには、さすがの島田さんも「宗教は倫理を説くので、それは間違っていない」と応えた。

過去の問題と向き合い検証することが必要

それでも島田さんは「問題はそこに関心が向けられていないこと」と述べたうえで、「霊感商法とか高額献金は今はないかもしれないけど、過去をどうするか。高額献金が自分の人生をダメにした根本的原因と見る人もいる。過去にさかのぼって何が間違っていたかを考えないといけない」と過去の問題にも向き合い、検証する必要性を強調した。

小嶌さんは「そういう人が生じないよう努力を重ねていくしかない」と応え、島田さんは「その努力を続けるしかない。こちらの主張を展開する前に、なぜこれだけ責められないといけないのか、という原因を考えないといけない。過酷な事態だけど、過酷であればあるほど、乗り越えていく価値があるので、そういう観点で臨んでほしいと思う」と激励した。

意義のあったマスコミからの質問

島田さんと2世との対談後は参加者との質疑応答があり、朝日新聞の記者から「企業と違い第三者委員会を作って検証してもらうのは宗教団体では難しいのでは」との質問があった。

島田さんは「第三者委員会は宗教団体には馴染まない」と述べたうえで、「二世の人たちが世の中の批判を真摯に受け止めて、対話をする中で自分たちはどうあるべきかを世の中に明らかにしていく。これが宗教団体らしいやり方ではないか」と答えた。

まとめ

家庭連合に対して厳しい発言の多かった島田さんだが、それは家庭連合が良くなるために信徒に頑張ってほしい、という激励のメッセージだっと感じる。朝日新聞の記者の質問には、家庭連合が良くなってほしいとの願いが込められていたと思う。

小島さんが言った「道徳心とか良心を高めるのが宗教の役割」という家庭連合の良さを知ってもらうためには、過去の問題に向き合う姿勢が必要であろう。

島田先生の苦言は、家庭連合の評価を好転させるために何が必要かを示すものでもあった。それは「マスコミの報道がおかしい!」とか「国家による宗教迫害だ!」と訴えることではない。

家庭連合の信徒一人ひとりが、「世間の批判を真摯に受け止め、対話を繰り返し、家庭連合のあるべき姿、良さを示していくこと」。これを忍耐強く続けていけば、家庭連合の評価は必ず好転していくと思う。

そんな思いを、家庭連合の信徒だけではなく、関係するすべての人、そして多くの国民と共有できれば、その先にきっと明るい未来、平和な世界があると信じている。

読んでくださり、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?