見出し画像

トランプ前大統領を招くより意義のあった統一教会2世の「第4回公開シンポジウム」

統一教会(世界平和統一家庭連合、以下家庭連合)の20歳代の二世信者らが立ち上げた「信者の人権を守る二世の会」主催の「第4回公開シンポジウム:宗教学者と語る、家庭連合の過去と現在と未来」が10月1日に東京都内で開催され、ネットでも配信された。アーカイブで今も視聴ができる。

シンポジウムは、宗教学者の島田裕巳氏と家庭連合現役二世信者3人との対談形式で行われた。

政府は本気で家庭連合を解散しようとしている

シンポジウムを通して、島田氏が強調したのは「国は本気で家庭連合を解散請求しようとしている」ということだ。

その理由について、

  1. 文化庁宗務課を8人から38人に増員した。

  2. 7回にわたる質問権行使を通して証拠集めた。

  3. 過料を科す方針を示した。

  4. 被害者へのヒアリングをしてきた。

などを挙げた。「国は威信をかけて、国の威信を守ることに踏み出している」ということだ。

さらに、司法についても島田氏は「日本の政教分離はより厳格な方向に向かっていて、司法もその線に沿っている。行政府も宗教規制する力を持ちたいというのがある」と司法判断も家庭連合には厳しいものになるだろう、という見方を示した。

島田氏の預言者的メッセージ

全体的に家庭連合の現状について、かなり厳しい発言が多かった。そんな中で私が気になったのは、島田氏が「教団は相当深刻に受け取った方がいいのでは、と昨日気づいた」点だ。

私には島田氏の厳しい発言の数々は「家庭連合よ、目を覚ませ!」という預言者的メッセージに思えた。それは私も感じることだが、島田氏には家庭連合に解散請求に対する危機感がないと映っているからだろう。

二世たちが心を込めて作り上げてきたこの日のシンポジウムの前日に、島田氏が気付いたということは、私は、ある種の啓示的、預言的メッセージと受け取ったほうがいいと感じている。

数千年前、ユダヤが危機に陥った時、預言者が現れ、「このままでは国が滅びる」と警鐘を鳴らした。しかし、南ユダの人々は厳しいことを伝える預言者たちに腹を立て、耳を傾けるどころか、預言者を許せず迫害を続けた。そうして南ユダは滅びていった。

トランプ前大統領を招くより意義のあったシンポジウム

シンポジウム後、家庭連合信徒による島田氏に対する不快感や怒りのポストがTwitter(X)などでは多く見られる。私には、それが、数千年前に預言者たちを悪者扱いし迫害した南ユダの人々と重なってしまう。

批判する人たちは、島田裕巳氏の発言の数々をもう一度聞きなおしてほしい。何か家庭連合を誹謗中傷し、家庭連合の現実とかけ離れた誤解甚だしい批判的な内容はあったのだろうか。私はかなり細かく注意して視聴したが、そのような内容はなかった。

私には、シンポジウムにおける島田氏の苦言程度のことを受け止めることができず、今置かれている家庭連合の厳しい状況を顧みることをせず、他のせいにばかりしていては、南ユダの国民たちと同様、家庭連合は滅びの道を行くかもしれないと心配になる。

島田氏が思わず「自主解散した方がいい」と言ったのも、そんな家庭連合の姿勢を感じたからではないだろうか。

島田氏を批判する人たちは、島田氏が過去にどのような人生を送ってきたかも考えて欲しい。オウム真理教を擁護する発言があったことで、9年間完全に日本社会から干されて、生活もままならない状況だったことがある人だ。シンポジウムでは、「水道が止められたことがある」との2世の発言もあったが、それに近い状況を9年間にわたって経験した人である。

まさに島田氏自身、何の反社会的行動などしていないし、刑事事件など起こしたこともない、にもかかわらず9年間、日本社会から干された経験をし、そこから再び著名な宗教学者としてカムバックした人なのである。

「自主解散」「監禁されて棄教するのは、その程度の信仰なのか」と言えるだけの経験を、自らしてきた宗教学者だからこその発言だと考えたほうがいい。

シンポジウムでの島田氏の苦言を、感謝して受け止めることを家庭連合の信徒一人ひとりができれば、家庭連合の解散は免れることができると思う。しかし苦言を述べてくれる人を悪者扱いすることを続けるならば、家庭連合は解散命令まっしぐらとなりかねない。私はそう感じている。

そうした点から、島田裕巳氏を招いたのは、トランプ前大統領を招いて信徒が喜ぶ美辞麗句を言ってもらうより、はるかに価値のあった意義のあるシンポジウムだと思っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?