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前回は水害被害による医療機関への影響についてまとめました。今回は救急車が担う役割と備える水害対策について考えてみます。

救急車は、緊急時に患者を迅速かつ安全に医療施設に輸送するための専用車両で主に次のような機能があります

(救急車が担う役割・機能)

・緊急医療サービスの提供:救急医療チームによる緊急医療サービスを提供するための移動手段としての役割があり、急病や怪我、災害などの緊急事態に備え、速やかに医療現場に到着し患者を適切に治療するための医療器具や設備を搭載しています。
・患者の輸送:病院に入院するための手続きや検査、手術、治療などの必要な処置を受けるため、患者を医療施設まで輸送するための役割があります。
・救命処置の実施:救急車は、現場での救命処置や応急処置を実施するために設計されています。医療チームは、救急車内で心肺蘇生法や酸素吸入、止血、鎮痛剤の投与などの処置を行うことができます。
・病院との連携などが行える特殊車両:
救急車は、患者を病院に転送する際に、病院との間での連絡や情報の共有を行うことができます。救急医療チームは、患者の状態を病院に報告し、病院側も事前に患者の情報を受け取ることができます。

このように救急車の役割・機能は人命に直結することから、水害に対しても車両自体を守るための次のような機能が備わっています。

(救急車の水害対策)

・車両の浸水対策:救急車は、高い位置にエンジンや電子機器を配置することで、浸水被害を最小限に抑えるように設計されています。また、防水性の高いシール材を使用し、ドアや窓、排気管などからの浸水を防止するようになっています。
・水陸両用車の使用:水害時に浸水した道路や水路を走行できる水陸両用車の実証が始まっています。これにより救急活動の効率が向上します。
・水難救助装備の搭載:救急車には、水難救助に必要な装備を搭載することがあります。例えばライフジャケット、救命筏、潜水装置、ロープなどがあります。これらの装備を用いて、水難事故に遭った人々の救助を行います。
・避難場所の確保:救急車自体の水害対策ではありませんが、災害時には、高台や建物の屋上など浸水被害を免れる場所を事前に確保し、必要に応じてそこへ移動することで安全な救急活動を行っています。
・避難誘導の実施:水害時には、道路が冠水しているため、救急車の進入が困難になる場合があります。その場合は、避難誘導を行うことで、被災者や避難者が救助場所にたどり着けるようにします。また、避難経路には、浸水が予想される箇所には、浮き出しブロックやバリケードを設置することで、安全な避難を促します。

(参考ページ)

・厚生労働省: 水害等に関する情報提供ページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055967.html

・日本医師会: 災害医療対策についてhttps://www.med.or.jp/doctor/sien/s_sien/002049.html

・国土交通省: 災害・防災情報
https://www.mlit.go.jp/saigai/

上記の他、各自治体のホームページなどでも、水害時における医療機関の対策が掲載されています。

救急車には水害対策が備えられていますが、一人ひとりが対策をとっておくことも忘れてはいけません
(写真はイメージです)

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