土曜日🌸

彼女と土日の休みを共にした。

平日5連勤に加え、土曜出勤の日もたまにあるみたい。

今回は、土日休みのようで。良かった。

ポケットモンスター、
ナースの彼女　無職の僕

「あなたの明日のプランは？」
　と彼女。

「ノープラン」と、もう、その度に答えてきた僕に諦めずに何度も聞いてくれる。

だが、毎回彼女を裏切る形で同じように答えてしまう。
だって、本当にノープランなんだもん。

せっかく来てるのに、どうしてあなたはタイをもっと楽しもうとしないの？

そう言われている気もする。

し、実際にそう思われていると思う。
だから、もうバンコクをかなり歩き回ったよ。と伝えた。

だが、自分の立場に立った時、
そんなもんでこの国がわかるかよ！
と思うだろうと思う。

日本に来た外国人の友達に「今日はどこにも行かないよ」なんて自分が言われたら、どうして？そんなのもったいないよ！

浅草を、上野公園を、中目黒を、僕は何度も勧め、嫌だと言われても何度も連れて行ってしまう事だろう。

中目黒のCOW BOOKSには洋書もあったはずなので、プレゼントしてあげたい。
中目黒には手軽に入る事のできるJAPANカジノ『PACHINKO』もあるので、千円札を紙切れみたいに配って、体験させてあげたい。

その都度、お金を払い、金欠になり、消費者金融などでお金を借りたい。お店を変えて2軒目、3軒目と居酒屋を梯子していく楽しさを伝えたい。どのお店の酒も、食べ物も美味しい事を伝えたい。良い匂いのするおしぼりがあり、水はタダで、トイレにはウォシュレットがあり、酒を吐くまで飲む人がいる事を伝えたい。

酔い潰れて道で転がり込んでも、財布などが取られる事はなく、無事に朝を迎えられる確率が非常に高い事も説明したい。

だから、俺たちも今日は倒れるまで飲もうよ！
日本の治安の良さを自らで体験してみない？

なんてバカみたいな提案をしてみたい。
そうして、みんなで風邪をひきたい。

彼女は、ノープランと言う僕にOKと答える。

彼女も今日はノープランみたい。

せっかくの彼女の休みだ。

僕は久しく調べていなかったバンコクの観光地を検索し、美味しそうなマンゴーカフェを見つけた。

ここに行きたいと伝えた。

彼女はOK。
「良いね。行ってきなよ。私は家にいるわ。」

僕は確かに、「行きたい」と言った。

彼女も今日の予定はノープランと言っていたので、もうこれはてっきり2人で出かける流れだと勘違いしていた。

彼女は、フィンランドに4年間、
留学に行っていたみたい。

英語も上手だし、彼女はその欧米の文化ごと自分のものにしているような気がした。

ここに行きたい！(あなたと)

(だって、あなたも僕も今日はノープランだし、僕とあなたは今、カップル？みたいなものだし、、)

(僕はあなたとデートしたい。正直、あなたと出かける事ができるのならそれがマンゴーカフェでも、公園でも、地獄でも、あんまり正直変わらない。好きです。あなたの事が)

この( )の部分が伝わっていなかったのである。日本でも、( )の下段は伝わらない事の方が多いけれど、上段は割とお互い分かり合う事が、僕の経験上多かった。

僕に迷いが生じる。

「家にいる」と言った彼女。

それでも、にわかに感じるあなたと一緒に過ごしたいという雰囲気。

僕がマンゴーカフェに行きたいと言った事実。

彼女とマンゴーカフェに行きたいという気持ち。

他者の気持ちを優先する文化。

他者と、自己。

ここで、「家にいる」と言っている彼女に、「僕が個人的に行きたいだけ」

(本当は彼女とだから行きたい。あなたが行かないのなら、1人では行こうとは思わない)

と思われているマンゴーカフェに一緒に行こう！と誘うのは、相手の気持ちを優先していない事になるのか？などという気持ちが発生し、どうすればいいか分からなくなってしまった。

というか、一緒に行こう！と言えば嫌われるんじゃないかと言う恐怖があった。

どうしてよ！
行きたいなら行きなさいよ。
私は家にいるってさっき言ったよね？

と言われるのではないかという恐怖があった。

だが、失敗なくして文化の理解など不可能だと思われるので、ここでは結局、一緒に行こうと提案してみた。

彼女は、「いえ行かないわ。」
「1人で行って来なさい」と。

あら、残念。と思い、じゃあ行かない。
とは言えない。

だって、行きたい僕に、ついてこない？
という提案だったから。

あなたが行かないのなら、僕も行かない。
だと、筋が通らない気がした。

ここで、あんなに行きたいと言っていたマンゴーカフェに行かないとなると、What's up君に思われてしまう。

What's up君に思われたくない僕は、「行きたい」と言ってしまったマンゴーカフェに行く事にした。

こうして、僕は1人マンゴーカフェへ行き、
各国のカフェ好き女性集団の中、男一匹マンゴースムージを注文した。

27歳・1人マンゴーカフェ？どうした？
と各国の女性達に思われた可能性もあるが、彼女にどうした？と思われるよりはマシなので、こんな勇敢な行動をとる事もできる。勇敢な恋の歌。

その後、彼女から、
もしよければ一緒に晩ごはんを食べましょう。と連絡がきたので、トンボ帰りで部屋付近に戻り、食事をした。

もしよければなのか。

タイのヌードルを屋台で2人食べる。

こうして、2人の土曜日は終わる。