彼らのメロウなエンディング ~ MIU404視聴後感想文 Part1~

とんでもねえドラマに出会ってしまったなというのが感想です
そしてリアルタイムで見なかった自分をタコ殴りにしたい気持ちでいっぱいです

MIU404

まず綾野剛と星野源が刑事ものでW主演な時点で私としてはほぼ沼にすっ転げること確定だったわけですがまさかここまでとは。

とりあえず一話目について。
ドラマの一話目っていうのは今後そのドラマを見続けるかどうか決める上で重要な役割を果たすわけですが、その点においてMIUの一話目は素晴らしかった。

初めて会って、一緒に事件を解決し、唯一無二であることをビビっと感じて激マブ!みたいな特段ド派手な印象を残そうとした感が全くなく。(アクションはド派手でしたが)
初めて出会った他人同士で図らずもバディを組まされ、ひとつの事件を経た後も劇的な見方の変化が起こるわけでもなくただ遠い距離がある二人、でもそんな彼らが奥底で自覚のない微々たるシンパシーを感じている空気感の作り込みの緻密なこと。
お互いが今までの過去から何かが変わる予感を無意識下に抱いているのを肌で感じる。

この一話の個人的ナンバーワンシーンは志摩がつい伊吹に怒鳴り散らかして、すぐに我に返って反省(伊吹への罪悪感はゼロで自己嫌悪100パーセントなのがまた良い)した瞬間に今度は伊吹が何故か怒られてテンション爆上げてくるあの最高に噛み合ってなさが絶妙すぎて笑えたし、この些細な自然さが演技力を示唆している気もして鳥肌立ちました(どこでやねん)
初めに見たときはここでただただこのドラマもしかしてとんでもなく面白いんじゃないかと思い始めるに留まりましたが、最終話まで見終えた今、このシーンも実は双方の過去があるからこそこの各々の言動と反応に至ってたんだなあと感嘆

脚本家さんが歴代私の大好きなドラマを生み出されている方だったので素敵ストーリーがこれから見られるのだろうという圧倒的な安心感に加え、超演技派俳優陣の世界観への没入度の異常な高さに、これは絶対に ""良""作だなという確信を持ちました。

一見、ただ生真面目で融通の効かないだけの警察官に見せかけて、ルールに異常な執着を見せる反面で危険を顧みない運転をするなどどこか危うさを感じさせる志摩一未と、志摩の事前調査の通りの同僚から敬遠されるような警察官らしからぬ粗野さと横暴さを覗かせながらも納得した約束は違えない誠実さを見せる伊吹藍。
アンバランスな内面を持ち合わせる理性派と感覚派のアンバランスな二人に支配された空気が視聴者に言い知れぬ期待を抱かせたところで、『感電』が流れる。
一話を見ただけではその歌詞が二人の醸し出す雰囲気にぴたりとあてはまっているとは言い難いからこそ、時を重ねていった相棒たる彼らの行く末を暗示しているような気がしてくる

志摩が伊吹を機捜に残そうと思ったのは、伊吹が犯人に『良かったな、誰かを殺す前に捕まって。』と声をかける姿を見て、ただ感覚だけで動いている馬鹿ではあるけど()伊吹の中にある警察官としての信念を感じてたからこそその後の『機捜っていいなー。誰かが最悪の事態になる前に止められる。超いい仕事じゃーん!👍🏻』でそれを確信したんだろう。
何かを思ってからその言葉を口にする芯のある人間だと思ったからもそうだろうし、地味な仕事だと決めつけたまま固定観念に縛られるのではなく、一度目の捜査にして機捜の存在理由となる本質を見抜く力に驚くと同時に、もう少し関わっていてもいいと思えたのかな、と

語彙力の全てを尽くしてこの高揚感を文章にするならば、本当に物語を構成する全ての要素が美しく噛み合っていたような気がします。


決して忘れないように一話一話を丁寧に噛み砕いていきたいので今回はここまで

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