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小さなもの

久々に外に出てみると、すっかり朝の風は涼しくなっていた。
暦の上では秋らしいときき、ああもうそんな季節なのかと思ったら、私が思うよりも世界の暦は早いらしかった。

鈴虫の声が聞こえる。
コオロギの声も聞こえる。

久々に乗った電車は、少し眠たかった。
まだ少し咳が出るけれど、まあいけるだろうなんて思って行ってみた。
思ったよりも周りの皆から、喉の不調を気づかれていて、分かるんなんだなぁって思う。

久々に会えて楽しかった。
顔を合わせた時の笑顔が良いね、みんな。

私の夏休みの計画は、全部頓挫した。
本当は今日あたりは一人カラオケして、楽器も吹いてるはずだったんだ。

だがこれから全部取り返す。
実習休んだのが、学生としてどうなんだって何某先生にはおもわれてそうだけど、良いんだ。

なんて思いながら、部屋から、ベランダのゴーヤで出来た緑のカーテンを眺める。
葉っぱがゆらゆらと揺れていて、でもこの子たちは朝見たら水分不足でしおれているの。

水をあげると、葉っぱが開いて、雄大さを感じさせる。ツタのツルもまた、クルクルと螺旋を描いて美しい。

私もふらふらとすり足でベランダに出る。
トマトの苗とナスの苗は、ハダニによって痛ぶられていて、茎が痛々しい。

水をかけて、ハダニを落とす。
ダニには容赦しない、慈悲などない。
この子たちは私と一緒に元気になるんだ、なんて思う。
花が咲いている。きっと実がなることでしょう。

葉っぱの一つに、小さなバッタが遊びにきていた。
どこから飛んできたのだろう。
でも葉っぱ食べちゃってるしなあ、と思って、葉っぱ一枚切り取って、ベランダから外の草むらへ投げた。

一枚は食料としてあげる。
達者でな。

早く頼んだものが届かないかなぁ、なんてそわそわして待つ1日なのでした。まったりす。

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