一言でいうと発想の勝利としか言いようがない。文句なしで面白い。
世界から音がどんどん消えていくというアイデアだけで書かれた小説。
たとえば世界から「ふ」の音が消えて冬という言葉を使えなくなってしまい、「今はもう、存在しない四季の終り」などと長々しい表現になってしまう。読み進める程に小説らしい細やかな表現が消えていき、小説らしさが亡くなっていく。小説らしさがなくなっていくほどに読者であるこちらの胸が淋しく苦しくなって行く。世界は綻び徐々に滅んでいく。
TikTokで大バズリ
tiktokでこの本を紹介した人は@kengo_bookというアカウント。講演会やイベントなどに出ている。双葉社さんから『ワカレ花』という本を出されており作家活動もしているらしい。