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読書感想文9 筒井康隆著 「残像に口紅を」


  一言でいうと発想の勝利としか言いようがない。文句なしで面白い。
 世界から音がどんどん消えていくというアイデアだけで書かれた小説。
 たとえば世界から「ふ」の音が消えて冬という言葉を使えなくなってしまい、「今はもう、存在しない四季の終り」などと長々しい表現になってしまう。読み進める程に小説らしい細やかな表現が消えていき、小説らしさが亡くなっていく。小説らしさがなくなっていくほどに読者であるこちらの胸が淋しく苦しくなって行く。世界は綻び徐々に滅んでいく。
 


TikTokで大バズリ

 

 

『中央公論』1988年3月から89年3月まで13回連載され、第3部は書き下ろしとして89年4月に中央公論社から刊行された。

(中略)

中央公論社から出された単行本(ISBN 4120017877)は後半からのページが袋とじになっており、「ここまで読んで面白くなかったという方はこの本を送り返してください。代金を返します」と但し書きがついていた。

中公文庫版(ISBN 4122022878)では、本文で用いられた言葉の出現頻度を研究した論文[2]が付録として掲載されており、既に消えてしまっているはずの音を誤って用いている箇所(全部で5ヶ所確認されている)についても紹介されている。


ウィキペディア(11月3日づけ)


中央公論社、売り方が上手い。そういう売り方されたら絶対に買っちゃうもの。
 ちなみに文庫版には袋とじはありません。買う時の参考にしてね。 

2017年11月にテレビ朝日系バラエティ番組『アメトーーク!』で、お笑いタレントカズレーザーが紹介したことがきっかけで売り上げが急増し、Amazonの売れ筋ランキング総合1位、2ヶ月で10万5000部増刷された[3]。

2021年7月にTikTokでの紹介動画を発端としたブームにより売り上げが急増し、急遽3万5000部が重版された[4][5]。

同上

 tiktokでこの本を紹介した人は@kengo_bookというアカウント。講演会やイベントなどに出ている。双葉社さんから『ワカレ花』という本を出されており作家活動もしているらしい。


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