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総務DXを推進したいなら絶対読んでおくべきオススメ本7選

ビジネスの世界では近年、「DX」という言葉を耳にすることも多いと思われます。日本においても経済産業省によるDXが推進されています。

しかし実際は、DXとは何なのか、どのように取り組めばよいのかわからないという経営者も多いでしょう。

書店にはDX関連の書籍が多く並びますが、どの書籍を選んでいいかわからないと思っている人も少なくないでしょう。

そこで今回は、DXを推進したい経営者、総務担当者におすすめの本をご紹介します。   

1 DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

DXとは、Digital Trans formation(デジタルトランスフォーメーション)の略称であり、ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させることを表します。

2004年にスウェーデンの大学教授エリック・ストルターマンによって提唱された概念ですが、経済産業省でも、DX推進ガイドラインにおいて、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」と定義しています。

2 総務部でDXを推奨する理由とは

総務部の仕事は備品、消耗品、固定資産などの管理、保安、防災、福利厚生業務、施設、文書管理など多岐にわたりますが、なぜ総務部でDXが重要なのでしょうか。

DXが必要になってきた大きな理由に、コロナウィルスの感染拡大があげられます。今では多くの企業がリモートワークを導入しており、お客様対応、書類管理等多くの業務において、デジタル化をしなければなりません。

また、「働き方改革」で労働時間が短縮されており、総務業務にもデジタル改革が必要です。まずはバックオフィスである総務部からDX化を進めていきましょう。

3 総務DXを推進したいなら絶対読んでおくべきオススメ本7選

これから総務部でDXを進めていく初心者向けの本を5冊ご紹介します。

①総務部DX課 岬ましろ

著者:須藤憲司
発行:日経BP

■目次
DX担当任命は突然に
ミッションを知る
デジタル化をする「本当の」意味
顧客目線で考えよう
社外のスペシャリストを巻き込む
創業者の想いを知る
DX推進に必要なこと
幸せの届け先

この書籍は、DX担当を押し付けられた岬ましろとその周囲の人々、組織、事業、そして会社全体が変革していくプロセスを通じて、実際のDXの現場で何が起きるのか、どう乗り越えていくのかを、DXの実践的課題を具体的な手法を用いて分かりやすく解説してくれるビジネス小説です。

一見キャラクターの表紙で漫画っぽさもあり、とっつきやすさはありますが、読んでみると、リアルな経営改善のフレームワークとノウハウ本になっています。

既存のフレームワークではなく、恐らく筆者が経験を通じて見出した分析軸は成る程と思うものです。

実際にストーリー仕立てで素人にも分かりやすく説明されており、初心者の方には非常に読みやすい本だと思います。

②難しい話はもういいんでDXがうまくいく方法だけ教えてください

著者:日淺光博
発行:株式会社サンマーク出版

■目次
DXの現実1 経営者の悩み
誰もビジョンについてきてくれない
DXの現実2 推進担当の悩み
縦割りで社内の協力が得られない
DXの現実3 現場社員の悩み
システム導入を丸投げされてつらい
DXでつまずく会社、うまくいく会社
読むだけでDXがうまくいく! 部署別ケーススタディ編 
読むだけでうまくいく! 業界の課題とテクノロジー編

この書籍は、近年2年で40社以上のDXプロジェクトを成功させてきた著者が、デジタルを活用して会社が成長する為に必要なことをわかりやすく解説していきます。

はじめにDXがうまくいかない原因は2つしかない、DXの成功に必要なことは「インセンティブの設定」、「経営課題とのリンク」と言っています。

3章構成になっており、1章ではDXに必要なこと2つの詳しい説明になっており、2章では部署別、3章では業界別の課題、具体的な活用方法、それによって得た成果が書かれています。

「インセンティブ」というキーワードをもとに、DXプロジェクトを成功させるための具体的な方法について分かりやすく解説しており、実践的な内容だと思います。

DXの具体例も様々な部署や業界を網羅しており、どの部署、どの業界にもDXが必要であることを意識させてくれます。

タイトルにもあるように難しいことはなにも書かれていない為、初心者でも簡単に読めます。

DXを進めていく為に、社内でどのように行動を起こしていくか、どうやって周りを巻き込んでいくかに悩んでいる方、必読です。

③DXを探せ!

著者:広川 敬祐 (編集)
発行:株式会社中央経済社

■目次
インタビュー前編 DXの本質ってなんだ!?
1.   DXの意味を勘違いしていませんか?
2.   遺産(レガシー)システムを使い続けていませんか?
3.   ノウハウの継承こそデジタルの得意分野
4.   サブスクがあらゆる消費生活を変えてゆく
5.   デジタルが広げる「シェア」
6.   イベント・展示会の感動・興奮がなくなる!?
7.   需要予測がハズれて在庫が滞留していませんか?
8.    増加する店舗レス販売
9.    売れ筋商品の把握と滞留在庫の管理
11.   機械の点検はヒトの仕事?
12.   コストがわかるのは翌月…。まさか今でも?
13.   目視の検査やチェックは限界がある
14.   コミュニケーション手段の栄枯盛哀
15.   オフィスや仕事の拠点がなくなる
16.   種類やハンコ、昭和特有の雰囲気はあちこちに
17.  キャッシュレス決済が顧客を虜(とりこ)にする
インタビュー後編 SOLIZEのDXへの取り組み

この書籍はDXが起こりうるのはどのような場面で、その場面がDXによってどのように変化していくのかを実感することができます。

そのため、DX本にはめずらしいイラストが多くあり、イラストを見てどこをDXで変えることができるかを自分自身で探していくことができ、間違い探し感覚で楽しく読むことができます。

イラストが多く楽しめるといっても、書いてある文章の内容は非常に濃いものとなっております。

DXの考え方をこれから自社でも取り入れていきたいけど、どうやっていこうかと考えている人にとって、意味のある示唆、アイデアなどを与えてくれます。

また、実際にDXを実践し成功した会社の担当者とのインタビューページもあり、DXへの取り組み事例を交えて書かれておりますので、非常に参考になると思います。

④なぜDXはバックオフィスから始めるとうまくいくのか 

著者:中小企業DX推進研究所
発行:金融ブックス株式会社

■目次
なぜ中小企業のDXは失敗するのか
なぜDXはバックオフィスから始めるとうまくいくのか
なぜ会計事務所がバックオフィスのデジタル化に強いのか
バックオフィスのデジタル化を進めよう
バックオフィスから会社は変わる

中小企業の担当者でDXを実践したけど、失敗した、うまくいかないといったことはありませんでしょうか。

もしくはこれからDXを実践したいけどわからないといった方もいると思います。

DXの失敗には様々な原因が考えられますが、新型コロナ禍を受けた急激な推進もその一つでしょう。

DXには、ある種「正しい進め方」があります。そればバックオフィスから始めることが重要であるということが書かれています。

この書籍はバックオフィスから始めるDXについて、まず前提となる知識をおさらいし、実際のサービスやソフトの提供会社への取材を基とした、具体的な導入手法や効果、落とし穴などのポイントについて、わかりやすく解説しています。

また、著者の中小企業DX推進研究所は主に、会計事務所を中心としている為、経理、財務、給与管理等の会計事務のDXに非常に役に立つ1冊となっております。

⑤ 売上が上がるバックオフィス最適化マップ 

著者:本間卓哉
発行:株式会社クロスメディア・パブリッシング

■目次
非効率なITは「会計」の視点で組み直せ
「従業員」の軸で見直す
「顧客」の軸で見直す
IT活用の「よくある質問」一つひとつ答えます
さらに業務を「最適化」していくには

この書籍はバックオフィスやその他の企業内の業務をITによって最適化する手法を伝えており、ITによるムダの削減や社内の問題解決、売上向上に対してバックオフィスから貢献できる考え方や方法についてが書かれています。

投資観点でのITインフラ整備、会計から逆算したIT導入やカスタマイズ、採用や労務管理、経費管理や社内コミュニケーションなどにおける生産性を高める方法など様々なことが学べます。

また、この書籍には多く図が書かれており、こちらを参考に自社の現状をマップ化してみることで、バックオフィスの流れを整理する事ができます。

各部門でDXに便利な具体的なツールを色々紹介しており、そのツールの特徴も分かりやすく解説しておりますので、これからデジタル化を考えている方には非常に役に立つ1冊です。

⑥DX時代の経理部門の働き方改革のススメ

著者:中尾 篤史 
発行:税務研究会出版局

■目次
働き方改革が企業の成長源泉
経理部がかかえる問題
ムダを省く経理のテクニック
ムラをなくす経理のテクニック
ムリをなくす経理のテクニック
外部委託を活用した改革のテクニック

この書籍は経理部門の業務の中にひそむムダ、ムラ、ムリを減らすための改善策を解説しています。現場では特に問題意識を持っていないような、よくあるシーンを会話形式で取り上げ、業務を改善し効率化するためのテクニックを提示しています。

またリモートワーク時の問題点を解消する方法や、DXを取り入れた業務効率化の方法などについても解説しています。

企業の経理担当者または経理部門の管理者などにおすすめの1冊です。

⑦ 担当になったら知っておきたい中堅・中小企業のための「DX」実践講座

著者:船井総合研究所 デジタルイノベーションラボ 
発行:株式会社日本実業出版社

■目次
なぜ、デジタル化はうまくいかないのか?
DXで実績を上げるためのストーリーを描く
自社の現状レベルを知る「DX診断」
DX設計図「DXジャーニーマップ」を作る
RPA╳BIで実現する「リアルタイム経営システム」
自社に合ったデジタルツールを選定する
中堅・中小企業のDX成功事例
DX推進でよくある課題と対処法
失敗しないDXプロジェクトの進め方
中堅・中小企業のDXにおすすめのデジタルツール

この書籍は中小企業の成長を支援してきた50年の経験とノウハウが凝縮されており、実際のコンサルティングで活用している独自の「DXジャーニーマップ」を中心に、導入にあたっての考え方、導入計画の作成方法、導入プロセスの進め方など、失敗しないDXの進め方を具体的に解説しています。

特に事例が豊富であり、かなり的確でわかりやすく、売上を上げる、生産性を上げるなど、中堅・中小企業がDXの効果として期待する内容にうまくまとまっている1冊になっています。

またDXにおすすめのデジタルツールも多数紹介していて、各ツールごとの比較表もあり非常に見やすいです。DX担当者だけでなく経営者にもおすすめです。

まとめ

今回は、総務部におけるDXに適した本をご紹介しました。少しでもご参考になれば幸いです。

しかし本を読んで終わりにしたら意味がありません。

本を読んで得た知識を無駄にするのではなく、社内で積極的に共有し、DXの役に立てましょう。

会社における状況で、すぐにたくさんのことを変えていくのは難しいかもしれません。今できる小さなことから始めていきましょう。


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