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総務DXにクラウドPBXは必要?リモート環境でも外線・内線通話を実現するクラウドPBXの仕組み

クラウドPBXは2010年代に提供が始まったサービスです。約10年の歴史がありますが、存在感が出てきたのは新型コロナウィルスの発生以降によるテレワークが多くなった昨今ではないでしょうか。

そんなクラウドPBXについて「会社にメリットがあるかも」「これまでのPBXとは違う使い方もできるかも」と、興味を持っている方々も多いはずです。

また、実際に電話設備の検討や利用に関わる総務のご担当者も多いと思います。この記事では、クラウドPBXは総務DXに繋がるのか、テレワーク環境下でのメリットなどなど、導入検討の参考に役立つ情報を届けいたします。

クラウドPBXとは

クラウドPBXのお話をする前に、PBXについてご説明させていただきます。

PBXとはPrivate Branch eXchangeの略称で、構内電話交換機のことです。電話を有効に使うための豊富な機能を持ち、すでに多くの企業で導入されております。主な機能として、

・代表回線の複数着信
・外線の保留取り次ぎ
・内線通話

などになります。固定電話の台数によってPBXの規模も変わるため、大きな経費を長期のリースなどでお支払いしている企業もあります。

クラウドPBXはPBXと違い、装置を購入して自社内に置く必要がなく主な機能を利用できるオンラインサービスです。初期費用を抑えてスタートでき、台数の増減に合わせて経費を変動できるものです。

テレワークで困る電話業務

これまでのように出社して自席の固定電話が鳴る、外線を取り保留にして、同僚を内線で呼び出して取り次ぐなど、全社員が出社しているような電話の取り次ぎは、テレワーク勤務の社員がいる現状ではできない時もあります。

実際には先方に折り返すことを伝えて、各担当に電話やメールで連絡を入れて折り返しの対応をお願いすることになります。

テレワーク社員が含まれることで、単純に電話の取り次ぎ業務の負担が大きくなり、当番で出社している場合には電話の応対に忙殺されて本来の業務に支障をきたすこともあるでしょう。

実際に着信するのは会社にある固定電話で、その着信の制御も会社にあるPBXなので他に対処する方法がありません。そんな困った状況を解決できるサービスが、クラウドPBXなんです。

クラウドPBXでできる主な機能

クラウドPBXとPBXの違いについてですが、単に装置がハードとして自社にあるものが、オンラインサービスによるDX化されるだけではありません。

基本機能として、これまでのPBXのように

・代表電話番号への着信から各担当への保留転送
・内線番号を利用した通話料金のかからない内線通話
・部署ごとでの着信呼び出し制御

などPBXで設定できることはほとんど対応させることができます。さらに既存のPBXと連携できる設定もあるため、出社している社員の電話業務もテレワークしている社員の電話業務もどちらも場所を選ばず利用することができます。

例えば総務の受付担当などが代表電話を取り、各部署への取り次ぎをすることを自宅テレワークしながらもできます。ただし、対応するためにはスマートフォンが必要になります。

会社支給のスマートフォンを使って、クラウドPBXサービスを利用するのか、個人が持っている私用のスマートフォンで利用するのかは、自社内のスマートフォン利用状況に合わせて考える必要があります。

また、クラウドPBXの機能を利用するためにはクラウドサービス+スマートフォン+専用アプリが必要です。専用アプリを使うことで内線通話や代表番号からの発信ができるようになります。

ですので、代表電話番号など社内固定電話でできる発着信、内線電話としての通話+携帯電話での発着信となり

ビジネスフォン+スマートフォンの端末機能を持たせることはできます。サービスによってはPCにソフトをインストールしてマイク、イヤホンなどを使って利用できるものもあります。

クラウドPBXによる電話対応のDX化

電話対応のDX化とは、電話業務の効率化やサービスの向上、コスト削減や負担軽減を実現するための取り組みです。

これまでは、電話対応を主業務とする社員を配置して対応することが多くありました。入社して最初に「電話を積極的に取るように!3コール以内で取る!」と言われ慣れないこともあり緊張しながら出ていたことが懐かしいです。

実際にすごい労力が必要で、午前中の電話応対だけで疲労困憊になるときもありました。またメモの取り忘れや伝達ミスなどで、お客様や先輩方にご迷惑をおかけして申し訳ない気持ちになることが多々ありました。

ただ昨今では、そのような電話応対をメインとする社員を置くことは非効率であり、採用や社員の離脱などよくない影響が出る場合があります。

先にも述べましたが、テレワークが一部もしくは大半で実行されるなかでの電話応対は負荷が大きくなっており、さらに非効率な状況です。

クラウドPBXサービスの中には、以下のような機能を持つものがあります。

①着信番号から担当者へ自動転送
②自動録音機能による通話内容の振り返り確認
③自動音声案内による担当者への誘導

それではひとつずつご説明をしていきます。

①着信番号から担当者へ自動転送
これはあらかじめ着信する電話番号をもとに振り分けリストを作成し、代表番号にかかってきたものを直接自動転送をかける機能になります。もちろん担当が出られない場合は他の担当も出ることができますが、あいだで取り次ぐ電話応対業務を軽減することができます。

②自動録音機能による通話内容の振り返り確認
全通話を録音することで電話応対の品質向上につなげることができます。メモの内容に不安がある場合の確認や、取り次ぎに不手際がありクレームがあった場合の対応内容の確認にも使うことができます。

ミスやトラブルを防ぐ備えにもなり品質向上につながるだけでなく、電話対応時の心理的なプレッシャーの減少が期待できます。

③自動音声案内による担当者への誘導
自動音声案内による担当者への誘導は、様々な問い合わせ応答サービスで利用されていますね。従来であれば、要件を聞いて、内容により担当を選別し取り次いでいました。

そのため、聞き取った内容に齟齬があるとお客様にも応対を取り次いだ担当者にも多大な迷惑をかけることも。

しかし、クラウドPBXサービスの場合は、音声ガイダンスを聞いたうえで絞り込まれているのでお客様が間違えた場合でも、別の担当に取り次ぐことができます。これも取り次ぎ業務の軽減とお客様の満足度向上が図れます。

電話応対はお客様、取引先様のみでなく社内での応対もあり、その全体の電話業務の対応量を上記のサービスを利用して削減したり、対応ミスを減らすためにも利用でき、社内、社外含めて電話応対によるハラスメントの抑止、防止にも効果があります。電話応対でひどいことを言われて、社員が傷つくことを防止することもできます。

さらには、AIを使った音声認識でテキスト化し対応履歴を残すことで、より適正な対応につなげることができるコールセンター向けの機能を持つものもあります。

電話業務をDX化することで、これまでのPBXでは対応することができなかった機能を利用することで、電話応対業務を効率化し負担も軽減することで、人材をより有意義な業務への時間を増やしたり残業時間の削減につなげたりすることもできるでしょう。

導入検討のポイント 

・導入失敗しないためにメリット・デメリットを理解する

総務DXの電話DX編ここまでいかがでしょうか。導入検討の内容について、これからご説明していきますが、現在の電話設備の利用状況によって大きく変わります。

実際に導入検討していくにあたってポイントを抑えながら考えていきましょう。大きく分けると以下の内容となります。

①現在のPBX、ビジネスフォンの利用年数や電話業務の量を把握する。
また現状設備との親和性があるか。

②クラウドPBXの機能は継続利用したい機能を賄えているか。
機能による費用の変動があるか。

③ネットワーク環境やスマートフォンなど切り替えた際の準備が十分な状況か。また音声品質に問題がないか。

これから3つのポイントについてそれぞれご説明いたします。

①現在のPBX、ビジネスフォンの利用年数や電話業務の量を把握する。
また現状設備との親和性があるか。

PBXにしても、ビジネスフォンにしても、ハードの資産です。りリース残がある場合や、老朽化による機能低下がないかなど現状のハードの環境をコスト面、機能面で整理します。

検討のひとつのポイントは、ハードの更新費用とクラウドPBXのサービス費用の比較になります。ビジネスフォンをスマートフォンに統合する場合、ビジネスフォンは不要になりコストが変動します。

現状のようにハードで対応する場合は、PBXの規模を変更することは数年に一度の設備更新時にしか検討できません。

昨今のようなテレワーク推進による、労働環境の変化に柔軟に対応することは難しいです。

その点、クラウドPBXサービスは利用状況によって、契約内容を変更することでコストを合わせることも可能です。ですので、クラウドとハードでのコストをリース期間などを参考に数年で検討し比較しましょう。

ビジネスフォンも、スマートフォンもそれぞれ含めましょう。またいきなりすべてをクラウドに置き換えず、併用しながら切り替えていくことも、現在利用しているPBXやビジネスフォンによっては可能です。

合わせて検討しいろいろなパターンを考えましょう。

②クラウドPBXの機能は継続利用したい機能を賄えているか。
機能による費用の変動があるか。


切り替えるにあたって実は、PBXでできて、クラウドPBXでできないことがないかの確認が必要です。新しい機能の魅力に確認が漏れ、現状の対応に支障をきたすわけにはいきません。

現在設定されているPBXの内容を洗い出して各部署で確認し、不要な機能があれば削減することも併せて準備します。

利用したい新たな機能についても、オプションになっていないかなど社内検討にあげる前に機能と費用を整理してスムーズに話を進められるように不備がないようにしましょう。

③ネットワーク環境やスマートフォンなど切り替えた際の準備が十分な状況か。また音声品質に問題がないか。

これまでのPBXのように、有線だけではなく無線でも利用することになります。社内のWIFIルータの能力やHUBなどの通信機器によっても、音声品質に影響が出る場合があります。

利用するサービスが変わることで、通信環境やスマートフォンなどの機器に不足がないか、また不足の場合に必要な追加コストについても検討するために準備が必要です。

これまでのポイントを踏まえつつ、単純に見えるコストをデメリットと捉えて検討することをやめるのではなくメリットによる業務負担軽減や、品質向上も含めて総合的な判断をしてほしいです。

まとめ

DXを進めなければと思いつつも、どこから進めるのがよいかわからない。これは、多くの会社で起きていることだと思います。今回のクラウドPBXを使った電話DX化は、実は進めやすいDX化のひとつです。

進めやすい理由のひとつとして、電話応対業務は大変ではあるが難しくはなく、課題についても共通点が多いので参考事例が自社に当てはめやすいからです。現状の課題をDX化により改善することで実感できたことが次のDX化につながります。

コロナ禍にあってなかなか進めることができなかった改善検討事項、が労働環境の変化に合わせて進めざるをえないこともあります。

DXを進めるチャンスです。クラウドPBXを利用すると、代表電話をテレワークで取ることができます。テレワークで電話が取れることで総務のメンバーが必ず出社しなくてもよくなります。

パソコンを使った業務がテレワーク勤務でできているのであれば電話の応対もできるようになることでより出社しなくても対応できる業務が増えます。

業務改善することで出勤回数を減らすことができ、社員の感染リスクも下げることができます。先に述べた通りコストとのバランスや機器更新のタイミングなど判断は簡単にできないのですが社員のリスクを下げることで会社のリスクも下げることにつながります。

そうした労働環境の改善にも働き方の多様性にもつながる電話のDX化。できる状況であれば是非取り組んでいただきたいです。

大事なのは現状をしっかり把握すること。その上で複数のクラウドPBXサービスを検討し自社にマッチしたものを導入することです。慎重かつ前向きにご検討いただけることを願います。

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