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総務DXにおすすめ社内FAQシステムとチャットボット7選

FAQシステムとチャットボットの概要

近年、総務周りの業務効率化を背景に、対応の効率化やコールセンターの負担軽減などを狙ってチャットボットとFAQシステムの導入が活発化しています。それぞれには共通点と違いがありますのでまずはその点を整理しながら、実際の活用例やおすすめのシステムなどを紹介していきます。

FAQシステムについて

FAQシステムは、ユーザーなどの疑問を自己解決するためのWEBサイト「FAQサイト」を構築・運用改善するシステムです。

FAQサイトが機能すれば、ユーザーが電話やメールで問い合わせすることなく疑問が解決できるため、コール数(受電数)の削減や顧客満足度の向上が図れます。

チャットボットについて

チャットボットとは「chat(チャット)」と「robot(ロボット)」を組み合わせた造語です。SNSのような会話形式のシステムで、ユーザーの質問に対して、自動的に適切な回答を提示することが可能です。

WEBサイトやアプリに設けられることが多いです。チャットボットには、「シナリオ型」と「AI型」の2種類あります。

●シナリオ型チャットボット
「ルールベースチャットボット」とも呼ばれるタイプのチャットボットです。ボットが選択肢を提示して、ユーザーが知りたいものを選択することを繰り返して回答を導き出すのが特徴です。

●AI型チャットボット
あらかじめ学習させたデータやユーザーとのやりとりを解析し、AIが最も適切と判断した回答を表示するチャットボットです。質問者の言葉の「ゆらぎ」にも対応可能なので、より幅広いユーザーに適切な回答を表示しやすくなります。

FAQシステムとチャットボットの共通点と違い

共通点

それぞれユーザーからの問い合わせや質問に答える機能を備えており、導入すれば問い合わせ対応業務への負担を軽減させることができます。

よくある問い合わせの中には、わざわざ人が電話で対応しなくても、必要な情報を見せるだけで解決するようなものも少なくありません。

例えば、「パスワードを忘れた」という人にはパスワードリセット方法を説明したページを見せるだけで十分対応できます。

このように簡単な質問への回答をチャットボットやFAQシステムに任せれば、問い合わせ対応するスタッフは、人が対応しなければならない問い合わせだけに集中でき、従来の業務にも集中することができます。

さらにそれぞれ、ユーザー満足度をあげる効果も期待できます。ユーザーが疑問を感じた時に、それをすぐ解消することができるからです。

電話やメールでの問い合わせのように、待たされる時間がないのは、ユーザーにとって大きなメリットと言えます。チャットボットやFAQシステムなら、選択肢を選んだり文字を入力するだけで済むので、「電話で話をするのは苦手」と感じる人でも手軽に利用できます。

逆に「サポートを受けられなかった」と感じるとユーザー満足度は大きく下がってしまうので、いつでもユーザーをサポートできる仕組みを整えるためにも、チャットボットやFAQシステムを導入することは効果的です。

違い

まずは回答へのスピードの違いが挙げられます。FAQシステムは、日常的な「よくある質問」とその回答をデータ化して管理し、効率的に回答する仕組みです。

よってサイト内にシステムが埋め込まれており、ユーザーは検索機能によって回答にたどり着けますが、検索ワードが曖昧だと適切な回答にたどり着きにくいという特徴があります。

一方でチャットボットは選択肢をユーザーへ提示したり、入力内容からある程度予測してピンポイントで知りたい情報を返したりするため、よりスピーディーでユーザーにとって快適に回答を得られることが多いです。

ユーザーに対するインターフェースも大きく違います。インターフェースとは、ツールとユーザーの「接点」という意味です。

自己解決を促すためにはユーザーが使いやすく理解しやすいUI(ユーザーインターフェース)が重要になります。チャットボットとFAQシステムは解決に役立つ情報のインターフェースが異なり注意が必要です。

チャットボットは会話形式で適切なFAQを提示する一方、FAQシステムはFAQサイト内でユーザーが自力で求めるFAQを探すことが一般的です。

そのため、FAQシステムは検索窓の設置や情報ニーズの高いFAQ一覧をサイトトップに配置するなどの工夫が求められます。また、FAQサイトのインターフェースは一画面に表示できる情報量が多く、図表や動画なども掲載しやすいことは特徴と言えます。

一方チャットボットはメッセージアプリのようにチャット形式で気軽な会話から回答へ導く操作で、一度に表示できる情報量が少ないため、端的でわかりやすい回答や詳細な情報を掲載しているサイトへ誘導する導線設計の工夫は必要です。

ユーザー自身が抱える質問や疑問の「解像度(鮮明度)」の違いによっても、チャットボットとFAQシステムの得意領域は異なります。

例えば、チャットボットはボットが会話しながらユーザーを誘導できるため、ユーザー自身が抱える課題が不明確であっても適切な回答を提示することがしやすいです。

一方でFAQシステムはユーザー自身が解決したいと考えているような「顕在化している課題解決」のための情報を素早く取得することを得意としてます。

取得できるユーザー情報にも違いがあります。チャットボットでは、多くのユーザー情報を集められます。これはチャットボットとのやりとりをする中で、ユーザーが知りたいことや疑問を複数回入力するためです。

チャットボットではユーザーに対して質問することで、欲しい情報をピンポイントで取得することもできます。

入力された情報を分析すれば、ユーザーが抱えている問題や要望をより深く理解できます。FAQシステムでは、チャットボットほど多くの情報を集められません。

それでも検索の際に使われたキーワードは取得できるので、ユーザーがどんな言葉を使ったのかを把握してQ&Aの改善に役立てることができます。

活用シーン

社内問い合わせ

企業の総務・経理・人事労務や情報システムといった管理部門(バックオフィス)では毎日のように社内各部署から質問が舞い込みます。

しかし、それらのほとんどは社内マニュアルに載っているようなトラブルやサポートに関連したよくある問い合わせです。このような社内の問い合わせ一つ一つに人手を割いて対応することは非効率です。

ついつい後回しになってしまう社内向けの業務改善ですが、実は解決すべき課題が山積してます。

その際にFAQシステムやチャットボットを活用し、ユーザーに簡単な質問から答えを導きFAQなどを参照してもらい、その上でヘルプデスク担当者が対応するような仕組みにすれば大きな負担軽減につながります。特に社員数の多い企業や複数の視点を持つ企業に向いています。

ナレッジ共有

ナレッジを共有することにも有効です。社員は気軽に会話形式でナレッジを確認することがチャットボットなどでは可能になります。サービスにもよりますが、基本的にチャットボットの扱いは難しくないので、社員が使い環境を構築することができます。

企業のナレッジ共有の仕組みが可能になれば、サポート窓口はもちろんのこと、部署内外の問い合わせ削減が可能なため、社内全体の生産性向上が期待できます。

おすすめ社内FAQシステムとチャットボット7選

社内向けFAQシステム

●Zendesk(FAQシステム)
Zendeskはナレッジから簡単にFAQを構築できるクラウド型の問い合わせツールです。よく問い合わせがある質問や頻繁にやりとりする内容は、ナレッジとして一ヶ所に蓄積できるコンテンツブロック機能で、サイト内の様々な場所に作成と変更が可能です。

また、顧客に役立っている内容や削除すべき内容をAIが提案してくれる機能も搭載しています。

そのほか、コールセンター機能やカスタマーサポートに関する機能も含め、月額一人あたり5,000円から利用できるなどコストパフォーマンスが高いサービスです。

●Helpfeel(FAQシステム)
Helpfeelは、ユーザーが曖昧な表現で質問しても、課題に対して的確に答えてくれるFAQシステムです。打ち間違いや入力ミスがあっても、打ち込んだ言葉とマッチする回答を素早く見つけられます。

また、導入時には既存のFAQシステムからの移行やデザインカスタムまで対応。さらに、導入後の分析や改善アクションの提案、実行までを専任のチームが徹底的にサポートしてくれます。

●OKIBIZ.for FAQ(FAQシステム)
800社以上の大手企業・銀行・自治体などが導入しているOKI.for FAQ。豊富な運用実績から多様なニーズにも応えるFAQシステムを提供しています。

はじめてFAQシステムを導入する場合でも、専任スタッフがサポートしてくれるので安心です。

検索エンジンには、約7万語種類の概念知識と1,200万語の言語辞典を搭載した言語理解エンジンを搭載。サジェストや関連FAQなどの機能も充実しています。

社内向けチャットボット

●HiTTO(シナリオ型チャットボット)
HiTTOは、AIチャットボット市場シェアNo.1のバックオフィスに特化した社内向けAIチャットボットです。大手企業の人事部門を中心に幅広い企業で導入されており、利用ユーザー数は30万人を超えています。

完全自動型AIを搭載しているため、導入時のFAQデータやシナリオ作成、運用開始後のチューニングの手間はかかりません。

HiTTOのAIは、大手企業のプロジェクト支援実績をもとに構成された100万件以上の質問パターンと965種類の回答データを学習しています。

また、チャットボットの利用が社内に浸透するような社内プロモーションや、従業員アンケートをもとにした改善案の提案など、「導入」「定着」「分析」の3つのフェーズで専任の担当者による手厚いサポート、充実したプロジェクト支援を受けられます。

●ASBOT(シナリオ型チャットボット)
ASBOTは、社内業務の効率化をアシストするAIチャットボットです。社内システムやサービスと連携を設定することで、スケジュール管理や社内文書の検索など、さまざまな業務を効率化可能です。

AIチャットでやり取りを行うだけで、情報の検索や面倒な申請処理を実行できます。ユーザー登録をしておけば、ユーザーごとに異なる回答を返すことも可能です。

聞き返し機能を搭載しているので、複数の対応策を提示しながら課題を解決し、回答結果を自動的に学習し、回答精度を高めます。

社内外向けチャットボット

●Saleforce Service Cloud(Einsteinボット)
あらかじめ設計しておいたシナリオをもとに自動で応対できるほか、有人チャットとの引き渡し・連携やCRM上の顧客管理データに基づいた対応も可能です。

ダイアログの追加や変更などといった修正も行えるだけでなく、ボットのアクティビティの監視・分析もできます。

Salesforce上のCRMと連携させることができるため、CRM内で管理している顧客情報やこれまでの問い合わせ履歴などといった情報を取り出し、問い合わせに対応する際に利用できます。

また、ボット上で解決できなかった問い合わせもSalesCloudの機能の1つであるLive Agentと連携すれば対応可能になります。

エージェントによる有人対応にエスカレーションできます。また連携する際に複雑な設定やシステム構築などは行わなくても利用できることも魅力です。

●COTOHA Chat & FAQ
COTOHA Chat & FAQは自社開発のAIエンジンを用いたQ&Aから始められます。また、COTOHA Chat & FAQはサービス提供形式としては辞書型というものに分類され、事前に複数の単語を登録し、その単語に対する応対をしてくれるチャットボットです。

そのためユーザーは、直接会話をしているような問い合わせなどができるようになります。例えばユーザーの話し言葉を素早く理解し最適な回答を自動で返答したりオペーレーターに提示します。

さらに業界最大級に多言語対応しており、25か国語の言語に対応してます。月一度の操作説明会などの手厚いサポート体制も引かれていることも安心できます。ただし、導入時に既存のWEBページに数行のJaveScriptを追記する必要があることは注意点です。


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