季節は変わる
季節は変わる
ツヤツヤとした若い緑が
いつのまにか黄金色に輝いている
金木犀の香りも遠く
これからの寒さを予感するような
キリリとした風が頬をなでる
季節は変わる
大切な彼を想う夜に
いつかの誰かの夢をみる
戸棚の右奥
対のマグカップに
浮かべた顔を思い出せない
季節は変わる
今だけ、と思うほど
ずっと続くこともある
今だけ、と思っていても
瞬きほどで人は恋する
季節は変わる
また季節が変わっていく
夜が明け、朝を迎える
陽の温もりに身体をあずける
雪のつめたさに手を取り合う
季節は変わる
わたしたちと共に
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