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THE INTERRUPTERSとパンク精神

恵比寿リキッドルームでの
THE INTERRUPTERSワンマンライブ

油断していた
完璧に油断していた

300番台なんてすぐには呼ばれないだろう
と思ってギリギリに向かったことから
すでに油断していた

着いた時間ちょうどに
私の番号が呼ばれ急いでチケットを用意

コインロッカーを使えばいいと思っていたが
100円玉が足りず
両替もできないと言うので
Dance Hall Crashersのパーカーは
着たままフロアに向かった

大勢のパンクスの服装を見て
「これは間違ったな」と確信
ほとんどがTシャツに細身のパンツ
袖から覗く刺青の数
久しぶりに見る光景だった

なぜか前方が空いていたので
3列目に並ぶおじさんの隣に立つ

チラリと見えた彼のロック画面は
THE INTERRUPTERSの4人

「これはどう来るか」

始まってから1分たたないうちに
首を何かにど突かれた

「ダイブ、はや!」

来るもなにも考えてる場合ではなかった

ダイブやモッシュをする気満々の
パンクス達が次々と降ってくる

耳元で後ろの声が響いて
フロントウーマンのエイミーの声が
なかなか聴こえてこない

もみくちゃ、という言葉を表すなら
きっとこれを見せたらすぐに通じる状態

このままでは音が聴けない、
と思って後ろに回った

これも油断

後ろは後ろでモッシュの嵐
どこに行っても逃げられないとはこのことか

体を打ち付け合う彼らの表情は
満面の笑み

最高だった

パワフルなエイミーのハスキーボイスと
なかなか生で聴けないスカパンクが
会場全員を踊らせていた

前座のDizzy Sunfistのボーカルが
こんなことを言っていた

「エイミーは女でもパンクロックが
歌えるってことを証明してくれた」

彼女のことはその場で初めて知ったが
自然と涙が出た

THE INTERRUPTERSを初めて聴いた時
私もそう思ったのだ

「女性ボーカルのスカパンクバンドが
この時代に存在しているのか」

性別で見方を変えるつもりはないが
同性のパンクバンドには
並々ならぬ期待を込めている

見せてほしい
女でもパンクができるということを

音楽に生き、自らの信念を持ち
いつまでもパンクでいられるということを

油断している私に
彼女たちの魂が突き刺さった

きっとそれは私だけでなく
会場にいた全てのパンクスと
そうでありたい人々にも

これだからロックはやめられない

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