![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127746965/rectangle_large_type_2_dfb5b509b0e452a627aa7ed852e57b67.jpeg?width=800)
KEITH JARRETT キース・ジャレット STANDARDS VOL.1
ピアノトリオの可能性を広げた歴史的名盤
![f:id:zawinul:20200502151816j:plain](https://assets.st-note.com/img/1704682177-wfcgjSzJo8.jpeg)
キース・ジャレット。
面白い人である。というか、変態である。
私もピアノを弾くので、演奏するための作法や姿勢、
メンタルな面での心構えなど、
良いパフォーマンスになるよう、自分なりに工夫している点はある。
けれど、キースの弾き方は参考にならないばかりか、
いつも驚いてしまうのは、
鍵盤上の手(指)のぎこちなさ、コチコチの硬直感である。
あそこまで指に力を入れて(いるような気がするだけか?)、
弾いているのに、
どうしてあんなに美しい音色とパッセージが紡ぎ出されてくるのか。
信じられないのだ。笑ってしまうほど、不思議なのである。
ピアノの調律(鍵盤のタッチレスポンスを軽めに設定)の効果も
大きいとは思うが、
キースの紡ぎ出す音の一音一音の美しさは、他に比を見ない。
この「スタンダーズ」というトリオは、元を辿れば、
ゲーリー・ピーコックのリーダー作品「テイルズ・オブ・アナザー」に
端を発しているかもしれないが、
「スタンダード」を題材にしたピアノトリオとしての
フォーマットの可能性を、極限までに広げた画期的な歴史的名盤は、
このアルバムであると思う。
正直、最初にこのアルバムの
「オール・ザ・シングズ・ユー・アー」を聴いた時、
その畳み掛けてくるようなスリリング感、テーマ解釈の自由度、
三者のインタープレイの複雑さ、どれを取っても、
これまで聴いたことのない、圧倒的なパフォーマンスに、
驚きと興奮に包まれた記憶が蘇ってくる。
ブラッド・メルドーも変な姿勢でピアノを弾くし、
キースと同じような、得体の知れない凄さが感じられる。
ただ、個人的な思いではあるが、
ことトリオ演奏によるスタンダートの演奏に関しては、
その解釈の面白さやフレーズの色彩感とバリエーション、音色の美しさ、
そして、三者の絶妙な一体感など、
キースの方が好みではある。
Keith Jarrett(p)
Gary Peacock(b)
Jack DeJohnette(ds)
1 Meaning Of The Blues 09:22
2 All The Things You Are 07:45
3 It Never Entered My Mind 06:42
4 The Masquerade Is Over 05:57
5 God Bless The Child 15:30
Keith Jarrett Trio - All The Things You Are
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?