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wether report ウェザー・リポート/  night passage

稀代のオーガナイザー ザビヌル

Night Passage

ジョー・ザビヌルという天才が生涯をかけて、
彼の世界観、音楽観を体現する舞台となった伝説のグループである。
このグループの凄さ、というより、ジョー・ザビヌルというウィーン出身の尋常でない一人のオーガナイザーが、ジャズという音楽の可能性を
どのように切り開いていったのかは、
『ウェザーリポートの真実/山下邦彦 編』を読んで頂くと
改めて再確認できる。

その驚くべき楽曲の制作手法、特異なメロディメーク、
リズムの斬新さ、キレ、オーケストレーションの妙技、
ライブパフォーマンスのクオリティなど、
どれをとっても、他の追従を許さない、
圧倒的な存在感を遺したグループである。

ジャズといえば、セッションという場におけるスポンティニアスな魅力が
多く語られるものだが、エリントンを初めとする様々なビックバンドや、
ギル・エバンスとマイルスによるコラボ、MJQ、RTF、
ヘッド・ハンターズ、パット・メセニーグループなど、
緻密に練り上げられた、グループエキスプレッションの系譜も、
脈々と受け継がれてきており、
いずれの試みも、緻密かつ物語性のある壮大なドラマを創造してきた。

WR(wether report)は商業的に成功したのは一時的かもしれないが、
ザビヌルという天才が、自らの天分と独創性を思う存分に発揮し、
革新的なジャズの地平を切り開いていった点は、
もっともっと評価されていいと思う。

エリントン、モンク、ミンガス、マイルスといった、
トータルオーガナイザーと、肩を並べる力量を持った
孤高のミュージシャン、ザビヌル。

その魅力を語るに、尽きることはない。

Joe Zawinul / keyboards, co-producer
   Wayne Shorter / saxophones
   Jaco Pastorius / bass, co-producer
   Peter Erskine / drums
   Robert Thomas Jr. / hand drums

1. Night Passage (6:29)
2. Dream Clock (6:26)
3. Port of Entry (5:09)
4. Forlorn (3:55)
5. Rockin' in Rhythm (3:02)
6. Fast City (6:16)
7. Three Views of a Secret (5:50)
8. Madagascar (10:56)
Total Time: 48:03

Tracks 1-7 recorded Live July 12-13, 1980 at The Complex in Santa Monica, California.
Track 8 recorded Live in Osaka, Japan.

Weather Report - Night Passage 1980




 


 

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