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ディズニーCEO、近年のポリコレ作品を反省――「多様性」なら日本を見習え

 2023年12月11日、米ディズニーのボブ・アイガーCEOは、近年のディズニー作品が「メッセージ性に偏りすぎていた」と述べたというニュースがありました。

ディズニーCEO、近年の作品が“偏り過ぎていた”と認める 「一番は楽しませること」「目的を見失っていた」 - ねとらぼ (itmedia.co.jp)

 ディズニーといえば、言わずと知れたエンターテインメントのリーディングカンパニーであり、「白雪姫」「美女と野獣」「アナと雪の女王」など、挙げればキリが無いほどの名作を生み出してきました。
 しかし近年のディズニーは性的少数者や黒人といった属性に過度な配慮をする、いわゆる「ポリコレ」に傾倒した作品を多く発表しました。

 例えば、大ヒットした往年の名作アニメ「リトル・マーメイド」の実写版(2023)では、白い肌に赤い髪が特徴の主人公アリエルを、黒人の女優が演じ、論争になりました。同作は北欧の童話作家アンデルセンの「人魚姫」を原型とする話であり、その点から見ても黒人が演じるのは場違いと言えるでしょう。

 その他にも多くの「ポリコレ」キャスティングや脚本がありますが、ここでは割愛します。ともあれ、これだけ露骨に作品の面白さよりもメッセージ性を優先してしまえば、ファンも制作側の姿勢に気づきます。不信感を覚えるのも無理はないでしょう。

 これは私の想像ですが、ディズニー制作側の一部は、この問題にとうに気づいていたと思います。しかし、社内でそんなことを言い出せばたちまち「差別主義者」の烙印を押され、下手したらクビになるかもしれません。ポリコレというのはそういうものです。

 ですから、アイガーCEOの発言は、我々日本人からしたら「当たり前だろ」と思うかもしれませんが、今のアメリカでは非常に勇気のある発信なのです。アメリカに「自由の国」というイメージを持っている人は多いですが、少なくとも今のアメリカはちっとも自由ではありません。

 アメリカでは今、イスラム教徒などに配慮して「メリークリスマス!」と言えません。LGBTに配慮して「パパ」「ママ」も不適切だという方向に進んでいます。みなさんはこれが「多様性を尊重している」といえると思いますか?

 ディズニーが賛美していた「多様性」ですが、それなら日本人を見習ってほしいものです。日本の漫画・アニメ・ゲームは世界一です。私はその理由として、世界一の表現の自由があるからだと考えます。

 日本のコンテンツを海外に輸出すると、「その表現は不適切だ」として、一部内容が改変されたり、年齢制限がつくことがあります(不適切だと思うのなら見なければいいのに、と思うのは私だけでしょうか)。

 何を「不適切」と感じるかは人それぞれです。そんな指摘を気にしていては、クリエイティブな発想は浮かびません。結果的に、表現の幅は狭くなり、紋切り型の作品があふれるようになります。テーマ「多様性」の映画しか作れない企業に、本当の「多様性」などありません。

 ディズニーの象徴ともいえるキャラクター「ミッキーマウス」ですが、欧米のネズミに対するイメージは、最悪の疫病「ペスト」と運ぶ害獣であり、不吉の象徴でした。しかし、創業者のウォルト・ディズニーは、あえてミッキーを主人公にし、それまでの「当たり前」を覆して見せたのです。

 「All our dreams can come true, if we have the courage to pursue them. I only hope that we don’t lose sight of one thing – that it was all started by a mouse.(夢を求め続ける勇気さえあれば、すべての夢は必ず実現できる。いつだって忘れないでほしい。すべて一匹のねずみから始まったということを。)」

 ディスニー社は今こそ、創業者の精神に立ち返り、常識やポリコレにとらわれない、自由な作品を作るべきです。


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