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アイビー

「愛ゆえに」

当たり前の日々が

当たり前じゃなくなった瞬間

生きた心地がしなくて

耳を塞ぎたくて

自分という存在を切り取って

ゴミ箱に捨ててしまうように

瞬きの間の一瞬の間にさえ

消えてしまいたいと

心からそう願った

好きという感情が

こんなにも醜くて汚くて、

そして残酷で

真っ黒な感情に支配された

こんな気持ちは私には要らないと

何度も何度も

石鹸で洗って擦って磨いた

真っ白なものに変えるために

でも、何度洗っても擦っても磨いても

真っ白なものにはなれなくて

ただ、削れて傷が増えるだけだった

私は悟った

どれだけ私が要らないと叫んでも

一度混ざり込んでしまった黒は

もう消えないのだと

だから私は刃を突きつけた

何も聞こえない

何も感じない

そして、何も言わない

ねぇ、これであなたは私のもの

一生、そばにいてね


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