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2023年10月の記事一覧
2章 5話 ウィリアム
「お母さん…お父さん…どこー!どこにいるの〜?」
あっ、これって夢だ。
私は唐突に気がついた。
村を歩く11歳の私の視点であの日が繰り返される。
村は至るところが燃えていて、村のみんなが倒れている。
この後で私は彼と出会ったんだ。
「だれか〜!ぐずっ…みんなどうしちゃったの?あ……」
村の中を裸足で彷徨う私の目の前に『鬼』が現れた。
一体じゃない、10、20、もっと沢山いて、『鬼』達が私
2章 3話 守りたいもの
早朝、俺は04小隊の隊舎に集合していた。
「オーフェン、集まるのはまた貴方が最後ね。」
事務室に入るとソファーに座っていたイレイナが俺に噛み付いてきた。
「うるせえよ!別にいいだろ、集合の5分前に来てるんだぜ?
あ、隊長、それとメイファンも!おはようございます!」
「おはようオーフェン、朝から賑やかになっていいね」
「お、おはようございます……」
俺はイレイナを一睨みしてからソファー
2章2話 魔女との邂逅
オーフェン達の乗っていた馬車は街道を抜けて、穏やかな空気に包まれた農村に辿り着いた。
山々に囲まれたこの村は真ん中に線を引くように小河が流れていて自然豊かな場所だった。
稲穂が陽の光に当たって黄金に輝いている。
馬車が止まり、御者席のディアモンテが後ろの3人に向かって顔を出した。
「道中で説明したと思うが、改めて任務内容を確認するぞ。
この村の農作物が獣によって荒らされているらしく、我々はこ