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辞めてわかってきた公立学校の不自由さ

オヤジブログ怪気炎 vol.146

44年間連続で公立小学校に勤務していました。離れて距離を置いてみると、ずいぶん不自由だなぁと感じるところが見えてきたので、書いてみます。
①どこに通うか?
学校と関わり始めるスタートは、住民票のある役所から送られてくる就学時健康診断の案内。もちろん国立や私学など他の小学校へ進学してもいいのですが、公立小学校の学区に基づいて通知が来ます。登下校の安全を考えて、小学生のうちは地域の学校に通わせようと考える保護者の方が多いと思います。安全神話が崩れつつあるニュースが、時々流れますが。

②だれに教わるか、だれと同じクラスになるか?
保育園、幼稚園、認定こども園で、仲のいい友だちがいたなら、その子たいっしょのクラスになりたい気持ちはあるでしょう。
ところがクラス編制は学校長の裁量で一方的に決められてしまいます。また最も多くの時間指導を受けることになら担任の先生も学校側が決めます。
この一方的な決め方がなし崩しになると、学年や学級という学校内の組織ができないのですが、担任との相性がよくない場合、担任を変えてください、または自分の子どもを他のクラスに移してくださいと訴えてみても、なかなかスムーズにはいかないのが現実です。

③何を学ぶか、教わるか?
文科省が学習指導要領を定めていて、それに即して各学年の教科書が変身されています。生活科、社会科、総合の地域教材以外は、教科書に沿って授業を進める先生方が多いので、日本中ほぼ同じ学習内容になっています。ただ個別支援学級については、個に応じたカリキュラムの必要性が認められており、柔軟に進められています。

ここまで書いてきて「そんなこと、当たり前じゃないの!」と感じられた方もいらっしゃるでしょう。けれど現実には学校という制度に適応しない大勢の不登校児童がいるのです。
最初から決まっているという一般常識的な目線ではなく、その子の今をじっくり見つめてから、慌てずに一歩一歩を踏み出すことが大切だと感じています。

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