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神学事始め アウグスティヌス

世界史の「この人、気になる!」7

オヤジブログ怪気炎 vol.165

紛らわしい名前が世界史には付き物だが、アウグストゥスとアウグスティヌスも覚えにくい。アウグストゥスはオクタヴィアヌスで呼べばよいのだろうが、Augustの語源でもあるのでそう簡単にはいきそうもない。
ボクは合唱を続けていまして、中世音楽に足を踏み入れようとすると「教会音楽」と「世俗音楽」が厳選と分けられている。キリスト教では「神の国」と「地の国」があって、私たちが生活する「地の国」では、教会の中でのみ「神の国」の一端が存在するのですね。これを言い始めたのが、アウグスティヌスの大著「神の国」。
さてアウグスティヌス。ローマ帝国末期に活躍した神学者で、ゲルマン人の侵攻により滅んでいくローマ帝国の様子を見届けている。しかし、「地の国」であるローマ帝国が滅んでも「神の国」のキリスト教会は滅びなかった。それどころか、今日まで欧米人の精神世界にずっと生き続けている。アウグスティヌスによれば神の国は永遠であるから。
彼は自分のありのままの生き様を「告白」に書き残している。マニ教を信じていた時代のこと、新プラトン主義に接近した頃のこと、さらに肉欲に溺れていた女性関係まで赤裸々に述べている。この迷える自堕落な実像が、いかにして多くの人々を導く宗教者に成長し得たのか。この振幅よ大きさにとても興味が湧いてきます。

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